最高のスピンキャストリールの一つに数えられるのがゼブコのオメガプロ。
小さい方のZO2は見た目のカッコよさ、サイズの丁度良さ、軽さ、剛性、巻き心地、オシュレート機能、ドラグ性能などなど、どれを取っても優秀なのだが、唯一の泣き所が巻き取り速度の遅さ。
巻取り速度さえ速ければ完璧なのに・・・と思っている人も多いのではないだろうか。
そこで、今回は3Dプリンターを使用してギアボックスを増設する事で高速化に挑戦してみた。
高速化で最強スピンキャストは完成となるか・・・?
ギアボックスの製作
プロトモデルの製作
まずは家庭用3Dプリンターでプロトモデルを作ってみた。
仕組みとしてはハンドルを外して、ハンドル軸にギアを付けて、そのギアを外付けのギアで回すことでギア比をUPさせる、というもの。
元々のハンドル軸に15歯のギア付け、新しいハンドル軸に30歯のギアを付けたのでギア比は2倍となる。(3.4:1→6.8:1)
とりあえず寸法はこれで完成なのだが、家庭用3Dプリンターの精度ではギアの精度が出せず、死ぬほど回転が重いリールになってしまったので本番用は外注3Dプリントで製作することにした。
外注3Dプリントサービスで部品製作
部品①
部品②
部品③
部品④
部品⑤
付属品含んだ部品一覧
やはり外注3Dプリントはお金がかかる分精度が高い。今回はDMM.makeのガラスビーズ入りナイロン(PA12GB / MJF)で製作したので耐久性もある・・・と信じたい。
部品リスト
・3Dプリント部品①~⑤
・ベアリング 外径14mm×内径8mm×幅3.5mm:2個
・ベアリング 外径11mm×内径7mm×幅2.5mm:3個
・M3ボルト 長さ50mm:1本
・M3ボルト 長さ30mm:1本
・M3ボルト 長さ15mm:2本
・M3寸切りねじ 長さ50mm:1本
・M3ナット :6個
・直径4mm熱収縮チューブ:約40mm
・ダイワ用ハンドル(軸間100mm程度)
・瞬間接着剤(耐衝撃用がおススメ)
組み立て
1)純正ハンドルを取り外します。
2)軸先が三角のギアの軸が7mmのベアリングに通るか確認し、通らなければ外径をヤスリで削ってギリギリ通るようにします。
3)50mmの寸切りねじを軸先が三角のギアの中心の穴にねじ込みます。穴の内径は2.9mmなので、ねじそのものでネジ山を切りながら通すイメージです。部品から出る部分の長さは純正ハンドルと同じにし、瞬間接着剤で固定します。
4)ボックスの土台のねじにシールテープを巻き、リール本体にねじ込みます。
5)軸先が三角のギアを純正ハンドルと同じように取り付けます。(ベアリングも一緒に)
6)残る小さいギアと大きいギアにもベアリングを付けてはめ込みます。
7)蓋を締めて、M3×15mmのねじで蓋を固定します。
8)M3×50mmのボルトを使ってギアボックスが回転しないようにします。
9)別途ダイワ用の8mm×5mmの穴の開いたハンドルを用意し、大きいギアにねじ止めしたら完成です。
重量について
重量は実測で266.3gになりました。重くはなっていますが、33プラチナよりは軽いのでとりあえず問題ないかと思います。
デザイン性
我ながらデザインは良い感じにできたと思う。元のイメージをあまり損なっていない。
実釣にて
渓流で使ってみた様子はこんな感じ↓(構造も動画で見た方がわかりやすいかも)
とりあえず巻き取り速度は完全に2倍になっているので速い。渓流でアップでルアーを流すのに問題無い速さ。
回転自体はベアリングを入れたおかげで滑らかなのだが・・・やはりギアを増やした事で巻重りが激しいのが難点。ギア自体の伝達効率も樹脂ギアなので良くないかもしれない。
とは言いながらも一応魚はキャッチする事ができた。
まとめ
とりあえず倍速化には成功したので、流れの速い渓流で使いやすくはなった。
これで巻重りが解消できたら真の最強リールになるのだが・・・金属製ギアに替えたら解消するのかな?でも金属にしたら重くなりそうな気もするし・・・何かいい方法はないだろうか。
ProfishiencyのSniperに左ハンドルができて、ドラグシステムが改善されたらそれで解決しそうな気もするけどね。
オメガプロはモデルチェンジが予定されているが、ギア比はどうやら3.4:1のままっぽいので新しいオメガプロ用にまたギアボックスを開発してみようなかな。