【インプレ】ダイワ スピンキャスト80【国産スピンキャストのスタンダード】

ダイワ 14スピンキャスト80を渓流で スピンキャストリール
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最近ゼブコのオメガプロ、33マイクロといったスピンキャストリールを使っているのだが、かなり使える事に気が付いた。

しかし、一つ気になるのがハンドル1回転あたりの巻取り量の少なさ。

止水で使う分には何とかなるのだが、どうしても渓流などの流れのあるところではもの足りなくなるシーンが発生する。

そこでアレコレ検討してみた所、意外とスピンキャスト80は巻取り量が多い方である事に気が付いた。(あくまでスピキャストリールの中で、の話だが。)

背が高くてパーミングしにくい、ボタンが高くて押しにくい、ピックアップピンが1本しかない・・・などのデメリットも耳にはするが、結構高い評価をしている人も多く、何より価格が3000円程度と安いので、コレは一回使って見た方がいいのではないかという結論に至った。

アマゾンで送料込みの税込み3000円ジャストというのを発見したので早速購入。

まずは開封インプレから行ってみよう。

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メーカーHP情報

まずはメーカーHP情報をおさらい。

スピンキャスト80

 

 

今なお愛され続けるクローズドフェイスリール


スピニング・ベイトリール全盛の時代にありながら、今なお愛用者が少なくないクローズドフェイスリール。「親指でクラッチボタンを押しながら、キャストの瞬間に指を離す」という使い方はビギナーや子供でも理解しやすく、トラブルが少ない。扱いに慣れたベテランならば軽いルアーでも驚くほどの正確さでキャストすることが可能。構造上、大遠投が必要な釣りやパワー重視の釣りに向いていない部分はあるものの、使い方次第で非常に楽しめる奥の深いアイテムである。

仕様詳細


■キャスティング時のライン抵抗を減らし、飛距離を伸ばす大口径フロントカバー
■従来品(スピンキャストST 20/30)よりも豊富な巻糸量で様々な釣りに対応
■ナイロンライン(6lb.-95m)が巻いてあるのですぐに使える
■ハンドルの正転・逆転が切り替えられるアンチリバースレバー
■ダイヤルドラグ
■ハンドルは左右付け替え可能

品名 巻取り長さ
(cm/ハンドル
1回転)
ギヤ比 標準
自重
(g)
最大
ドラグ力
(kg)
標準巻糸量
ナイロン
(lb.-m)
メーカー
希望本体
価格(円)
JAN
コード
スピンキャスト 80 56 4.3 250 4.5 6-95(付属糸)
8-70
10-50
オープン価格 960779
アンダースピン 80 56 4.3 250 5 6-95(付属糸)
8-70
10-50
オープン価格 960793

出典:ダイワ

ハンドル1回転あたりの巻取り量が56cmなのがポイント。

オメガプロ、33マイクロは40cm程度なので、それと比べたら結構多いと言える。

この速さのリールはゼブコ他のメーカーにもあるにはあるのだが、そのほとんどが300g近い、またはそれを超える重量になっているので、そこそこ早く巻けて軽めの本体、というスピンキャスト80は実は結構バランスが良いのではないかと思えてきた。

パッケージ

パッケージはこんな感じ↓

14スピンキャスト80の箱 正面から

本体の赤に合わせた赤い箱が特徴的。

スペック情報はこんな感じ↓カタログ情報通り。

14スピンキャスト80の箱 スペック

開けるとこんな感じ↓

14スピンキャスト80の箱 開けてみた

プチプチに包まれた本体、取説の2つが入っている。

14スピンキャスト80の箱と本体

袋から出してみるとこんな感じ。ラインがすでに巻かれており、DAIWAロゴ入りのラインストッパーが付いている。

外観など

右から↓

14スピンキャスト80 右から

左から↓

14スピンキャスト80 左から

前から↓

14スピンキャスト80 正面から

後ろから↓

14スピンキャスト80 後ろから

上から↓

14スピンキャスト80 上から

下から↓

14スピンキャスト80 下から

生産国は中国。

赤と黒のカラーリングが特徴的。

値段は安いがアルミ製コーンとずっしりした質感からそこまで安っぽさは感じない。

ボディ材質もサイドプレート以外は金属製っぽい。その分重いがしっかりした印象を受ける。

ハンドルの左右入れ替え

まずは左ハンドルにするために、ハンドルの左右入れ替えを実施。

14スピンキャスト80 ハンドルの入れ替え(右)

部品は3つ。ハンドル本体と左右をつなぐネジ、それとネジのキャップ。

普通に部品の左右を入れ替えて組み込むだけ。

14スピンキャスト80 ハンドルの入れ替え(左)

14スピンキャスト80のハンドル固定ネジ

ネジにキャップがある事で、ハンドルを回した時に反対側のネジが回るのが隠れる。

ハンドルは勿論供回り式だが、昨今のスピニングのように本体側に六角穴が開いているのではなく、ハンドル側に六角穴が開いている構造になっている。

14スピンキャスト80 ハンドル取り付け方式

入れ替え終わるとこんな感じ↓

14スピンキャスト80 右ハンドル

重量

カタログスペックは250g。実測は・・・

14スピンキャスト80 本体重量測定

242.8gと、カタログスペックより少し軽め。

オメガプロをダブルハンドルにした状態とほぼ同じなので、重量的には渓流でも使えそうである。(重心の高さの影響は不明だが)

こっちはオメガプロ↓

ゼブコ オメガプロZ02 重量測定

サイズ感

33マイクロと並べてみるとこんな感じ↓

14スピンキャスト80とゼブコ33マイクロ 上から

14スピンキャスト80とゼブコ33マイクロ 前から

やはり33マイクロと比較するとだいぶ大きさが違う。

ボタンの高さもだいぶ違う。

14スピンキャスト80とゼブコ33マイクロ クラッチボタン比較

オメガプロと並べてみるとこんな感じ↓

14スピンキャスト80とゼブコ オメガプロZ02 前から

14スピンキャスト80とゼブコ オメガプロZ02 上から

本体の直径、ボリューム感は結構近いが、重心がだいぶオメガプロの方が低い。

14スピンキャスト80とゼブコ オメガプロZ02 クラッチボタン比較

オフセットグリップのロッドがあればいいんだが・・・持ってないんだよね。

ちなみにベイトリール(アルファスCT)と並べてみるとこんな感じ↓

14スピンキャスト80とアルファスCT 上から

14スピンキャスト80とアルファスCT 前から

ハンドルについて

ハンドル長

ハンドル長さは50mm。

14スピンキャスト80のハンドル長

ダブルハンドルだと100mmに相当するわけで・・・個人的にはもう少し短い方が好きかな。

ハンドルの構造

14スピンキャスト80のハンドル構造

ハンドル本体はアルミ製。小判型の穴が開いており、樹脂カバーと合わせた後に本体の金属部品に差し込み、外側からネジで止める構造。

ハンドルの取り付け穴の形はダイワのベイトリールのハンドルと似ているが、穴の大きさがスピンキャスト80の方が大きいので、そのままでは互換性が無い。

フロントカップについて

フロントカップは正面から見て反時計回りにフロントカップを回すと外す事ができる。

14スピンキャスト80のフロントカップ

フロントカップはアルミ製。ライン放出部には金色のリングが付いており、ラインの接触抵抗を抑えるようになっている。

外してみるとこんな感じ↓

14スピンキャスト80のフロントカップ(裏から)

若干赤が薄い部分があるがまあご愛敬という事で。

14スピンキャスト80のフロントカップを外した状態

ピックアップピンについて

ピックアップピンは1本。しかしピンは2重構造になっており、外側の筒が回転するようになっているので、ラインの摩擦抵抗を最低限に抑える事ができる。

14スピンキャスト80のピックアップピン

ローターを外す時は↑の写真の黒いゴムの真ん中にある六角のナットを半時計回りに回すと外す事ができる。

裏から見るとこんな感じ。

14スピンキャスト80のピックアップピンの取り付け状態

反対側にも穴が開いており、同じように部品が付けられる構造になっているので、部品さえ手に入れば2本化する事も可能。

スプールについて

スプールには最初から6lbラインが巻かれている。

14スピンキャスト80のスプール(初期)

糸巻量はこんな感じ。スプールの端ギリギリまで巻かないのがスピンキャストのスタンダードである。

スプール径は41mm。

14スピンキャスト80のスプール径

もしスプールいっぱいまでラインを巻いたとしたら、

41mm×3.14×4.3 ≒ 55.36cm

となり、ハンドル1回転あたりの巻取り量はほぼカタログ通り。しかし、実際は少な目にラインを巻いて使うのが普通なので、もう少し巻取り量は少なくなるのではないだろうか。

という事で、ライン部の外径を測ってみると、37mmという結果に。

14スピンキャスト80のライン量

この場合は、

37mm×3.14×4.3 ≒ 49.96cm ≒ 50cm

という事で、実用上は大体ハンドル1回転で50cmくらい、というところかな。

後で実際にハンドルを1回転させてメジャーで長さを測ってもそれくらいだった。

ちなみにスプールの高さは8.5mmくらい。オシュレート機能(スピニングのようにスプールが上下に動く機能)は無し。

14スピンキャスト80のスプール高さ

スプールの外し方

14スピンキャスト80のスプール固定用リング

スプールは↑の写真の真ん中に映っているC型の部品(スナップリングとかEリングとか言われる部品)を外す事で取り外す事ができる。

幅が広めのマイナスドライバーを隙間に入れて捻ると外す事ができる。

で、外してみるとこんな感じ↓

14スピンキャスト80のスプールを外した状態

スナップリング→ワッシャー→ドラグワッシャー→スプールの順ではまっている。その先にはまたドラグワッシャーが続く。

スプールの裏には細かく凹凸が付いており、これと銅板が接触する事でドラグ音が鳴る仕組み。

14スピンキャスト80のスプール裏面

つまり、ドラグはスピニングと同様にスプールが回ってラインが出ていくタイプのドラグシステムである。

スプールを研磨する

スプールは正直バリが多くてそのまま使うとラインが切れそうな雰囲気だったので、一旦ラインを外してサンドペーパーでエッジを磨く事にした。

14スピンキャスト80の糸を出した状態

360番→600番→1000番で磨いたらそれなりに滑らかになった。

ラインを巻いてみる

スプールを磨く為にラインを取ってしまったので、改めて巻き直す事に。

トラウト用にしたいので、4lbを巻く。

まずは2号ラインで下巻きを。ラインカウンターで33m測って巻いてみた。

14スピンキャスト80の下巻き

続いてダイソーナイロン1号を100m巻く。

14スピンキャスト80と1号ライン

巻き終わったらこんな感じになった。糸巻量的にはちょうど良いくらいかな。

14スピンキャスト80に1号ラインを巻いた状態

ロッドに付けてみる

まずは鱒レンジャーCT50 ARMY2との組み合わせ。

14スピンキャスト80と鱒レンジャーCT ARMIY2

やはり少し重心が高い。

14スピンキャスト80のクラッチボタンを押す

続いてファインテールとの組み合わせ。

14スピンキャスト80とファインテール

何気にリールフットが薄いので、ファインテールの狭いリールシートとは相性が良かった。

14スピンキャスト80とファインテール リールシート部

パーミングするとこんな感じ。管理人は比較的手が大きい方なので問題ないが、手の小さい人だとしんどいかも。

14スピンキャスト80とファインテール パーミング

ちなみにリールフットから一番高いところまでの高さを測ってみたら71mmあった。

14スピンキャスト80のリールフットから天面の高さ測定

分解してみる

サイドプレートは3本のネジで止まっており、ハンドルを外す→3本のネジを外すのステップで簡単に分解することができる。

スピンキャスト80を分解

ちなみに今回やらかしてしまったのが、間違ってアンチリバースON/OFFのネジも外してしまった事。コレを外してしまうと、中で部品が転がっていってしまうので、元々の状態を知らないと結構焦る。

試行錯誤して戻してみたらこんな感じになった↓

14スピンキャスト80のサイドプレート裏

やっぱりいくら構造が単純とは言え展開図を見てからバラす方が良い。

スピンキャスト80の展開図はコチラ→スピンキャスト80展開図

アンチリバースについて

↑の写真の金属の爪みたいなやつがアンチリバース用の部品。

ハンドルが逆転しようとするとこれがメインギヤに引っかかって逆転を防ぐ仕組み。

お陰で当然の事ながら多少遊びがある。

アンチリバースが効かない・・・?

ちょっと注意したいのがバラして組み立てる時。↓の写真の左側のメインギアに付いている針金みたいな部品の先端が、右の矢印の爪の窪みに入っている必要がある。

コレがずれていると、アンチリバースが効かずに延々と逆回りする。

参考までに、アンチリバースの構造を写真でチェック。

サイドプレートの画像を半透明にして重ねてみるとこんな感じになる。ハンドルを正転させる時は針金が爪を前に押すので、メインギアに爪は干渉しない。

ハンドルを逆転させた場合は、針金が爪を引き寄せる方向に働くので、メインギアのアンチリバース用のギアに爪が引っかかる仕組み。

なので、爪が動いている最中はハンドルが少し逆転する=逆転ガタが発生、という事になる。

カスタムについて

スピンキャスト80のカスタムでやってみたいのが、

・ピックアップピンのダブル化(部品取り寄せ必要。)

・ハンドルを短く&ダブル化(ハンドル購入&少し細工が必要) → 済

・ベアリングの追加(外径12mm/内径8mm/幅3.5mmのベアリング×2個必要) → 済

といったところ。

まずはこのまま使ってみて、不満があったら順番に挑戦してみたい。

渓流で使ってみた

早速秋川で使ってみた。

14スピンキャスト80 秋川にて

渓流といっても秋川下流部なので流れは穏やか。

投げてみた感じ

14スピンキャスト80 秋川にて クラッチボタンを押す

やはりボタンの位置が高いので慣れるまでは手が攣りそうな勢い。この点についてはやはり低重心のゼブコのリールの方が使いやすい。

とは言えラインの出はスムーズで、ピッチングやフリップキャストがしやすい、というスピンキャストの特性は生かせるので、慣れてくるとピンポイントへのキャストが決まる。

ピックアップピンが1本なのはどうかな・・・と思ったが、着水時に少し意識的に糸フケを取るようにしてやればあまり気にならないことがわかった。

飛距離について

とりあえずシンキングミノー、スプーン、スピナーと投げてみた。

14スピンキャスト80とドクターミノー2

14スピンキャスト80と1.8gのスプーン

14スピンキャスト80とスピナー

ライン放出口が広いのでよく飛ぶのかと思いきや、特によく飛ぶわけではないっぽい。

ただまあ感覚的にはスピニングとほぼ変わらない感じであり、1g台のスプーンであっても快適に投げられる事がわかった。

一方で、サミングの代わりにライン放出口に手を当てて飛距離をコントロールするのがやりにくくなるかな・・・と思ったがそうでもなく、右手で投げて左手でラインを押さえてやればまあまあコントロールはできる。

リトリーブについて

ベイトリールのようにリール全体をパーミングすると、ただ巻きの時はいいのだがシンキングミノーの連続トゥイッチがすこぶるやりにくい。

14スピンキャスト80 秋川にて パーミング

ツーフィンガーかスリーフィンガーでグリップを握った状態でやる方がトゥイッチに関してはやりやすい。

14スピンキャスト80 秋川にて ツーフィンガー

肝心の巻取り速度についてはちょっと速くなった気がするが、やはりハンドルがちょっと長いのが気になる。

ミノーの連続トゥイッチについては流れの緩い所なら何とか追いつく感じ。ハンドルを短くしたらもう少しやりやすくなるかもしれない。

尚、スプーンやスピナーなどのただ巻きで使えるルアーについてはなんら問題無し。

ヒットしてからのやりとり

まずはヤマメとのやり取りについて。

14スピンキャスト80とヤマメ

ドラグが結構滑らかなので、スピニング感覚でドラグを出しながら巻き続ける、というのがやりやすくて良い。

続いてはナマズをヒットさせた場合について。

14スピンキャスト80とナマズ

たまたま60cmほどのナマズがヒットしたが、ファイト中にドラグ調整をし直すのが簡単なのが良かった。

巻取りトルクもそれなりにあるので、4lbラインではあったが無事に取り込むことができた。

ハンドルを交換してみた

ハンドルが長いのが気になったので、ダブルハンドル化した上で短くする事にした。

とりあえずミリオネアCV-X103Lの80mmハンドルが余っていたのでコレを付けてみる事に。

上の写真の通り、純正ハンドルの方が少し穴が大きい。改造するにはハンドルの穴を大きくするか、リールのハンドル取り付け部を細くするかの2択。

今後更に違うハンドルを付けられるように、今回はリール側を加工することにした。

ちなみに純正ハンドルの厚みは3mm。なので交換するハンドルも同じ厚みの物が望ましい。

↓リール側のシャフト幅は5.8mm。

ハンドルの穴の幅は5mm。

という事で、小判型の片側を0.4mmずつ削ればいいという事になる。

ダイヤモンドヤスリで削ってみるが、目が細かいのでなかなか進まない。

という事で目の粗いヤスリで一気に削ってみたら・・・見事に削り過ぎましたよww

4.8~4.9mmくらいになった。

ハンドルをはめてみると軽くガタがあるが・・・まあ空転したりはしないだろ。

続いて樹脂のカバーを加工する。

ダイヤモンドヤスリで先端をカットし、軸側の部品も表面を水平にする。

できた部品とハンドルを組み付けたら・・・完成!

ミリオネアのハンドルは重いので、重量が264.3gになった。

これはちょっと微妙かな・・・という事で、85mmのアルファタックルのハンドルにしてみた。

これだと256.0gと250g台をキープ。まずはこれで使ってみようかな。

メッキ部の補修

プラ部分の赤いメッキに傷が付いてしまったら・・・

赤マジックを塗るとそこそこに誤魔化せる。

ベアリングを追加してみた

メインギアの両サイドの樹脂ブッシュをベアリングに交換してみた。

DDL-1280ZZがぴったり嵌まる。

交換してみたら、結構回転が滑らかになった気がする。

実はハンドルに4個ベアリングが入っているので、トータル7ベアリングとなった。

でもローラーベアリングは入ってないという・・・

まとめ

やはり少し背が高いのとハンドルが長いのが気にはなるが、ちょっと工夫すれば結構使えるような気がする。(→ハンドルは交換済み)

造りは結構しっかりしているので、ちょいちょい手を加えながら気長に付き合っていくのが良さそうなリールである。

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