2023年は久しぶりに釣りフェスティバルがリアル開催だった。
今年も様々なメーカーから気になる新製品がリリースされていたが・・・一際注目を浴びていたのがダイワのIMZ-LIMITBREAKER。
ダイワ初となるデジタルコントロールブレーキを搭載したリールで、電子制御でブレーキパターンを変更できる仕組みになっている。
更にBluetoothによるスマホアプリとの連携でキャスト数、最長飛距離、その時のブレーキモードなどが記録される仕組みになっていて、ゆくゆくは追加のブレーキパターンがダウンロードできるようになるかも・・と、未来を感じられる仕上がりになっていた。
という事で今回は、釣りフェスティバルでメーカーの方にお話しを伺った内容をベースに、IMZの凄いころを考察していこうと思う。
- 基本スペック
- 釣りフェスティバルにて
- Q1:キャスト時にシマノのDCブレーキのようなブレーキ音は鳴る?
- Q2:ブレーキ力はどのように制御しているのか?
- Q3:飛距離は従来のマグフォースZなどと比較して伸びる?
- Q4:今後サイズダウン版が出たりしますか?
- Q5:充電する必要がある?
- Q6:電池が切れたらブレーキは効かなくなる?
- Q7:アプリが無くても最初に設定さえしておけば使える?
- Q8:飛距離などが測れたりすると聞きましたが・・・
- Q9:飛距離の算出方法はスプールの回転数ですか?
- Q10:測定したデータはダイワに送られる?
- Q11:収集したデータを学習して新しいブレーキ設定を算出したり、といった可能性は?
- Q12:新しいブレーキパターンをダウンロードできる?
- IMZ LIMITBREAKERの凄い所
基本スペック
まずは基本スペックをチェック
製品名 IM Z LIMITBREAKER TW HD-C IM Z LIMITBREAKER TW HD-C アイテム名 XH XHL 巻取り長さ 100cm / ハンドル1回転 100cm / ハンドル1回転 ギア比 8.4 8.4 自重 250g 250g 最大ドラグ力 7kg 7kg 標準巻糸量 ナイロン:16lb.-125m / 20lb.-100m
PEライン:4号-100m / 5号-80mナイロン:16lb.-125m / 20lb.-100m
PEライン:4号-100m / 5号-80mスプール径 38mm 38mm ハンドル長さ 95mm 95mm ベアリング ボール 12 / ローラー 1 ボール 12 / ローラー 1 バッテリー容量 410mAh 410mAh バッテリー充電時間 約90分(付属 USB Type-C 使用時) 約90分(付属 USB Type-C 使用時) 連続投擲数 約700投 約700投 使用環境 動作温度:0 ~ 40 度
充電温度:15 ~ 30度※動作温度:0 ~ 40 度
充電温度:15 ~ 30度※搭載ブレーキ INTELLIGENT MAGFORCE
(スタンダードモード)INTELLIGENT MAGFORCE
(スタンダードモード)メーカー希望本体価格 125,000円 125,000円 JANコード XH:4550133 247194* XHL:4550133 247200* 付属品 簡易取扱説明書、
ワーニング(スタートガイド)、
充電コード(USB Type-C)、
リールケース簡易取扱説明書、
ワーニング(スタートガイド)、
充電コード(USB Type-C)、
リールケース生産国 日本 日本 出典:ダイワ
とりあえず今までのバス釣り用リールに無かったパラメータとして、バッテリー容量、バッテリー充電時間、連続投擲数といったものがある。充電が必要なのは少し面倒だが、それによって得られる恩恵のほうが大きい、といった判断なのだろうと思う。
お値段も凄い事になっており、定価は125,000円と、庶民にはなかなか手が出しづらい価格である。
また、デジタルばかりに目が行きがちだが100cm/回転の巻き取り量というのもなかなか攻めた仕様だなと思う。やはり遠投性能が上がる分回収も早くしたい、という事なのかな。
釣りフェスティバルにて
今回は釣りフェスティバルで実機を触らせていただいた。その際に、メーカーの方にアレコレ質問してみたので、Q&A形式で残しておこうと思う。
Q1:キャスト時にシマノのDCブレーキのようなブレーキ音は鳴る?
A:キャスト時に毎回鳴るといった仕様にはなっていません。極端にブレーキが強く掛かった時などにちょっと鳴るくらいです。
Q2:ブレーキ力はどのように制御しているのか?
A:詳しくは言えないですが・・・マグネットブレーキをベースに電子制御でリニアにブレーキ力を変えています。
Q3:飛距離は従来のマグフォースZなどと比較して伸びる?
A:飛距離は伸びます。マグフォースZと比べて全然飛ぶようになります。
Q4:今後サイズダウン版が出たりしますか?
A:今の所は未定です。
Q5:充電する必要がある?
A:あります。ボディ横のUSB端子から充電します。
Q6:電池が切れたらブレーキは効かなくなる?
A:電池が切れたらブレーキはMAXの状態になります。なので電池が切れたら即バックラッシュ、というようなトラブルは起きません。
Q7:アプリが無くても最初に設定さえしておけば使える?
A:使えます。
Q8:飛距離などが測れたりすると聞きましたが・・・
A:アプリを開くとその日のキャスト数や最大飛距離、その際のブレーキ設定などを見る事ができます。
Q9:飛距離の算出方法はスプールの回転数ですか?
A:イメージはそんな感じです。
Q10:測定したデータはダイワに送られる?
A:そうです。ダイワの方で厳重に保管するようになっています。
Q11:収集したデータを学習して新しいブレーキ設定を算出したり、といった可能性は?
A:面白そうでやってみたい話ですが、今の所は未定です。
Q12:新しいブレーキパターンをダウンロードできる?
A:追加パターンについてはどんなものが良いか検討中です。プロアングラーのパターンをダウンロードできたりしたら面白いですよね。
IMZ LIMITBREAKERの凄い所
実物を見て、話を聞いて思ったのが、データのダウンロードを前提に開発されている、という事。
進化するリール、という売り文句の通り、プログラムを書き換える事で確実に変化する訳なので、この点ではシマノのDCよりも進んだのではないかと思う。
また、飛距離などのデータを収集できる、というのもポイントで、やりようによっては収集したデータを学習させて更に進化させる事も理論上は可能である。(ダイワの方はQ11で未定、とは言っていたものの、できない、とは言っていなかったので可能性はあるのでは・・・と思ってみたり。)
そして、これらの機能を追加したにも関わらずリールのサイズや重量については従来とあまり変わらない事にも注目したい。
ダイワのインテリジェントマグフォースの特許情報 特開2021-145655 を見てみると、
【課題】リール本体の側部のユニットを交換するだけで、既存のリールに新たな機能を付加し、かつその費用を大幅に低減することにある。
との記載がある。この課題を解決したのがインテリジェントマグフォースで、従来のリールの構造を大きく変更すること無く搭載が可能な仕組みに仕上がっている、という事なので、今後他のリールへの展開も期待できそうな雰囲気である。
そんなわけで、個人的にスゴイと思う点はやはりデータが収集できて、そのデータから更に進化する可能性を秘めている、という部分だと思う。
値段が値段なので買うには勇気がいるが、今後の成り行きに期待したいリールである。(個人的にはもう少しベイトフィネス寄りの仕様で出して欲しい・・・)