【インプレ】ダイワ アンダースピンUS 120XD【パワーフィネスに使える?】

スピンキャストリール
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スピンキャストリールと言うとちょっと至らない部分も含めて工夫を楽しむ・・・といったイメージがあるが、そのメリットを最大限に生かしつつ近代化し、実際にバス釣りのトーナメントでも使用されているリールがある。

それがTRY-ANGLEのTU-01。スピンキャストリールの弱点であるハンドル1回転あたりの巻取り量を克服し、更にPEラインの使用をも想定する事で、近代のパワーフィネスフィッシングを手返し良くできる、といった優れたリールとなっている。

是非1度使ってみたい・・・と思うのだが、問題なのはそのお値段。

定価46,800円と、気軽に試してみるには少々ハードルの高い価格設定。

ならばもっと安くて近い事が試せるリールは無いか・・・と思ってアレコレ探して行きついたのが今回紹介するUSダイワのアンダースピンUS 120XD。

日本で売られているアンダースピン80とほぼ同じ構造だがサイズが大きく、ハンドル1回転あたりの巻取り量は約66cmと、TU-01には及ばないものの実用的な数字。

その分自重は重い(約300g)が、その点についてはTU-01でも280gとさほど軽くはないし、スピニングと同じでリールがロッドの下に来るアンダースピンの場合はそこまで重量は気にならないハズ。

更に価格は約4000円とTU-01の1/10以下だったので、とりあえず試しに使ってみようと思って買ってみた。

果たして手返しの良いパワーフィネス用として使えるのかどうか・・・使ってみた感じをインプレしていこうと思う。

ちなみにTU-01はこんな感じ↓(結局買っちゃった)

【インプレ】トライアングル TU-01【アンダースピンキャストの最高峰】
スピンキャストの最高峰と言えばゼブコのバレットかオメガプロか、はたまたトイマシーンZZか・・・というところだが、アンダースピンキャストの最高峰と言えば間違いなくコレだと思われるのがトライアングルのTU-01。 クラシックな見た目でカッ...
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メーカーHP情報

UNDERSPIN® US XD


Combining the balance of a spinning reel with the casting ease of a spincast, these upgraded versions of Daiwa’s classic Underspin reels work great with spinning, fly or noodle rods, even crappie poles. Soft Touch grips make cranking easy under all conditions.

FEATURES:


・Smooth ball bearing drive
・Hardbodyz™ Rigid Aluminum Alloy Construction
・Rugged metal gearing
・Rotating, Titanium Nitrided line pickup turns with the line for less wear, easier casting
・Oversized line aperture for casting performance
・Smooth drag with easy rear adjustment (front drag on 40 size)
・Soft Touch handle knob
・Converts quickly to right or left hand retrieve
・Pre-wound with premium line

OVERSIZED LINE APERTURE
For maximum casting performance.

TITANIUM NITRIDED LINE PICKUP
Turns with the line for less wear and easier winding.

 

UNDERSPIN REELS

Model
Number
Bearings Gear Ratio Line Per
Handle Turn
Wt.
(oz.)
Line Capacity
(Lb. Test / Yards)
Drag
Max
US40XD-CP 1BB 4.1:1 16.1″ 5.5 MONO: 4/85
US80XD-CP 1BB 4.3:1 21.8″ 9.2 MONO: 8/75
US120XD-CP 1BB 4.3:1 25.9″ 10.8 MONO: 12/100

出典:ダイワ

今回購入したのは一番大きい120XD。80XDが日本のスピンキャスト80と同サイズで、40XDは更に一回り小さい。

日本でも同じサイズ展開で売ってくれたら結構需要あると思うんだけどな・・・。

機能的な部分もスピンキャスト80と同じっぽい。

1ベアリング、アルミボディ、金属製ギア、窒化チタン処理済みのローラーピックアップ、大口径開口部、スムーズドラグ、左右交換可能なハンドル・・・などなど。

1点違うのがソフトタッチハンドルノブ。後で比較写真を掲載するが、ハンドルノブに関してはアンダースピンUSの方が触り心地が良い。

パッケージ

パッケージはこんな感じ↓

アメリカらしくブリスターパックでの販売。

ちょっと気になるのがロゴが古い事。一応Amazonで新品で買ったのだが、今もこのデザインなのか、昔の在庫品なのかは定かではない。

裏面はこんな感じ↓

モデル、ギア比、重量、ラインキャパシティが記載されている。ちなみに生産国は中国。

開封するとこんな感じ↓

内容物は本体と取説と展開図。

展開図はこんな感じ↓80XDと120XDは共通。

外観など

左から↓

左斜め前から↓

前から↓

右斜め前から↓

右から↓

右斜め後ろから↓

後ろから↓

下から↓

上から↓

とりあえず金色が目を引くデザインになっている。ちょっと金の主張が強め。

構造はアンダースピン80と同じっぽいが、フロントカップの大きさに少し驚いた。

サイズ感

スピンキャスト80と比較するとこんな感じ↓

フロントカップが一回り大きい。色が金色なのも大きく見える一因なのかもしれない。

15レブロス2506Hと比較するとこんな感じ↓

ローターを含めたボリュームを考慮すると結構近い気がする。

重量

パッケージ裏に記載されていたのは305g。

実測は301g。ほぼカタログ通り。流石に300gともなると結構ずっしり来る。

ハンドルについて

ハンドルはアルミ製のシングルハンドルにソフトタッチノブを搭載。

長さは約50mm。

長さはスピンキャスト80と同じだが、ノブはUS版の方がやや大きく、触り心地も柔らかくて持ちやすい。(スピンキャスト80のノブは単なるプラスチック)

ハンドルは左右入れ替え可能。

ドラグについて

ドラグはリアドラグ式。時計回りに回すと締まり、半時計回りに回すと緩む。

ノブを回すとカチカチ音が鳴るようになっている。

ドラグの出方は滑らかで、十分に使えそうな感じである。スピンキャスト80と比較した場合はほぼ同じ感じ。

アンチリバースについて

アンチリバースはインスタントではなく、ギアに爪がかかって止まる方式。

↑のスイッチでON/OFFが可能。

クラッチについて

クラッチは一般的なアンダースピンキャスト同様にレバー式。

レバーを引くと内部のローターが前進してラインがフロントカップとローターで挟まれる。

で、レバーを離すとラインが解放され、ルアーが飛んでいく仕組み。

ラインを掴む→離す→巻き取る、の一連の動作がレバーのみで片手でできるのが良いところ。

分解してみた

フロントカップを外すとこんな感じ↓

フロントカップは本体にねじ込まれている。

アルミ製で裏面も綺麗。

ローター側はこんな感じ↓

ラインを押さえる黒い固めのゴムと、ピックアップピンが1本付いている。

ピックアップピンはローラー式。

ローターを外す時は中央のナットを外す。

ローターを裏から見るとこんな感じ↓

本体側はこんな感じ↓

ここで中央のEリングを外すとスプールを外す事ができる。

ここから先を分解するにはドラグノブを外す必要がある。

まず↓の画像の小さいギアの真ん中のネジを外す。

するとドラグノブが抜ける。

ドラグノブがあったところに、ボディ下の金色のカバーを止めているネジがあるので、これを外す。

精密ドライバーがある方が良い。

続けて金色のカバーを外す。

ボディ後方に向かってまっすぐスライドさせると抜けるが、結構固かった。

金色のカバーを外すとようやくサイドプレートを止めているネジが出てくる。

スピンキャスト80と比較するとかなり分解がめんどくさい。

ハンドルを外して、サイドプレートを外すとこんな感じ↓サイドプレートは樹脂製。

ドライブギア、ピニオンギアは共に亜鉛合金製かな?

ドライブギアを支えるのは樹脂ブッシュ。ここはベアリングに変える事ができそう。

ブッシュの大きさは外形12mm、内径8mm、幅3.5mm。

スプールについて

スプール径は約48.7mm。

この場合、スプールいっぱいまでラインを巻いた場合のハンドル1回転あたりの巻取り量が65.7cmとなる。実際にはスプールギリギリまでラインを巻く事は無いので、62~63cmくらいになるのかな。

スプール幅は11mmちょい。オシュレート機能は無し。

ロッドに付けてみた

ロッドに付けてみるとこんな感じ↓

トリガーの位置は操作しやすい感じ。

結構ボリュームがあるので、グリップが長めのロッドの方がしっくりくる。↓はコルザのMLと組み合わせた場合。

持ち手はリールフットの前に指3本でもいいかもしれない。

軽く投げてみた感じ

1.8gのスモラバを廊下で投げてみた。

5mほど先の扉の角に向かってピッチングしてみたが、かなり手返し良く正確に投げられる。

スプール径が大きいからか、USサイズの3号ラインが巻いてあるにも関わらず結構スムーズにラインが出るの事に少し驚き。

パワーフィネスと言えばPEの使用が一般的だが、まずは太目のナイロンで試してみようかな。

ちなみに持ち重りはどうか、という点だが、バランスを見てみるとこの位置で釣り合っている↓

なのでリールフットの前に指を3本持ってくる事で重心近くを持つことになり、あまり重量が気にならなくなる。

ハンドル長さはアンダースピンの場合はこのままでちょうどいい感じ。巻き心地もそこそこに滑らかである。

試投してみた

散歩がてら軽く投げに行ってみた。

浮きゴミが多かったのでパワーフィネスジグで浮きゴミの隙間を狙って投げてみると・・・

これがなかなか使いやすい。

落としたい穴の少し奥に落下→ちょっと巻いて穴へ誘導→ラインをフリーにして落とす、といった事をする時に、レバー操作1つですぐラインをフリーにできるのが良い。

で、表層でシェイクして、その後レンジを下げる為にフリーにするのもレバー操作1つなので、浮きゴミを狙うのに持ってこいである。

ただ、付属のラインは4号くらいの太さなのでラインの放出がイマイチスムーズでない。

また、ラインの太さのせいで飛距離はイマイチ。

ドッグXで27mくらい。

ロザンテシャッドは20mくらい。

まあ飛距離についてはラインを替えてからまた様子を見てみよう。

ちなみに巻き心地はさほど良くないので、巻き抵抗の大きいクランクなんかには向かない感じ。

シャッドくらいならなんとか・・といった所かな。

ラインを巻き替えてみる

とりあえず最初から巻いてあったラインを取るとこうなる。

結構スプールが細いが、ここまで細いと下の方はスムーズにラインが出ないので下巻きした方が良さそうである。

尚、レバーを引いてローターを前に出した状態でもローターとスプールに隙間が出来ないので、ローター軸にラインが絡まるトラブルは起きなさそう。

で、とりあえず4号を50m程巻いてみた。

そこから2号ラインを75m巻いてみた。

若干ラインが中央に寄るが、まあいい感じだと思う。

バス釣りで使ってみた

8lbラインを巻いてバス釣りに使ってみた。

使ってみたら結構巻き重りが激しくて使い心地が良くなかった。そこそこ巻取り速度が速い割に開口が小さ目なのでラインの摩擦抵抗が大きいのではないかと推測。

そこで、ナイロンラインに「PEにシュッ!」を塗ってみた。

これでラインの滑りが良くなるハズである。

そして後日。津久井湖でリベンジ。この日はアンダースピンUS 120XDのみで勝負。ラインは8lbナイロンでロッドアクションはML。なんちゃってパワーフィネスのつもり。

ラインの摩擦が少なくなったからか、巻き抵抗のあるルアーもゴリゴリ巻けるようになった。

飛距離もまあまあ。

ロッドの適用範囲を超えているが、シャワーブローズショーティは36mくらい飛んだ。

POP-Xは30mくらい。

ど遠投するような用途には向かないが、必要十分な飛距離は出せると思う。

この日はコーゾースピンが好調で小バスが4匹ほどヒットしたが、3匹は何故かキャッチ直前でバラしてしまった。

一匹だけ写真を撮ったのがコレ↓他のはもう少し大きかった気がするのだが・・・

ダウンショットでも小バスがヒット。

ライトリグを投げてもトラブルレスなのがスピンキャストの良いところ。

スナッグレスネコでのカバー撃ちとの相性が抜群。

何より手返しが良いのと、障害物を乗り越えてラインを出して沈めて、という作業がやりやすいのがメリット。

↓の写真の倒木の際に落としたらヒットしたのだが・・・残念ながらすっぽ抜けてしまった。

手ごたえ的には結構良いサイズっぽかったのだが・・・まあ逃がした魚はなんとやら・・・。

ハンドル交換&色を変えてみた

ダブルハンドル化して、フロントカップをマットブラックに塗装してみた。

ハンドルは中華製のオフセットハンドルを無理やり逆オフセット化して装着。取り付け穴の大きさが異なるので、穴はハンドル側の穴をヤスリで拡張。

フロントカップはダイソーのラッカースプレーで塗装。

TU-01っぽい雰囲気になったのではないだろうか。

渓流で使ってみた

上流域の渓流で使ってみた。ロッドはファインテールのFTX-50/565L、ラインはアーマードSの1号を使用。

ハンドル1回転あたりの巻き取り量は十分。ダウンでのミノーのトゥイッチングでも使える。

TU-01と同様にピッチングがやりやすいので、↓のように木が覆いかぶさっているようなポイントでも低弾道でキャストする事ができる。

結果、ヤマメとイワナをゲット!

特にイワナが釣れるような上流域での使い心地が抜群だった。数メートルしか引けないようなポイントでは手返しの良さが際立つ。絶対的な飛距離ではスピニングに劣るかもしれないが、飛距離より手返しを重視するようなポイントでは最強なのではないだろうか。

まとめ

ピッチングの手返しの良さ、垂らしの長さ調節のしやすさがスピニングとは段違い。

固くて太いラインでもトラブルが少なそうなので、8lbくらいのラインで近距離のライトカバーを効率良く狙う、といった用途でかなり使えると思う。なんちゃってパワーフィネスには持って来いである。

ちょっと気を付けたいのがラインの滑り性。滑りの悪いラインを使用すると巻き重りが激しくなる事があるので、フッ素コーティングされたラインを使うとか、PEにシュッ!をかけるとかすると使いやすくなるハズ。

ただ1点気に入らない点としては、時々オーバーヘッドキャスト時に勝手にピックアップピンが出てしまう事。コレはダブルハンドルに替えれば解決すると思うので、ちょっと改造してみたいと思う。→とりあえずダブルハンドル化は完了。

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