禁漁期間中は管理釣り場で腕を磨く、といったつもりでちょいちょい管理釣り場へ足を運んでいるのだが、足元が整備されていて水辺へのアクセスが容易な一方で魚はスレまくりで、細糸にマイクロスプーンで繊細なバイトを獲る・・・といった展開になる事もしばしば。こうなるとネイティブトラウトの練習とはまた別物なのでは・・・と思えてきたりもする。
(勿論それはそれで楽しいのだが。)
そこで今回紹介したいのがTOKYOトラウトカントリー。
殆ど重機などが入っていないであろう河原の雰囲気は自然渓流そのもので、幾つもの岩を乗り越えて遡行する感覚を味わう事ができる。
水量も豊富でバラエティに富んだ流れは魅力的な落ち込み、深場、浅瀬を備え、状況に応じて魚の居場所を探る、といった渓流釣り本来の楽しさを感じられるような環境になっているので、ネイティブトラウトの練習は勿論の事、単純に大自然を感じながら釣りを楽しめるのが魅力的な釣り場である。
11月末と2月半ばにお邪魔してみたので、その時の状況なんかをレポートしてみようと思う。
基本情報
奥多摩川の支流、日原川の中流に位置する自然河川の一部を区切ったタイプの管理釣り場。
日原川で釣りをするストリームエリアと、コンクリートで作られたファミリーポンド(池)がある。
場所的にはこのあたり↓
ストリームエリアはルアー、フライ、テンカラ専用となっている。
詳細情報は管理釣り場のホームページを参照↓
駐車場~受付
駐車場は少し高い位置になる。駐車場から全体を写すとこんな感じ↓
正面に見える建物が受付とレストラン。その手前にあるのがエサ釣り用のファミリーポンドで、右側に流れているのが日原川である。
管理人が行った時は2回とも8:00オープンだったが、季節によって変わるようなのでホームページで最新情報をチェックしてから行った方が良さそう。
受付では他の管理釣り場と同様に釣りをする時間を告げて料金を支払う。するとバッジみたいなのを渡されるので、釣りをしている間は見える所に着けておき、帰りに返却する仕組み。
半日券があるのが個人的には嬉しい所。
尚、受付では名前、住所、電話番号を書くように言われる。恐らく険しい環境なので万が一の事を考えてのことだろう、と解釈している。
フィールドの様子
11月末に行った時はこんな感じだった。秋は紅葉も綺麗。
川に降りてみるとこんな感じ。
基本的に両岸は大きな岩がゴロゴロしており、場所によっては川を渡った方が狙いやすいポイントがある為ウェーダーは必須かと思う。
受付の建物の下はこんな感じの浅瀬になっている。
そのすぐ上には水深のある落ち込みが。
その上流には2,3段落ち込みがあり、更に上流に行くとこんな感じに。
この上は工事中で立ち入り禁止、とロープが掛かっていた。
一方で下流の方から受付を眺めるとこんな感じ↓
コレが最下流↓。ロープが張ってある所から下流は管理釣り場の範囲外となる。
その後、2月に行った時の最上流がこんな感じ↓
2月の方が水位が少し低かった。
とはいうものの落ち込みの部分の水量と水深は魚が隠れるには十分なくらい。
実釣レポート
2020年11月末
まずは11月の状況から。
この日は朝イチの1投目から魚の反応が。
受付下の浅瀬でミノーをトゥイッチしていたらすぐにヒット。
その後もすぐに2匹目が続く。
いたらすぐに反応がある、というのが自然の川っぽくて良い。
これなら普通の川みたいに上って行ったらいいのか?と思い、良さげな所に数投して反応が無ければ移動、という感じでテンポ良く上ってみたが、数回チェイスがあっただけであっという間に最上流に着いてしまった。
思ったより広くないのね・・・と思って最上流の流心の脇にスピナーを流すと・・・1発でイワナがヒット!
ヒレの綺麗なイワナ。パッと写真を撮らせてもらってすぐにリリース。
管理釣り場とはいえ明確に仕切られている訳ではないので時には自然の魚も入って来てるっぽい。
そして今度は流心の奥、対岸側の落ち込みを狙う。
数投すると・・・今度はヤマメがヒット!
もうこの感じは完全に自然の渓流と言っていいのではないだろうか。
最上流ではこれ以上の反応は無かったので、また下流へ下って行くことに。日が昇ってから改めて水中を凝視してみると、どうやら受付の周辺あたりには結構ニジマスが居そうな雰囲気。
ただ、気づけば自分以外の人が入ってたりして結構プレッシャーが高い状況に。こうなると簡単には喰わない。
なので小さ目のスピナーを駆使して丁寧に狙う事で何とか追加に成功。
この感覚は放流後しばらく経った自然の川に近いかも。
そこから一旦最下流まで行ってみたがヒットはあったもののバラシてしまい上げられず。
最後はタックルを替えて、落ち込みの深い部分を狙う事でちょっと追加して終了。
数、サイズ共に管理釣り場と考えたら物足りないかもだが、自然の川だと思えばそんなに悪くないと思う。
2021年2月半ば
続いて2月の釣行。真冬にしては暖かい日だったが、朝イチの気温は0℃とまあまあ寒かった。
とりあえず前回のパターンを踏襲し、Dコンタクトをメインに良さげな所を数投→反応無ければ移動、で順に上ってみた。
しかしこの日は全く反応無し。特に前回反応があった浅瀬には魚が見えず、深場のボトムに固まっているような印象を受けた。
前回イワナが釣れた最上流部も水深が浅く全く魚の気配無し。
ちょっと作戦を変えないとマズそうな雰囲気。
で、深場を中心に狙う作戦に変更。
目視で魚の存在が確認できる深場に狙いを絞り、重めのシンキングミノー→バイブレーションとローテーションしていくと・・・ヒット!
とりあえず小さいが釣れて良かった。実はここに至るまでに1時間半くらいかかっている。
しかしその後は順調にヒットが続く。ちょっとサイズが大きくなり・・
更にナイスな魚も。
また小さくなったかな?と思ったら・・・
次はまあまあサイズ。
次も結構良いサイズ。
更にその次も。
凄く大きいという訳ではないが、流れが強い川で結構良く引くのもあって釣り味は中々のもの。周囲の雰囲気も良いので満足感は高い。
その後もう何匹か小さいのを追加したところで、下流の様子を見に行きたくなったので移動。
最下流まで釣り下ってみたが、やはりこの日はシャローでの反応が全くなかった。
なので下流でも流れが緩くなって水深のある部分を狙う。
ボトムをしっかり取るのが重要っぽく、完全に着底してからアクションさせるように注意して流して行くと・・・ヒット!
サイズは小さ目だが狙い通りに釣れると嬉しい。
この辺でお昼が近くなって来たので、最後に上流部の深場を狙ってみた。
岩に隠れつつ落ち込みにリュウキバイブを落とし、リフト&フォールで狙うと・・・ヒット!
最後に一番良い魚が釣れたのでここで終了。11月より渋いかと思ったが意外とボトム狙いが当たって楽しい釣行となった。
まとめ
多分魚の絶対数では他の管理釣り場よりも少な目だとは思う。恐らく車が通れるように河原を整備してないので、上流や下流に大量に放流しようと思ってもバケツに入る分くらいしか持っていけない、といった事情もあるのではないだろうか。
しかし雰囲気の良さでは群を抜いており、ウェーダーが無いと厳しい、それなりに岩も登らないといけない、という環境もあって釣り人の絶対数が少なめなことから、魚のコンディションは他の管理釣り場とは違うような気がする。
ルアー自体に対してはそこまでセレクティブではなく、場所や通すコースやレンジを合わせたら釣れる、というのがネイティブに近い感覚だと思う。
人工的に仕切ってあるわけではないので、川の流れが強く、ルアーの流し方の勉強にもなる。
それでいて午前券があって価格もリーズナブルなので個人的にはちょいちょい通いたいと思う。(ちょっと家から遠いのが難点だが・・・)
より多くの人に知ってもらいたいと思う反面、あまり混むようになってもやだな・・と思う釣り場である。