ロッドを選ぶ時に、カタログや本体に記載されている「適合ルアーウエイト」と「適合ライン」が自分が使いたい範囲に合っているか?というのは恐らく誰もが気にしていると思う。
しかし、なるべく荷物を減らしたいおかっぱりでは、できるだけ1本のロッドで色んなルアーを投げたくなる。
そこで気になるのが、「適合ルアーウェイトを超えたらどうなるの?」という点。
管理人は普段から若干適合範囲をオーバーした状態でロッドを使っているが、今の所折れたりはしていない。
その点踏まえて考察してみようと思う。
適合ルアーウェイト=ロッドが折れないウェイト?
管理人的認識では適合ルアーウェイト(上限)=全力で振りきってもロッドが折れないウェイト、と考えている。
品質にうるさい日本市場に於いて、書いてある事が達成出来ない場合は結構なクレームが来る事が想像されるため、メーカーのクレーム対応リスクを考慮すると迂闊な数字は書けない筈である。
そんなわけで、「新品の状態に於いて、人間の動きとして考えられる範囲で振り切ってもロッドが折れないウェイト」を記載していると思う。
製造業の品質管理ではよく3σという言葉が使われる。
正規分布に於いて標準偏差σ×3の範囲に99.7%が収まる、といった統計の指標だが、恐らくカタログ記載のウェイトを乗せて全力で振って折れる確率はコレの反対、つまり0.3%以下くらいになるようにしてるのではないかと予想。
適合ウェイト=快適に投げられるウェイト?
軽い物を投げる場合にはどんなに軽くても折れる事は無いと思うので、強度の観点からすると別に制限は無いように思える。
ただ一方で、ロッドに求められる機能として、「ルアーの負荷に応じてロッドがしなり、その反発でルアーをより遠くに飛ばす」という機能がある。
ロッドをしならせる為には一定以上の重量が必要、という事から、適合ウェイトの下限を設定するなら「ロッドが適度にしなるであろう最低のウェイト」、つまりは「快適に投げられる最低限のウェイト」という事になると思われる。
適合範囲を超えたら?
管理人がおかっぱりで一番よく使うのがゲキハKR C661M。
適合ルアーウェイトは3/16oz~3/4oz、つまり5.25g~21gが適合ウェイトとなるわけだが、実際は4g~28gまでのルアーを使用している。
時期によっては43.5gのチビタレルを投げたりしてるので、適合範囲を超えても使える、と言えると思う。
勿論チビタレルを付けて全力で振ったら竿が折れると思うので全力では振れないが、数メートル先の見えバスに草の影からアプローチする、なんていった場合には全力で振る必要は無いので十分対応することができる。
じゃあどれくらいの力で振ったらいいのか?という点については正直感覚的な物であるが、強いて言うなら「根掛かりしたときに思いっきりロッドを引っ張ってしならせた時の曲がり具合」を覚えておき、投げようとした時にそれを超えそうだったらヤバい、といった所だろうか。
もしくは軽めの素振りから徐々に振りを大きくして、適合ウェイトのルアーの全力の時と同じくらいのしなりを再現、とかでもいいかもしれない。
↑はチビタレルをぶら下げてみた状態。少し振ってみて、どの程度しなるのか確認してみるのも良い。
一方で、適合ウェイトを超えて軽い物を投げる場合には竿が全然しならないので、柔らかい竿で投げるよりも2割とか3割とかの割合で飛距離が落ちてると思う。
とはいえ、飛距離が少々落ちても届く範囲に魚がいれば問題ない話である。
足元のウィードが濃いとかいった場合には敢えて強めのタックルで投げる事が即アドバンテージになるので、少々無理してでもやってみる事に価値があると思う。
↑は総重量3.9gのネコリグを投げて釣った魚。飛距離は出なかったが足元のウィードエリアで釣れた。
大丈夫、使える⇒かといってベストではない。
当たり前の話だが、適合ウェイトを超えても使える、と言ってもそれがベストな状態ではない。
例えば3/4ozのルアーの飛距離をMAXにしたい場合、適合ウェイトが最大3/4ozのロッドよりも最大1oz~1.5ozくらいのロッドの方が良く飛ぶと思う。
なので、結局の所は何を最優先にして適合ウェイトを合わせるか、という所がポイントだと思う。
適合ラインを超えたら?
適合ラインについても基本的な考え方はウェイトと同じで上限については「ロッドよりもラインが先に切れる最大のラインの強度」、だと思うし、下限については「ロッドのしなりを活かせる最小のラインの強度」だと思う。
上限に関しては正直ドラグをガチガチに締めて引っ張ったりしない限りはよっぽど大丈夫だと思う。
ただ、少し注意が必要なのがPEライン。
ナイロンと同じ太さで3倍とかの強度になるので、例えば最大4lbと記載のトラウトロッドに1号PEとかを付けたら場合によっては折れると思う。
とはいえ、ドラグを竿が折れない程度に設定すれば問題ないので、太い糸を使うの場合は何とかなる気がする。
下限については、「ラインが切れない程度にドラグを調整した時に竿がちゃんと曲がるか」が判断の基準だと思う。
もし曲がらないようであれば魚が掛かったときにバレる可能性が高くなる。
逆にラインの強度を超えたドラグ設定にしたら竿はしなるがラインが切れる、という事になる。
なので、適合範囲より細い糸を使うのはあんまりやりたくないかな・・・
免責保証という観点から
新品でロッドを買うと、1年間の免責保証が付いてきたりする。
しかし、大抵の場合、「誤った使用方法による故障」は保証の対象外になると思われるので、適合範囲を超えて使用した場合に故障したら当然保証は受けられないと思う。
なので、適用範囲を超えて使用するならあくまで自己責任、が前提になると思う。
まとめ
という事で纏めると、
飛距離や投げやすさに目をつぶれば適合ウェイトはオーバーしても大丈夫
飛距離を優先するならルアー重量は適合ウェイトの中心値あたりを狙う方が良い
適合ラインより細い糸はあまりオススメできない
やるなら自己責任で
という所かな。
まあロッドを複数持っていけば速攻で解決する話ではあるものの、限られた条件の中でああでもない、こうでもない、と考えるのも楽しみの1つ・・・だと思う。