エラストマー製の虫系ルアーとして、一つ前の日記でキッケルキッカーを紹介したが、それとはまた違った雰囲気で使い勝手のいいエラストマー製虫系ルアーが今回紹介するティムコの野良ネズミ。
ネズミと言うだけあって、虫系なのかどうかは議論が別れるところかと思うが、水面を漂う一口サイズの浮遊物、という点では共通するものがある。
一方、虫らしからぬ凹凸の少ないボディのお陰で、抜群のスキッピング性能やキビキビしたドッグウォークアクションなど、従来の虫系ルアーには無い要素が魅力的でもある。
そんな野良ネズミをインプレ。
パッケージ
パッケージはこんな感じ↓
ブリスターパックで3個入り。「野良ネズミ」のロゴと右下のネズミの絵が何か漫画っぽくて良い。
裏面はこんな感じ↓
物語めいた説明文がなかなか秀逸である。
野良ネズミは、はたして運命から逃げ切れるか・・・!?
謎の黒い影の驚異から逃れ、茂みに逃げる野良ネズミ・・・命からがら逃げ出した、彼を待ち受けていた運命は?
彼は安心しきっていた。もう驚異は去ったのだと錯覚していた。茂みから意気揚々と泳ぎだす野良ネズミ。しかし彼を襲う黒い影はゆっくりと、だが確実に近づいていた。どんな方法を尽くしても、抗うことのできない運命の時が来る。
バス「彼に人生の厳しさを教えてあげました。」
なんかガンバの冒険を思い出した。
捕食者から逃げる小動物の気持ちになって使うとより楽しいと思われる。
基本スペック
長さ:88mm
珍しくボディ部分だけでなく尻尾も含むサイズ表記。
数値だけだとかなり大きくなってしまうが、ボディ部分は約40mmで半分以上が尻尾である。
重さ:4g
実測は3.9g。大体カタログスペック通りである。
定価:940円(税抜き)
入数:3個入り
外観など
上から↓
丸みを帯びたボディと長い尻尾が特徴的。
背中のスリットでフックを隠す事で抜群のスナッグレス性能が期待される。
下から↓
中央部に穴があいており、ここからフックを刺すのかと思いきや、標準はその後ろから刺すのが正解とのこと。
恐らく、この部分を薄くする事でボディが曲がりやすい→フッキング性能が向上、というところかと思う。
横から↓
首の部分がくびれて、おしりが厚めになっている。
フックポイントを隠しつつもフッキングしやすく計算されていそうな形状である。
前から↓
パッケージの漫画絵と違ってちょっと顔が怖い。
後ろから↓
エラストマー素材はかなり伸縮性があるので、尻尾をこれだけ引っ張っても切れずに伸びる。
サイズ感
サイズの近いルアーと並べてみるとこんな感じ↓
上から順に、野良ネズミ、キッケルキッカー、シグレ、生蝉
重量はキッケルキッカーが約3.1g、野良ネズミが約4gなので野良ネズミの方が少し重いが、雰囲気的な大きさとしては近いように思う。
フックサイズ
メーカー推奨の刺し方はこの通り
出典:https://www.tiemco.co.jp/products/groups/view/1729
適用フックサイズは#1前後、との事だったのでまずはキロフックの#1と合わせてみた。
一見丁度いい・・・かと思いきや、裏面の穴の後ろから刺すには少し短い気がしたので、#1/0を刺してみることに。
#1/0だとちゃんと穴の後ろから刺せたので、キロフックの場合は#1/0がオススメと言えそうである。
まあよくよくホームページを見直したら頭側をもう少し後ろから刺したら#1でも良かったかな・・・まあまた試してみよう。
横から見ると全くフックポイントが見えないのでかなりスナッグレス性能は高い。
上から見た場合はこんな感じ。
素材自体がフックを保持する力が強いので、先端を埋める必要は無い。その分しっかりフッキングする必要がありそうである。
一方、あんまりムニュムニュすると塗装が剥がれて来るので注意。
尚、フック込みの重量は4.4g。これだけあればベイトフィネスタックルでも投げられそうである。
浮き姿勢
上から見るとこんな感じ↓
横から見るとこんな感じ↓
浮き姿勢は水平浮き。
浮力は結構あり、フック付きで沈めても↓のように浮いて来る。(動画:約1.4MB)
投げてみた感じ
フロロ5lb×MLのスピニングロッドとの組み合わせで飛距離は約25mだった。4gちょいのフローティングルアーとしては十分なのではないだろうか。
スキッピング性能については看板に偽り無しで、めっちゃスキッピングしやすい。急にキャスティングが上手くなったと錯覚させてくれる。気分はミラクルジムである。
スピニングだとバックラッシュの心配もなく、スナッグレス性能も抜群なので、積極的にカバーに向かって突っ込ませる事ができる。
アクション動画
ちょっとドッグウォークさせてみた。(動画:約2MB)
綺麗に首を振る姿はペンシルベイトやフロッグに近い。なので虫を意識するよりは小魚やカエルを意識した方がいいのかな・・・という気もする。
まとめ
虫系と言いつつ、フロッグやペンシルに近い動きができる個性的なルアー。
小さめのボディとスナッグレス性能、スキッピング性能
を合わせる事で、カバーの奥に潜んでいて、且つ小さいルアーにしか反応しないようなナーバスな魚を狙う事が可能になると思う。
キッケルキッカーでカバーの周りを、野良ネズミでカバーの奥を、といったような使い分けで夏のカバーを攻略してみたい。