最近は中国製のベイトフィネス用スプールを結構見かける。
ダイワのタトゥーラやアルファス、アブのブラックマックスなどの流通が多いリール用に作られた物についてはなかなかネット上の評判も良い。
そんな中で、まさかこんなリール用のシャロースプールがあるとは!と驚いたのが今回紹介するミリオネアGS-2000C用のスプール。
しかもスプールだけでなくマグネットブレーキユニットも付いて来るというから驚きである。
ミリオネアGSシリーズと言えばアンバサダーの1500や2500を一回り小さくしたような丸形リール。
これがベイトフィネス的に使えるようになったら面白いと思い、とりあえず買ってみる事にした。
手持ちのミリオネアGS-2000はベイトフィネス対応機になるのだろうか?
パッケージ
アリエクスプレスで購入。注文から約10日で到着したので、海外通販にしてはなかなか早かった。
梱包もしっかりしている。
中身はこんな感じ↓
スプール本体とマグネットブレーキユニット、そしておまけにスプーンが入っていた。
おまけのスプーンの重量は2.7g。これが投げられるようになる・・・という事なのだろうか。
外観など
スプールの外観はこんな感じ↓
当然ながら幅、直径は同じ。ベアリングとギアは純正スプールから外して使う事になる。
ちなみに↑の写真からわかるように、シャフトの長さが違う。管理人のリールはGS-2000(クリック機能無し)だが、このスプールはGS-2000「C」用。クリック機能付きのモデルはどうやらシャフトが少し長いようである。これについては後でどうにかする。
重量について
重量は実測で6.8g。
シャフト込みでこの重量はなかなか軽いんではなかろうか。
ブレーキユニットの重量はこんな感じ↓
元のスプール重量が20gくらいだったので、ブレーキユニット込みでもトータル重量は殆ど変わら無さそうである。
取り付けについて
ブレーキユニットを取り付ける
ブレーキユニットはスプールを外した後に、ハンドル側のフレームに押し込むだけで取り付け可能。
付けるとこんな感じに↓
ブレーキユニットは2分割の構成になっていて、磁石の部分を土台にねじ込む仕組み。ねじ込み具合によってブレーキ力の調節ができる。
捻ったら土台が回ってしまうのでは・・・と思ったが、本体側にあるちょっとした出っ張りに引っかかるようになっている。意外と良く考えられている。
スプールの組み付け
まずは元のスプールからギアとベアリングを外す。
外したベアリングを入れ、ギアを入れてEリングをはめると・・・ギアとEリングの間に隙間ができてしまう。GS-2000Cの場合はもう少しギアが長いのだが、GS-2000の場合は残念ながらこうなってしまう。
アレコレ試した結果、Oリングを挟んでやるのが一番良さげ。
バイオベックスのスピナーベイト用Oリングを2個挟むと丁度いい。
要はEリングとギアの間を埋めてやればいいのだが、M3のワッシャーだと直径が大きすぎてNG。
ポイントとしてはギアの谷の直径より小さい物を使う事、かな。
後は普通に組み立てればOK・・・・と言いたい所だが、もう一工夫する必要がある。
シャフトが長い分メカニカルブレーキのつまみを緩めてやる必要があるのだが、丁度いい位置まで緩めると既存のOリングにつまみが掛からなくなってしまう。この状態ではユルユルなので、脱落して紛失してしまうか、勝手に締まって飛ばなくなる可能性が高い。
そこでつまみの方に一工夫。つまみのネジの根本に一部ネジ山が無い部分がある。ここにOリングを噛ます事で、適度な抵抗を得る事ができる。
コーモランのネコリグ用Oリングのφ5mm×2本が丁度良かった。φ6だと太すぎるので使えない。
これで普通に使えるようになったと思う。
ラインを巻いてみる
とりあえず1号ラインを70m巻いたらこんな感じ↓キャパシティ的にはまだまだ巻けそう。
軽く投げてみた感じ
廊下で軽く投げてみた。向こうの壁までは6mくらい。
まずは約3.5gのウエイトでテスト。
驚いた事に普通に投げる事ができる。フリップキャストでも向かいの壁にライナーで当てる事ができた。サイドハンドで投げても引っ張られて横に流れる感じも無い。元々のスプールだと5gでも厳しかったので、かなりの向上である。
続いて2.1gに調節した樹脂の板を投げてみた。
これはさすがに少々出遅れる感はあったものの、しっかり振り切れればそれなりに投げられそうな感じだった。
おまけで付いてきた2.7gのスプーンも投げられる。
これはもうベイトフィネス対応機と言ってもいいのではなかろうか。
ちなみにマグネットブレーキもちゃんと機能しており、MAXまでスプールのプレートに近づけるとかなり効く事が分かった。一方で限界まで離せばほぼ影響がなくなる感じなので調整幅も広い。
とりあえず風とかが無ければマグネット無しでも投げられそうな感じだが、状況に応じて調整できる機能が追加されたのは嬉しい。
渓流で使ってみた
4lbラインを70m巻いた状態で、鱒レンジャーCT40との組み合わせで使ってみた。
場所はこんな所↓長く引けても5mくらいで、倒木が多くてその下に投げたりすることが多いポイント。
3g以上ぐらいからキャストが安定する。一方で巻取り速度が遅いので、流れの速い所ではスプーンかスピナーが使いやすい。
AR-Sの3.5gとか。
ドロップダイヤの3gあたりが使いやすかった。
ミノーのトゥイッチもできなくはない。ハンドルが短いので、1トゥイッチにつきハンドル1回転、といった感じで操作すると良い。とはいってもちょっと流れが速いと追いつかないけどね。
レベルワインダーが連動するのでキャスト中は常に適度にラインテンションが張った状態になる。なので障害物を躱しやすいし、着水時にすぐに巻き取る事ができる。
更にマグネットブレーキがなかなか優秀で、少し強めにする事でほぼノーサミングで投げる事が可能。
限界までマグネットを遠ざけてもキャストはできるのだが、タイミングによって軽くバックラッシュしたりする。少しでもバックラッシュするとスプールの隙間にラインが挟まるので、多少ブレーキを強めにしてでもバックラッシュを抑えた方が使いやすい。
そんな訳で、飛距離を抑えつつも↓の木の下なんかを狙ってみたらイワナがヒット。
ちなみに2g台のルアーも頑張れば投げる事ができる。
例えばAR-Sの2.1gとか。しかしこの場合は少し出遅れる感があるので、正確にピンポイントを撃つのは難しい。
管理釣り場にて
他のスピニングやスピンキャストと比較してしまうと飛距離が気にはなるが、5gのシンキングミノーを投げればなんとか対抗できるくらい。
巻取り速度は流れに対して90度に投げる分には問題なし・・・という事で。無事ニジマスをキャッチ。
オールドリールを使いこなして釣った感、というのはなかなか良い物である。これができるのも軽量スプールがあってこそ。
まとめ
GS-2000と2000Cの違いには少し焦ったが、無事取り付ける事ができた。
軽く投げた感じでは完全にベイトフィネス対応機になったっぽい。5gのシンキングミノーとかだったらかなり使いやすそうである。
見た目的には渓流で使いたいが、元々ハンドル1回転あたりの巻取り量が30cmくらいしかないリールなので、源流で使うかエリアフィッシング用にするか・・・かな。
バス釣りのスモールプラグ用にするのも面白いかも。
→とりあえず源流域の渓流で使ってみた感じは十分に使える事がわかった。
→管理釣り場の場合は広いところはしんどいが巻取り速度的には対応可能な感じ。