以前SLX DCを買って使ってみた所、軽量ルアー対応力ではタトゥーラに劣るものの、重めのルアーを投げた時の後半の伸びはなかなか気持ち良い物があった。
そこでちょっと調べてみた所、少々前のモデルではあるもののもう一つ上位モデルになる17スコーピオンDCの方がスプールが軽く、DCのモードも多いので更に使いやすいのではないか、という気がしてきた。
更に最新モデルでないこともあって今なら結構お手頃価格で手に入る・・・ということで、今回は中古で程度の良さそうな物を購入。軽く投げてみた所確かに20SLX DCより使えそうな印象を受けた。
という事で今回は、2021年でもまだまだ使える17スコーピオンDCをインプレ。
基本スペック
まずはメーカーHP情報をチェック
人気のスコーピオンにI-DC5を搭載。
イージーセッティングでバックラッシュを低減。スコーピオンDC [Scorpion DC]
確かな性能で人気を博すスコーピオンにI-DC5を搭載。5段階の外部ダイヤルと内部ダイヤル3モードをセレクトすることによって適切なブレーキ力を簡単に設定することが可能です。スキッピングや突風などでキャストしたルアーが失速しても、DCが感知して即座にブレーキを制御。バックラッシュに悩まされず釣りに集中することができます。
技術特性
スペック表
品番 ギア比 最大ドラグ力
(kg)自重(g) スプール寸法
(径mm/幅mm)ナイロン糸巻量(lb-m) 最大巻上長
(cm/ハンドル1回転)ハンドル長(mm) ベアリング数
S A-RB/ローラー本体価格(円) 商品コード 100
RIGHT6.3 5.5 215 34/22 12-120、14-100
16-85、20-7067 42 7/1 37,500 03659 9 101
LEFT6.3 5.5 215 34/22 12-120、14-100
16-85、20-7067 42 7/1 37,500 03660 5 100HG
RIGHT7.2 5.5 215 34/22 12-120、14-100
16-85、20-7077 42 7/1 37,500 03661 2 101HG
LEFT7.2 5.5 215 34/22 12-120、14-100
16-85、20-7077 42 7/1 37,500 03662 9 ※HGはハイギア仕様です。
△最大巻上長は、最外径による計算値となっています。出典:シマノ
今回はハイギアモデルの左ハンドル、101HG LEFTを購入。
φ34mmスプール、14lb-100mのラインキャパシティは中型~大型のルアーを扱うのに丁度良いサイズ。
自重は215gと昨今のリールの中では特に軽い方ではないが、MH~Hクラスのロッドと組み合わせて使う分には多少重量があった方がバランスが良い気もする。
外観など
左から↓
左斜め前から↓
前から↓
右斜め前から↓
右から↓
右斜め後ろから↓
後ろから↓
左斜め後ろから↓
上から↓
下から↓
外観は黒一色にちょっとアクセントで赤が入ったスッキリしたデザイン。これならどんなデザインのロッドにも合わせやすいと思う。
生産国はマレーシアの模様。
サイズ感
近くにあったカストキングのゼファーと並べてみたらこんな感じ↓
そんなマイナーなリールと比較されても・・・と思う方もいるかもだが、まあ最近よくある平均的なサイズ、といった所かと思う。17タトゥーラあたりが近いかな。
重量について
重量は実測で214.6g。
カタログスペックとほぼ同じ。
スプールについて
スプールはシャフトの長いタイプ。
重量は17.8gと、ダイワのSVスプールあたりと比較すると重めではあるが、20SLX DCのスプールよりは軽い。
20SLX DCのがコレ↓
このスプールとI-DC5の組み合わせで、サイズはSLX DCよりも大き目ながらより軽量ルアーに対応できるようになっているっぽい。
ハンドルについて
ハンドル長は片側42mm。
ラインを巻いてみる
とりあえず試しに12lbを90m巻いてみたらこうなった。
キャパシティは12lb-120mなのでやや少な目。巻いた後に気づいたのだが、DCブレーキの場合はキャパシティ通りに巻いた方がブレーキ特性が損なわれないとの事だったので、再度巻き直す事に。
で、16lbを85m巻いてみた。
今度は丁度スプールいっぱいになった。
I-DC5について
スコーピオンDCの名の通り、DCブレーキを搭載。
DCブレーキとは?
「DC(デジタルコントロール)ブレーキ」は、ブレーキ力の強弱をマイコンで意図的に制御。図中赤線のブレーキカーブのように、スプール回転が急上昇するリリース直後はほぼノーブレーキで、回転がピークに達したところでブレーキ力が急激に立ち上がり、その後は必要最小限のブレーキ力を適宜加える…といったコントロールを自動的に行い、飛距離を大幅に向上させることができます。
また、向かい風による失速など、スプール回転数にイレギュラーな変化を検知した場合には、瞬間的にブレーキ力を強めてバックラッシュを回避。さらに「最後のひと伸び」を確保するためにブレーキ力を断続的に緩めたりと、従来のシステムでは考えられない高度な制御を自動で行う、最先端のブレーキシステムです。
「I-DC5」ブレーキシステムの特徴
■ルアーウェイトに応じて「5段階外部ダイヤル」を調整
※( )内はルアーの重さで、数値はある程度の目安です。実際はルアーの形状による空気抵抗で多少異なる場合があります。
■「3モード内部ダイヤル」でラインの種類を選択
I-DC5は「ナイロン」「フロロ」「PE」とラインによって選択できる3モードの内部ダイヤルと、ルアーのウェイトに応じて調整する「4ボリュームセミオート」&「フルオート」の5段階外部ダイヤルを備えた画期的デジタルコントロールブレーキシステムです。
出典:シマノ
ラインの種類が3種類、それぞれに調整範囲が5段階といった調整ができるようになっている。
20SLX DCの4段階と比較するときめ細かい調整が可能という事になってる。
まずはサイドプレートを外してラインの種類を選択。
その後サイドプレート下部のダイヤルで5段階のレベルを選択する。
ラインの種類は基本的にいじることは無いので、現場では5段階のどれかを使って投げる事になる。
投げてみた感じ
とりあえず16lbナイロンを85m巻いた状態で、7ftのHアクションのロッドと合わせて投げてみた。
ハンドル1回転あたりの巻取り量はスプール径×ギア比で76.87cmとして、いくつか投げてみたものの飛距離をカウントしてみたらこんな感じに↓
X48アクロバット:18回転=13.8m(ボリューム4)
ロザンテシャッド:27回転=20.8m(ボリューム3)
タイニーピーナッツ:28回転=21.5m(ボリューム3)
レベルバイブ:60回転=46.1m(ボリューム2)
シャワーブローズショーティ:68回転=52.3m(ボリューム2)
ジャイアントDOG-X : 58回転=43.0m (ボリュームA)
ブレーキ設定は基本的にはルアー重量に合わせてボリューム1~4を選択すると良いのだが、時々Aモードの方が良く飛ぶ時がある。
5g未満のルアーはAモードでは厳しく、モード4で投げられるようになる、といった感じだった。
飛距離としては相当良く飛ぶ部類かと思う。この日は21ジリオンSVTWと投げ比べをしてみたのだが、後半の伸びが良く、最大飛距離では21ジリオンを上回る結果となった。
ルアー | 21ジリオンSV TW 1000XHL | 17スコーピオンDC101HG |
X48アクロバット | 10.9 | 13.8 |
ロザンテシャッド | 23.6 | 20.8 |
タイニーピーナッツ | 19.1 | 21.5 |
レベルバイブ | 43.6 | 46.1 |
シャワーブローズショーティ | 49.9 | 52.3 |
一方でトラブル耐性はSVスプール搭載のジリオンやタトゥーラの方が上なイメージ。
ちなみにロッドとラインは違うものの、20SLX DCと比較するとこんな感じ↓
ルアー | 20SLX DC | 17スコーピオンDC101HG |
X48アクロバット | 10.6 | 13.8 |
タイニーピーナッツ | 18.4(プチピーナッツ) | 21.5 |
レベルバイブ | 44.0 | 46.1 |
(SLXは12lbラインとMアクションのロッド)
5g以下のルアーに関してはSLXでは結構出遅れる感じでむりやり投げた、といった感じだったが、スコーピオンDCは普通のタイミングで行けるイメージ。16lbラインをフルに巻いている事を考えたら結構凄い事だと思う。
実用的にはタイニーピーナッツくらいから十分に扱える感じだったので、軽めのルアーから重めのルアーの遠投まで、かなり幅広く使えるリールだと思う。
ちなみにDC特有のキーンというブレーキ音はしっかりと鳴る。
まとめ
飛距離、適用ルアー重量に関しては21ジリオン、20SLX DCなんかと比較しても全然勝負できる感じだったので、今でもまだまだ最前線で使えるリールだと思う。
今回はシンキングルアーの重めの物は投げていないので、3/4ozとか1ozクラスのメタルバイブあたりを投げたらどれくらい飛ぶのかが気になったり。
飛距離にすると2-3mしかジリオンと変わらないが、その分の伸びが気持ちいいリールなので、広い所でスカッと飛ばしたい時に使って行こうと思う。
ちなみに今なら新品でも2万円半ば、中古なら1万円台後半くらいで買えたりもするので、ベイトリール初心者の人に勧めるのもアリかな。