2020年にリリースされたリールの中でかなり注目していたのがアルファスAIR TW。
φ28のフィネススプールを搭載していて、未だかつてない軽量ルアー対応性能との事。少し前にリリースされたスティーズAIR TWと同じスプールを搭載している割に価格は実売で3万円前後とお買い得な事もあって、購入する候補には入れていた。
しかし、個人的に2020年はスピンキャストリールとオールドスピニングにかなりの予算を使ってしまったために購入するには至らず。気づけばもう2021年になってしまった。
3月の解禁日を迎えるにあたり、選択肢の一つにベイトフィネス機を入れておきたいという事でアンバサダー1500CとミリオネアGS2000を整備したりしているうちに、やはりアルファスエアを使ってみたいという思いが再燃してきたので、新年1発目の大きい買い物として買ってみる事に。
早速管理釣り場で使ってみた所、前評判の通り異次元のキャスト性能だったので、今さら感はあるがその感動を残しておくべくインプレしてみようと思う。
メーカーHP情報
まずはメーカーHP情報をおさらい。
アルファス AIR TW
2020.05 デビュー
ハンドルノブS交換可
ソルト対応
8.6R
強靭アルミボディのベイトフィネス機
淡水のみならず、海水使用も対応したベイトフィネス新スタンダート機
ALPHASがTWSシステムを搭載し、遂に生まれ変わる。小口径φ28mmG1ジュラルミン製AIRスプールを搭載し、新次元のフィネス性能を実現。バスはもちろん山岳渓流でのトラウトのみならず、ソルトでのベイトフィネスゲームを可能にしたソルト対応仕様。ボディをフルアルミハウジングで構成し、様々なライトゲームフィッシングを想定し、開発された。
DAIWA TECHNOLOGY
■極フィネス 超小口径スプールΦ28mm AIRスプールフィネス性能を極める
フィネス専用AIRスプール
超軽量ルアーに対応すべく、超軽量・マイクロBB搭載
■エアブレーキシステムアキュラシー性能を大幅にアップさせつつ、極めてバックラッシュが少ない、ストレスフリーな使い心地を実現したブレーキシステム。軽量インダクトローター構造と軽量スプールとの組み合わせでスプールユニットとしての回転レスポンスを大幅に向上。同時にオン&オフがハッキリした効きの良いマグブレーキとの相乗効果を狙ったセッティングでフルキャスト時にはしっかりブレーキが効くが、ピッチング等の低回転時にはインダクトローターが飛び出さず低弾道で撃ち込める。つまり、小さい力でもスプールがスパッと立ち上がり、力まなくても驚くほどルアーがよく飛び、逆に力みにより発生するバックラッシュゾーンに対してはきっちりブレーキを掛ける。結果、同ブレーキ設定で、ピッチングとキャスティングが高レベルで両立する快適さをもたらした。
■UTD[アルティメットトーナメントドラグ]ドラグ効き始めの初期の食い付きを解消し、スティック(ムラ)のない滑らかさを実現しながら締めれば締めるほど効く最大ドラグ力を兼備する。
■ゼロアジャスターはじめに“ゼロアジャスター”を調整し、“スプールガタ ゼロ”設定を実施することで、マグネットブレーキの進化により全てのルアーをマグダイヤルのみで制御することが可能となった。
“ゼロアジャスター”は、釣りを開始する前に“ゼロ設定”に調整することで、釣りの間に誤作動が起こることなく、快適に釣りを楽しんで頂くための機構
※“スプールガタ ゼロ”設定とは、微細なガタつき(0.2mm程度)を残した状態で、スプールを押さないギリギリの設定のこと
■TWS (T-WING SYSTEM)[T-ウイングシステム]TシェイプレベルワインドがクラッチON・OFFに応じて前後に半回転する構造。キャスティング時にはレベルワインドが前方に回転し、ラインがTシェイプレベルワインドの幅広部を通ってスムーズに放出される。リトリーブ時にはレベルワインドが後ろ方向に倒れる形で半回転し、レベルワインド下部の溝にラインが誘導され、タイトかつ平行に巻き取られる。ライン放出性能とトラブルフリーを両立したダイワ独自のレベルワインドシステム。
アルファス AIR TW
品名 巻取り長さ
(cm/ハンドル1回転)ギア比 自重
(g)最大ドラグ力
(kg)標準巻糸量
:フロロ(lb-m)ハンドル長さ
(mm)スプール径
(mm)ベアリング
ボール/ローラーメーカー
希望本体
価格(円)JANコード 8.6R 75 8.6 160 3.5 6-45、8-45 80 28 6/1 42,800 4550133039485 8.6L 75 8.6 160 3.5 6-45、8-45 80 28 6/1 42,800 4550133039492 ※この表の表示巻糸量は上限値です。いずれのラインも45m以上巻かずに、ご使用されることを推奨します。
出典:ダイワ
歴代のアルファスシリーズのボディは踏襲せず、形状から全面的にリニューアルされている。
φ28のAIRスプールはスティーズと全く同じで、ブレーキの味付けが少々異なるとの事。とはいえキャストの立ち上がりに関してはスプールの慣性モーメントに依る部分が大きいので、キャスト時の初動については大差ないのではないかと予想。
外観など
パッケージはいつも通りの箱に入っている。内容物は本体と取説のみ。今回は左ハンドルを購入。
左から↓
左斜め前から↓
前から↓
右斜め前から↓
右から↓
右斜め後ろから↓
後ろから↓
左斜め後ろから↓
上から↓
下から↓
やはりTWSが付いた事で従来のアルファスシリーズとはイメージが変わったものの、コンパクトでパーミングしやすいボディはアルファスらしい。生産国はタイの模様。
16アルファスエアと並べてみるとこんな感じ↓
カラーリングやサイズ感は踏襲されている。
サイズ感
サイズ感は16アルファスエアと大体同じ。
参考までに17スコーピオンDCと並べてみると、アルファスの方がややコンパクト。
21ジリオンと並べてみるとジリオンの方がちょっとコンパクトかな。
重量について
重量は実測で159.3g。カタログ値とほぼ同じ。
16アルファスエア対比で5g軽くなっている。これくらいなら片手でも十分軽快に扱える。
TWSについて
先代と決定的に違うのがTWSの採用。
少しでもライン放出抵抗が少ない方が有利なベイトフィネス機との相性は抜群だと思う。
ターンアラウンド式のTWSはONにするとレベルワインダーが前進するので、大きな開口面積と浅いライン角度でかなり抵抗が少なくなっていると思う。
スプール重量
気になるスプール重量はベアリング込みで8.1g。
先代は9.6gだったので1.5gしか変わっていないようにも思うが、径が小さくなった事と、外周に近い糸巻面にブランキングが施されている事で、実重量の差以上にレスポンスに差が出るのではないかと思う。
ドラグについて
ドラグはザイオンノブのアルティメットトーナメントドラグ。
ノブが大き目で片手でノブを弾いてハンドルを回せるのが良い。
ちょっと残念なのがドラグクリッカーが付いていないこと。細糸専用機みたいなスペックなので付いてた方がいいと思うのだが・・・
ゼロアジャスター(メカニカルブレーキ)
メカニカルブレーキは基本調整しない。
ちょっとノブが安っぽいのが残念。
ラインを巻いてみる
PEを巻こうかと思ったのだが、まず管理釣り場用にナイロン1号を40m巻いてみた。
(最近寒くてガイドが凍るのだが、その時にリーダーの結び目が邪魔なので。)
8lb-45mのキャパシティなので、1号40mだと半分弱くらいのイメージ。
注意書きが少々面倒
ちなみにラインを巻くときは下記のポイントに注意。
・500g以上のテンションをかけない
・16lb以上のライン、15g以上のルアーは使わない
・8lb以下のラインでも45m以上巻かない
・6lbの以下のラインやPEラインはトラブルが多い(ラインの噛み込み、伸縮によるスプールの変形など)
これらの条件を全て守ろうとすると巻けるラインがかなり制限される事になる。軽量ルアー対応性能と引き換えなので仕方ないのだが・・・
ちなみに1号ナイロンは時々フレームとスプール間に嚙み込むことがあった。(バックラッシュさせた時)
管理釣り場にて
とにかく早く使ってみたかったので、エリアトラウトで使ってみた。
ロッドはマスビート3 MBC-562ULを使用。ラインはナイロン1号。
飛距離について
まず最初は実測2gのスプーンを投げてみた。
これはもう普通に良く飛ぶ。着水時以外ノーサミングの設定で大体22~3mくらい。
続いて実測1.4gのスプーン。
コレは手持ちの他のベイトフィネス機では殆ど投げられない重さなのだが、アルファスAIR TWだと普通に投げられてしまう。飛距離は17~8mくらい。
続いて0.9g。
コレは無理かも、と思ったが驚いた事に12~13mくらい投げられた。流石に少し出遅れる感はあったが、こんなに軽いルアーが投げられるベイトリールがあるとは驚きである。
参考までに0.5gのスプーンを投げてみたが、さすがにコレは5mくらいしか飛ばなかったので実用は不可。
ただ、コレがちょっとでも前に飛ぶことに驚いた。
実釣にて
この日は冷え込みがきつく、スプーンへの反応が薄かったのでボトムで勝負。
実測で1.2gとかのルアーだが、これも普通にキャスト可能。
結果無事にニジマスをゲット。
巻取りは滑らかでトルクも十分なので寄せるのは早い。ただ、エリア用リールとしてはハイギアなので早巻きしすぎてバラさないように注意が必要。あとやっぱりエリアではドラグクリッカーが欲しいかな。
他にはセニョールトルネードなんかも投げてみた。
重量が軽い上に思いっきり振ると伸びちゃったりするので、ある程度軽く振ってやる必要のあるめんどくさいルアーでもあるのだが・・・
普通に投げられる&釣れちゃうんだよね・・・
そんな訳で、1g以上のルアーについては殆どスピニング並みに使える事がわかった。
勿論軽量ルアーの最大飛距離ではややスピニングより落ちるが、実用十分な距離は出せるように思う。
自然渓流での活用に向けて
渓流での活用を想定して、短めのロッドでピンポイントを狙う練習をしてみた。
(参考までにアンバサダーとミリオネアも持参)
軽いキャストでピンポイントを狙う、という用途で考えると、ちょっと1g台は厳しい。2g以上あればかなり快適にキャストできる感じ。
アンバサダー、ミリオネアの場合は3g以上欲しい感じなので、これらと比較するとやはり軽量ルアー対応力は段違いだと思う。
逆に重いルアーはどうか・・・と思ってDコンタクトを投げてみたが、重い方のキャストフィールは爽快そのものだった。ものすごく軽く投げても恐ろしく伸びて行くので、かなり精度良く投げられるように思う。
ドラグクリッカーを追加してみた
REVO ALC BF7のパーツ流用でドラグクリッカーが追加できる。
詳細はコチラ↓
![](https://lurecafe.net/wp-content/uploads/2021/01/16107975581212-160x90.jpg)
渓流で使ってみた
道志川の上流エリアで渓流デビュー。
ロッドはシルバークリークグラスプログレッシブ46ULB-G、ラインはナイロン4lb。
川幅5mくらいの上流エリアではちょっとした落ち込みや深みをピンポイントで狙う事が多かったが、やはりスプールの立ち上がりが良いのが大きなアドバンテージとなる。
3.5gのAR-Sをメインに使ったが、かなり軽いインプットで飛ばす事ができるのでキャストに集中できる。飛距離も出るので遠目から狙う事でプレッシャーを与えにくい、というのも良いところ。
結果、無事にヤマメをキャッチ。
立て続けにカワサバも。
その後すこし開けたエリアに移動してウロウロしてみたが、トラブルレスで楽しい釣りができた。
丸形ベイトリールと比較すると重量が軽いのも良い所。とはいえ丸形の雰囲気も捨てがたい所なので、初場所や厳しい体制でキャストするケースが多い場所ではアルファスエア、勝手がわかった所では丸形、といった感じで使い分けて行こうかな。
まとめ
軽量ルアー対応力は感動の一言。一応これまでに16アルファスエア、17スコーピオンBFSなどのベイトフィネス専用機を使ってきたが、それらとは別物と考えた方が良いだろう。
ただ、その分ラインキャパシティが少なく、極力少な目にラインを巻く事が推奨されている、といったデメリットもあるので、バス釣りのおかっぱりで1本で幅広く・・・といった用途には向かないようにも思う。
個人的にはとりあえず渓流用かな。