最近では中華製のリールパーツ、特にスプールがアリエクで簡単に買えるようになった。
スプールに関してはクオリティもまずまずで、アンバサダーや五十鈴リール用のシャロースプールは結構気に入っている。
一方でアンバサダーっぽい丸形リールもアリエクで売ってたりするので、最初からフィネススプールを組み込んだ丸形リールがあったらいいのに・・・なんて思いながら徘徊していたら、丁度良い感じのリールを発見した。
それが今回紹介するW300L-HZS。
アンバサダーCDLを彷彿とさせる金色の装飾に左ハンドルモデルがあって、更に純正でシャロースプールを搭載した夢のようなスペックとなっていた。
早速買って使ってみたので、中華製アンバサダーといった雰囲気のW300Lをインプレしてみたいと思う。
基本スペック
人気があるからなのか販売ページは既に無くなっていたが、スクショはスマホに残っていた。
出典:アリエクスプレスの販売ページより
これによるとスペックはこんな感じ↓
モデルNo. | W300 |
重量 | 175g |
ベアリング | 4+1 |
スプール重量 | 12g |
ラインキャパシティ | 0.8#-120m |
ギア比 | 5.0:1 |
パッケージ
パッケージはこんな感じ↓
何の記載も無い無地の段ボールに入っている。
開けてみるとこんな感じ↓
中身はシンプルに本体のみ。取説なんかも入ってない。
外観など
左から↓
左斜め前から↓
前から↓
右斜め前から↓
右から↓
右斜め後ろから↓
後ろから↓
左斜め後ろから↓
上から↓
下から↓
丸形で構造的にはアンバサダー1500Cとか2500Cと似たような感じ。金属製なのでそれなりに高級感もある。
特にロゴやラインキャパシティの表記等も無く、シンプルなデザインになっている。
サイズ感
サイズ感はアンバサダー1500Cに近い感じ。
他のトラッドリールと並べてみるとこんな感じ↓
こうして見るとあまり違和感が無い。
重量について
重量は181.0gと、この手のリールにしてはかなり軽い。
アンバサダーで250g前後、五十鈴のプラッガーやBC520Xで230g~240gなので、金属製トラッドリール最軽量とも言えそう。
ミリオネアCTSVやカルカッタコンクエストBFSよりも軽い。
スプールについて
気になるスプール重量は11.7g。
昨今のベイトフィネス専用機の中では重めではあるが、これくらいならそこそこ軽いルアーが投げられそう。
スプール外径は31mmと小径なのも良い。
ドラグについて
ドラグはよくあるスタードラグ。調整時のクリック音は無し。ラインが出る時もクリック音は鳴らない。
買ってそのままの状態でもまあまあ使えそうな感じ。
ハンドルについて
ハンドル長は軸間75mm。
ハンドルノブはアルミ製?で回転もスムーズ。
でもノブの交換はできなさそう。
ラインを巻いてみる
とりあえずダイソーナイロン1号を巻いて見る事に。
45m巻いたらこんな感じ↓
キャパシティ的にはまだまだ巻けそう。
ブレーキについて
ブレーキはメカニカルブレーキと遠心ブレーキ。
メカニカルは両サイドについており、左右から締める事でスプールの若干の左右位置調整も可能。
後は樹脂ブロックによる2点遠心ブレーキ。
渓流で使ってみた
早速渓流で使ってみた。
ラインはナイロン4lbを45m。ベアリング類はグリスたっぷりだったがとりあえずそのまま使用。
気になる軽量ルアー対応力はというと・・・
5gのDコンタクトTYPE2は余裕。
3.5gのAR-Sは一応投げられるがちょっと出遅れる。キャストするスペースが狭い所ではしんどい感じ。
同じ3.5gクラスでもDコンパクトは大丈夫だった。
空気抵抗が少なければいいのか・・・?と思ったが3gのドロップダイヤはしんどかった。(AR-Sと同じく、投げられるけど出遅れる。)
という事で、空気抵抗の少ないシンキングミノーで3.5g以上、スピナーなんかの空気抵抗が大きいルアーは4.5g以上、くらいがストレス無く扱える範囲かなと思う。飛距離も20mくらい出たので小渓流では実用範囲内。
ちなみにブレーキ設定はメカニカルはユルユルで遠心のみで使用。意外とバランスが良く、着水時以外ノーサミングでトラブルレス。その割に失速感も少ない。
ギア比が5:1なので巻取り速度は遅め。でもまあ頑張れば何とかアップでも使えるかな、といった感じ。
自重が軽めなのでトゥイッチをするのも楽で良い。
今回はDコンタクトを中心に使ってみたが、無時にイワナとヤマメをキャッチ。
ミノーを中心に使うのであれば源流でのピン撃ちにも使える。この見た目と使用感で7000円はかなりお買い得なのではないだろうか。
ただ、下記の点には注意が必要。
①スプールと本体の間に糸が噛み込む。
②クラッチが切れない時がある。
③クラッチの入りが甘い時がある。
噛み込みについてはまあそんなもんかな、と思うのだが、直すために現場でスプールを外す際にブレーキブロックを落とさないように注意したい。
クラッチについてはどうも相性が悪い場所があるようで、押してもクラッチが保持されずボタンが帰ってくる事がある。
そんな時はほんのちょっとでいいのでスプールを指で回してやると入るようになる。
逆に巻き始めた時にクラッチが入り切らずに異音がする事もあるのだが、この場合は軽くスプールを押さえた状態でハンドルを回すとカチっと入る。
最新リールではありえないトラブルではあるが、慣れるとまあこんなもんか、と思えるようになる。
分解してみた
とりあえず脱脂したいので分解してみた。
構造は至ってシンプルなので特に展開図とかは無くても大丈夫だった。
面白いのがコグホイールがアルミ製な所。
あと、レベルワインダーの両サイドにベアリングが入ってるのが良い。
この青い樹脂のカラーのチープさには驚いたが、こういう所で手を抜いてるから安い・・・と思えば納得である。
綺麗に脱脂してオイル仕上げしたので、どれくらい飛距離が伸びるかが楽しみである。
ちなみにスプールを支えるベアリングは両サイドのメカニカルブレーキのキャップを開けた所に入っている。
勿論これらも外して脱脂済み。
脱脂した結果キャスト時のレスポンスが良くなり、使いにくかったAR-Sの3.5gが実用レベルで投げられるようになった。(若干出遅れるものの親指を離すタイミングで調整可能な感じ。)
実釣動画
実釣の様子を動画にしてみた。
まとめ
この雰囲気のリールが箱出しでそのまま渓流で使える、というのはかなり衝撃的。今までだったらどんなに安くても本体〇万円、スプール1万円とかだったので、それから比較したらかなりリーズナブルにトラッドリールの雰囲気が楽しめるという事になる。
まああくまで雰囲気だけなので本物と比較してしまうと気になる部分もあるが、遊びで使うには持って来いのリールだと思う。