2020年の新製品の中で、結構気になってたのがシマノのSLX DC。
DC搭載機では最安となる価格設定。
でもDCブレーキシステムはちょっと古いI-DC4か・・・と思ってたら、中身は全く新しい物になっていると聞き、それなら是非とも試してみたいと思った次第。
スペックなどは過去記事を参照↓
で、それが最近発売になったので早速ポチってみた。
税込送料込みで何故か他店より2000円近く安く売っている店を発見。しかもクーポンとポイント還元を合わせると実質15000円ちょっとに。
コレは凄くラッキーなのでは!?と思ったが、注文後に落ち着いてショップの評価を見たらまあまあ厳しいコメントが並んでいた。
「新品と思ったら中古としか思えない物が届きました」
「包装がズタズタでした」
「在庫有りと記載があったのに注文後一週間経って在庫無しの連絡」
「故障が見つかっても一切対応しない」
とかいった感じ。
オイオイちゃんと届くのかよ・・・とドキドキしながら待っていたが、一応無事に届いたのでまずは開封インプレから。
2020/2/15 飛距離レポート追加
パッケージ
パッケージはこんな感じ↓
梱包はズタボロではなかった(笑)
開けてみるとこんな感じ↓
本体、保証書、組立図、取説、メンテナンスオイルが入っていた。
最近はダイワのリールを買ってばかりだったが、ダイワの場合取説と本体しか入ってない事が多い。
それと比較すると、オイルが入っている分ちょっとだけお得な気分。
基本仕様
品名 | 70XGRIGHT |
ギア比 | 8.2 |
最大ドラグ力(kg) | 5.0 |
自重(g) | 210 |
スプール寸法(径mm/幅mm) | 34/22 |
ナイロン糸巻量(lb-m) | 12-100、14-90、16-80、20-65 |
最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | 88 |
ハンドル長(mm) | 45 |
ベアリング数BB/ローラー | 6/1 |
本体価格(円) | 27,500 |
外観など
前から↓
右から↓
左から↓
上から↓
下から↓
後ろから↓
スプールとメカニカルブレーキのノブが青いので全体的に青いイメージ。
左側のロゴが目立って気になるかなと思ったが、以外とシンプルで精悍な印象。
生産地はマレーシアの模様。
重量
カタログスペックでは210g。
実測は214.8gとやや重め。グリスが多目に塗ってあるのだろうか。
まあこれくらいの差なら正直気付かないけどね。
サイズ感
17タトゥーラSVTWと並べるとこんな感じ↓
前後は少しタトゥーラの方が長く見えるが、重量や幅、高さはほぼ同じくらい。
17バスワンXTと並べるとこんな感じ↓
バスワンと比較しても前後方向以外のボリュームは大体同じくらい。
ブレーキシステム
ボディ左側にブレーキダイヤルが。シンプルに1~4の4段階設定。
新しくなったというI-DC4の実力が気になる所。
ちなみにメカニカルブレーキはゼロポジションを推奨とのこと。
ダイワは完全にメカニカルは不要みたいな表現だが、SLXの場合は耐バックラッシュ性能を上げたい場合は使ってねというスタンスのようだ。
ちなみにメカニカルブレーキはカチカチ鳴らないタイプ。
I-DC4の調整方法はこんな感じ↓
軽くて空気抵抗が大きい物は4、それよりよく飛ぶルアーについては段々目盛りを下げて行く、という仕組み。分かりやすくて良い。
ブレーキ特性も新しくなっているとの事。
NEW I-DC4のブレーキ制御(4段階でも飛ぶ理由)
キャスティング前半のブレーキ補正度合いが大きく、1ダイアルで幅広いルアーに対応。だから、4段階でも幅広いルアーに対応できて飛ぶ。
キャスティング前半のブレーキ補正度合いが小さい。その分、段数を多く設けることで幅広いルアーに対応。
出典:シマノ
サイドプレートを外してみる
ブレーキ側のサイドプレートはロックレバーを解除して、半時計回りにカバーを捻ると工具レスで簡単に開ける事ができる。
メインフレームは金属製、サイドプレートは樹脂製である。
スプールについて
スプール径
外径は34mm 。
糸巻き部分の最も細い部分は21mm。
スプール幅
外-外で測ると28mm
内-内だと21mm。両サイドの壁部分が分厚いので、有効幅は狭め。
公称22mmだが、外周に行くにつれて少しずつ広がってるので、外側ギリギリで測ったら恐らく22mmくらいだろう。
スプール重量
スプール重量は21.3gとかなり重め。長いスプールシャフトが付いてるとは言え、なかなかの重量である。
↑DC用の部品が入ってるから重くなるのは仕方ないんだけどね。
スプールの素材も厚目。
↑タトゥーラSVのスプールとの比較。エッジ部分がSLXの方が厚い。その分丈夫とも言えるが・・・
ハンドルについて
ハンドル長は45mmなので他社の90mm相当かな。ハイギヤモデルなので巻きを軽くするために少し長めに設定されている。
ノブも滑りにくく持ちやすい感じ。
ロッドに付けた感じ
ロッドに付けてみるとこんな感じ。青の主張が強いので、差し色に青が入ったロッドと合わせるとしっくり来る。
パーミングはしやすくて良い感じ。金属フレームからくる剛性感もある。
但し、ドラグがやや小さめなので、片手でドラグを弾いて巻くのが少しやりにくい。
タトゥーラと比較するとこんな感じ↓
もう少し長い方が個人的には好きかな。
巻き心地
巻き心地はそれなりに滑らか。同じシマノのマイクロモジュールギア搭載機のようなニュルニュル感はないが、実用には十分な滑らかさだと思う。
巻きの軽快さについては若干タトゥーラの方が軽かった。
↑タトゥーラのハンドルでSLXのハンドルを回す実験。タトゥーラのハンドルの方が軽い。
まあ単体で使って気になるレベルではないから問題は無い。
そもそもギア比が少しSLX DCの方が上だしね。
3号ラインを巻いてみる
3号ラインを巻いてみた↓
(CN500は3号で13lb)
ここで嬉しいのが、ラインの結び目を納める窪みが設けられていること↓
中華製ラインカウンターで100mを測定。
巻き終わるとこんな感じ↓
量的には100mでピッタリと言うところ。しかしライン込み重量が28.8gはなかなかだな・・・
軽くピッチングしてみた
とりあえずダメ元で1.8gのスモラバ(トレーラー込み3.8g)を廊下でピッチングしてみた。
投げてみると・・・やはりスプールの立ち上がりは重いかな・・・
5mくらいの廊下だが、この距離でも大分浮き上がるので、ベイトフィネス的な使い方は難しいかもしれない。(←そういうリールではないから当たり前)
公園で軽くシンカーを投げてみた
どうしてもDC音が鳴るのを聞きたかったので、ちょっとだけ夜の公園で試投。
3号シンカーに指サックを被せる事で視認性を上げてテスト。
狭い公園なので軽ーく振ると、キーンというDC音が。どうも5mを越えるくらいから鳴り始めるようである。
とりあえず15mくらい先のピンスポットを狙うような投げ方を試してみたが、3号シンカーだとビシビシ決まる。
ブレーキダイヤル4で着地時以外はサミング不要といった感じ。
まとめ
とりあえずフィールドで投げてみないことには何とも言えないが、今の所の印象は「ある程度の重さ以上の物は快適に扱えそう」といった感じ。
使ってみるのが楽しみである。
2020/2/15追記 飛距離レポート
多摩川で投げてみた。
ラインは12lbを100m、ロッドはMアクションの6ft5inの物との組み合わせ。
飛距離は糸フケを取った後のハンドル回転数から計算。
【トリプルインパクト 14g:29.4m (ブレーキ3)】
【レベルバイブ 12g:44m(ブレーキ1)】
【ピッコロ 6.4g:24.6m (ブレーキ3)】
【ヤマトJr 18g:48.4m(ブレーキ2)】
【プチピーナッツ 4.5g:18.4m (ブレーキ3)】
【X-48アクロバット(F) 2.7g:10.6m (ブレーキ3)】
当たり前っちゃ当たり前だが、重めで空気抵抗の少ないルアーは良く飛ぶ。
軽めのルアーも一応投げられるが、10gを切るくらいから結構しっかりロッドを振り切らないとスプールを回すのがきつくなる。
5gを切るルアーだとかなりルアーが出遅れるので、正確に投げるのは難しい。
ただ、ブレーキ3にしておけば着水時以外はノーサミングで行ける。
一方、ブレーキ2、1は結構ピーキーで、ブレーキ2だと無風時にギリギリ投げられるくらいのルアーを投げている時に少し向かい風が吹くと途端にバックラッシュしたりするので注意が必要である。
タトゥーラSV TWとの比較
個人的にタトゥーラと比較したらどうなのかが気になっていたので、両方持って行って投げ比べてみた。
比較の為に両方ナイロン12lbを80mに設定。ロッドはメーカーは違うもののどっちも6.5ftのMアクションの物と合わせて検証してみた。結果は↓の通り
ルアー | ルアー 重量 |
飛距離(m) | |
17タトゥーラ SV TW | 20 SLX DC | ||
X-48アクロバット(F) | 2.7 | 17.3 | 10.6 |
プチピーナッツDR | 4.5 | 24.4 | 19.8 |
X-80プロップダーター | 8.7 | 32.3 | 28.0 |
チョッポ90 | 14.4 | 34.7 | 34.6 |
ヤマトJr | 18.0 | 46.5 | 51.1 |
1/2oz以下の物はタトゥーラSVTWの方が飛ぶ。特に5g以下の領域についてはSLXでも一応投げられるものの実用的ではない感じ。
タトゥーラはプチピーナッツまでなら普通にコントロールできるので、軽量ルアーについては完全にタトゥーラの勝ちと言っていいと思う。
一方、ヤマトJrのような重くて飛行姿勢の安定しているルアーについてはSLX DCの方が良く飛ぶ。ブレーキ特性として、タトゥーラの方がキャスト後半までしっかりブレーキが掛かるのに対し、SLXは後半のブレーキを弱めて伸びを重視しているような気がする。
その影響で、トラブル耐性についてはタトゥーラの方が勝る。
タトゥーラはキャスト中盤に少しバックラッシュしかけても後半に復活することが多いが、SLX DCはキャスト終盤で糸が膨らむ傾向が強い。
まあ、ほどけないようなひどいバックラッシュはしなかったけどね。
なので、タトゥーラと棲み分けるとすれば、1/2oz以上のルアーをメインで使う場合はSLX DC、1/2oz未満のルアーをメインで使うとすればタトゥーラ、といったところかな。
もっと重い物をロングロッドで投げたらどうなるのかは気になるところ。1ozくらいのヘビキャロで使ったらどうなるか試してみたい。
巻き心地について
ハンドル1回転あたり88cmのハイギヤなだけに、少し回転は重いがルアー回収はかなり早い。
そういう意味でもヘビキャロに使いたいリールである。
また、ヌルヌル感は無いもののノイズなどは無く、普通に快適に巻く事が出来た。
ブレーキ音について
DCブレーキの音はちゃんと鳴る。(動画:約3MB)
重い物を投げた時のルアーの伸びに合わせてこの音が鳴るのは結構気持ちが良い。
ベイトフィネス的な使い方は・・・?
SLX DCでベイトフィネスは正直できないと思う。
やはりスプール重量が重くて立ち上がりが悪いのが痛い。
重めのルアーの遠投には向いているので、ベイトフィネス専用機と併用するのがいいと思う。