2020年現在のゼブコのスピンキャストのラインナップは、価格順で行くとバレット→オメガプロ→オメガ→デルタ、と続く。
バレットだけは大きく形状が異なるが、オメガプロ、オメガ、デルタは殆ど同じ形状で、それぞれの特徴を並べると↓のようになる。
・オメガプロ:ベアリング6+1個、軽量化、テフロンコーティングローター、ダブルハンドル+シングルハンドル、スペアスプール付き
・オメガ:ベアリング6+1個、軽量化無し、非テフロンコートローター、ダブルハンドル、スペアスプール付き
・デルタ:ベアリング4+1個、軽量化無し、非テフロンコートローター、ダブルハンドル、スペアスプール無し
オメガとの差はベアリングの数(ハンドルに入ってない)とスペアスプールの有無だけなので、本体のスペックとしてはほぼ同等のはず。なのである意味ではお買い得とも言える。
ただ、オメガプロを持っている身としては互換性が気になる所。オメガとオメガプロは割と普及しているのでネット上にもそこそこ情報があるが、デルタに関しては殆ど情報が無いのが現状である。
という事で今回は実際に買って互換性を確かめてみた。
メーカーHP情報
とりあえずメーカーHP情報をおさらい。
DELTA
With a smooth 5-bearing drive, lightweight aircraft aluminum covers and a Triple-cam multi-disc drag for fish-stopping power, the Delta™ offers serious spincast performance.
Price $49.99 $49.99 Model# ZD2 ZD3 Gear Ratio 3.4:1 2.9:1 Product Weight (oz) 9.5 13 Bearings 4+1 4+1 Anti-Reverse Instant Instant Hand Retrieve Right/Left Right/Left Pre-spooled Lb 6lb 10lb Mono Capacity 85/6 85/10 IPT (in.) 14 16 Product Color Silver Silver *I.P.T. = Inches-Per-Turn retrieve rate
Details
・Triple-cam dial-adjustable disk drag
・All-metal gears
・3X Positive Pick-up™ Ceramic Pins
・Forged Aluminum and double anodized front cover
・Durable all-metal construction
・Instant Anti-Reverse clutch
・Changeable right- or left-hand retrieve
・Oscillating Quick-Change Spool
・5 Bearings (4 + Clutch)
・Solid-brass pinion gear
・Anodized aluminum spinnerhead
・Patented no-tangle design
・Comfortable soft-touch thumb-button design出典:zebco.com
サイズはZD2とZD3の2サイズで、今回は小さい方のZD2を購入。見た目に関してはプロじゃないオメガの色違い、といった感じで、オメガよりグレーっぽい銀色で所々に金色のアクセントが施されているのが特徴。
パッケージ
パッケージはこんな感じでブリスターパックに入っている。↓
中身は本体と取説のみ。パッケージは少々安っぽい。
組み立て図はこんな感じ↓
外観など
左から↓
左斜め前から↓
前から↓
右斜め前から↓
右から↓
右斜め後ろから↓
後ろから↓
左斜め後ろから↓
上から↓
下から↓
メーカーHPとかの写真で見るより後ろ半分がグレー。フロントカップは明るめなので、前後でツートンカラーのような感じになっている。これはこれでアリかな。
アルミの質感はオメガやオメガプロと遜色なく、持った感じは高級感がある。定価$49.99に対してはお買い得感があると思う。
重量について
重量はライン込みで277.6g。昨今のベイトリールとかと比較すると重いと思うが、スピンキャスト界では普通な感じ。まあ300gを切ってくれていれば最近は使えるような気がしてきた。
オメガプロは50g程軽くなっているので、重量に関してはやはりオメガプロに軍配が上がる。
サイズ感
オメガプロと並べてみるとこんな感じ↓
サイズについては殆ど同じ。
参考までにアンバサダー1500Cと並べてみるとこんな感じ↓
ボリューム的には近いような気がする。
ハンドルについて
ハンドルは85mmのダブルハンドルを搭載。
ノブにベアリングが入ってないのがオメガとの違いにはなるが、ベアリング無しでもそれなりにスムーズに回るのであまり気にならない。
ハンドルは供周り式。金色のキャップを外し、内部のナットを外せば取り外す事ができる。もちろん左右入れ替えも可能。
ハンドル重量は38.9g。
オメガプロのハンドルも形状は全く同じで重量もほぼ一緒。
ネジのキャップ、ハンドル本体共に互換性があるので、気分によって付け替えるのもアリかも。
フロントカップについて
フロントカップはアルミ製で、反時計回りに回すと外す事ができる。
中から見るとこんな感じ↓
ライン放出部にはセラミックリングが取り付けられている。
重量は27.0g。
オメガプロは24.7gとちょっと軽い。
フロントカップも互換性があるので、お互いに取り付ける事ができる。
ローターについて
ローターは金色でセラミックピンが2本付いている。ライン押さえのゴムパッドの素材はオメガ、オメガプロと同じで柔らかめの素材。
裏から見るとこんな感じ↓
この金色が窒化チタンとかだったらむしろ上位機種より丈夫なのでは・・・と思ったりもしたが、実際の所は不明。
見た目だけならTU-01っぽいんだけどね・・・
ちなみにローターについてもオメガ、オメガプロと互換性がある。
デルタは金色、オメガプロはグレー、オメガはシルバーだが、どっちも着ける事ができた。
但し、ローターについてはZD3用のローター単品を買ってZO3、ZO3 Proに着けようとしたところプロの方にしか付かなかった、という事もあったので、生産時期や生産ロット?によっては着かない事もあるかもしれない。
ネジのピッチが微妙に違ったんだよね・・・↓
スプールについて
スプールはオメガと同じワンタッチ式。これも互換性がある。
↓オメガプロのと比べても区別が付かない。
スプール径は40mm。
ギア比が3.4:1なのでフルにラインを巻いた場合のハンドル1回転あたりの巻取り量は約42.7cmとなる。
最初から巻かれているラインを見るとスプールエッジから1mmくらいの量なので、巻取り量は40cm/回転くらいになると思う。
ドラグについて
ドラグはボディ上部のダイヤルで調整するようになっている。ここもオメガと一緒。
スピニングのようにスプールが回転してラインが出る仕組みなのだが、オメガプロと比較するとラインの出が滑らかでは無かった。感覚的にはドラググリスが足りてないのでは、といった感じだが、これが価格差によるものなのか製造上の個体差なのかは不明。(後者な気もするが・・・)
→ラインを巻き変えてしばらく使ってたら良くなったっぽい。最初はグリスが回ってなかっただけなのかも。
ロッドに付けてみた
とりあえずマスビート3と合わせてみた。ちょっと尖ったデザインのロッドにも合う。
続いてバス用のベイトフィネスロッド、ゴーエモーションとの組み合わせ。
これはこれで違和感無し。
個人的に気に入ったのがウッドグリップとの組み合わせ。
渓流で映えそうな雰囲気である。
ラインを巻き替える
とりあえず管理釣り場用に4lbラインを巻いてみる。
今回はカラーラインを50m巻きたいので、まずは適当なラインで下巻き。
下巻きの径は32mm。
そこから4lbのメバリング用ナイロンラインを50m巻いたらこんな感じ↓
管理釣り場にて
まずはエリアトラウトで使ってみた。
ラインの放出はスムーズで、1g台のスプーンもスピニング並みに投げる事ができる。
無事にニジマスをキャッチ。結構良いサイズも。
巻取りが遅いのと巻取り力が弱いのはオメガと同じ。魚に手前に走られるとしんどいが、頑張って巻けば何とか・・・といったところ。
逆にゆっくり一定速で巻くのは得意。ボトム系ルアーのずる引きなんかにも使いやすい。
まとめ
結論からするとオメガと殆ど変わらない、クオリティの高いリールだと思う。
フロントカップ、ボディの質感や剛性感はオメガと同じ。使用感も変わらないので、
・金色のコスメが好き、スペアスプール不要、安い方が良い→デルタ
・シルバーのコスメが好き、スペアスプールが欲しい、ハンドルにベアリングが欲しい→オメガ
・黒いボディが好き、シングルハンドルが欲しい、軽量な方が良い→オメガプロ
といった具合で選んだらいいのかなと思う。
全部の部品の確認はできていないが、多くの部分で互換性があるので既にオメガ、オメガプロを持ってる人にもおススメのリールである。
ゼブコ Zebco デルタ Delta スピンキャストリール ZD2
ゼブコ Zebco オメガ Omega スピンキャストリール ZO2