2020年に発表されたスピンキャストリールの中で、個人的に結構気になっていたのがアブガルシアのMAX Xスピンキャストリール。
新発売の3モデルの中では最も安価なモデルだが、どういうわけか5.2:1というスピンキャストの中ではかなりハイギアなモデルがラインナップされているのが特徴。
HPに記載されているスペックで70cm/回転なので、巻取り速度は最速クラスと言って良い。それでいて定価は$24.99とお手頃価格なので、もしこれが使えるようなら儲け物である。
とりあえず買ってみたのでまずは開封インプレから。
基本仕様
基本仕様はこんな感じ。
メーカーHP情報ではこんな感じ↓
MODEL NUMBER MAXXSC15 MAXXSC10 SKU 1518730 1518732 ANTI-REVERSE FEATURE Instant Anti-Reverse Instant Anti-Reverse AVAILABILITY DATE 20201030 20201030 BEARING COUNT 2 2 BRAKING SYSTEM None None BRAND Abu Garcia Abu Garcia COLOR None None DRAG MATERIAL Teflon Teflon DRAG TYPE Twin Cam Twin Cam GEAR RATIO 5.2:1 4.3:1 MAX DRAG LB 10.2lb 8lb | 3.6kg MONO CAPACITY M/MM 90/0.33 100/0.25 MONO CAPACITY YD/LB 100/12 110/8 PACKAGING Box Box PRE-SPOOLED YD/LB 15lb | 6.8kg 10lb | 4.5kg PURCHASE ON 20200813 20200813 RECOVERY RATE 28″ | 70cm 22″ | 56cm REEL HANDLE POSITION Right/Left Right/Left REEL SIZE 15 10 REEL SPOOL MATERIAL Glass Filled Nylon Glass Filled Nylon SPARE SPOOL MATERIAL No Spare Spool No Spare Spool
サイズ展開は2種類で、今回買ったのはMAXXSC15という大きい方のモデル。ギア比以外の部分はまあ特に変わった所は無さげ。
メーカーHPに本体重量が載ってないのがイマイチだと思う。箱を見ると10.5oz/298gとの事なので、2020モデルの33プラチナあたりといい勝負かな。
外観など
左から↓
左斜め前から↓
前から↓
右斜め前から↓
右から↓
右斜め後ろから↓
後ろから↓
左斜め後ろから↓
上から↓
下から↓
全体的にマットブラックで差し色に赤が入るデザインはなかなかオシャレ。ただちょっと樹脂ボディが安っぽい。
フロントカップは金属製なのでそれなりの質感。アブマチックSXに似たような感じ。ハンドルは左右入れ替え可能なので左ハンドルに入れ替え済み。
クラッチボタンはこんな感じ↓
ハンドルはこんな感じ↓
ドラグダイヤルは上部に配置されている。
サイズ感
サイズは現行のアブマチック170とほぼ同じ。つまりデカい。
高さ、幅、前後方向長さ等は殆ど同じ。
ゼブコの33プラチナと並べるとこんな感じ↓MAX Xの方が一回り大きい。
小さい方のモデルだとアブマチックSXと同じくらいなのかな。
重量について
重量はカタログスペックで298g。
実測はライン込みで302.3g。まあカタログ通り。
フロントカップを外してみる
フロントカップはねじ込み式。ちなみにラインはダイソーナイロンに巻き替えてある。(理由は後述)
フロントカップ内部には全面に樹脂が入っている。開口部のみ金属が当たるようになっている。
開口部には一応金属のリングが入っている。
ローターについて
ローターはこんな感じ↓
ピックアップピンは回転式の物が1本。
ローター裏はこんな感じ↓ピックアップピンの土台には白いローラーが付いている。旧33プラチナとかと同じような仕様。
ちなみにローターは表面がザラザラのバリバリだったので、1000番のヤスリでバリを落としてから金属磨きで磨いておいた。
ローター材質は磁石が付いたので鉄に亜鉛メッキ、とかかな?
ローターを支える本体側の部品は樹脂製。
スプールについて
スプールは白い樹脂でできている。最初は4号相当のラインが巻いてあった。
外すとこんな感じ↓ちょっと形に工夫が感じられる。オシュレート機能は無し。
スプール径は約50mm。
スプール径とギア比から算出される最大巻取り量は81.6cmとなる。最初に巻いてあったラインは少な目だったが、それでも実巻取り量で70cm/ハンドル1回転あった。その後ダイソーナイロンをいっぱいに巻いた状態で測ったら78cm/回転だったので、かなり高速な部類に入ると思う。
ハンドルについて
ハンドル長は50mm。
供回り式で、左右入れ替え可能。
ちなみに折り畳む事もできる。
ギア周り
ハンドルを外し、サイドプレートの3ヶ所のネジを外すとギアへアクセスできる。
ギアは5.2:1の割に小さい。
軸受けは樹脂ブッシュ。
サイズは外径14、内径8、幅4かな。
糸を巻き替えてみる
最初に巻いてあった16lb相当のラインだが、これだとどうやら太すぎてラインの放出に影響がある模様。
9gのウェイトを吊るしても自然に落ちて行かないくらい抵抗がある。軽く振ったら少しずつ出てくる感じ。
少しフロントカップを緩めるとマシにはなるが・・・
という事でダイソーナイロンの2号を巻いてみた。元々のラインを20m下巻きにしたら120m程巻けた。
なのでラインキャパシティは2号150m、という所かな。
2号にしたらストンと落ちるようになった。
投げてみた感じ
軽く投げてみた。
ロッドは6.6ftのミディアムアクションのロッドとの組み合わせ。ラインはナイロン2号。
意外とラインの放出はスムーズで、7gのコーゾースピンが32m程飛んだ。
OSPのドゥルガが25mくらい。
2.5gのスモラバは15mくらい。
まあ飛距離は必要十分かな。
一方で巻き取りはやはり重い。コーゾースピンはちょっとしんどい感じ。
また、巻き感もあまり滑らかではない。アブマチックSXと似たような感じ。
しかし巻き取りはかなり速いので、回収速度は昨今のベイトやスピニングと比較しても遜色なし。
なのでワームやラバージグなんかを手返しよく撃って回収、的な使い方が向いてるのではないだろうか。
ただ・・・やっぱりサイズがデカイよね。
本体をパーミングした時は結構手に余る感じがする。
まとめ
とりあえず巻き取り速度はスペック以上に速く、ラインがちゃんと巻いてある状態なら75cm/回転を超える。これだけ巻けるスピンキャストは貴重である。
しかしネックなのが本体のデカさと造りの甘さ。
特に気になるのがフロントカップの構造。
内側の樹脂にラインが擦れてるんだよね・・・
まあそもそもローターでラインが擦れてるので一緒だろ、という考え方もあると思うが、やはりこういう所は気になる。
もう少し上のモデルでこのギア比のを出してくれるとありがたいのだが・・・