中華アンバサダーは買いなのか、買うべきでないのか。
使い始めてしばらく経つので、ここらで簡単にまとめてみたいと思う。
計4台買って使った者の意見としては・・・
・完成品でなく、半製品、リールの材料として割り切れる人は買ってもいいかも
・完成品を求める人、改造や修理に抵抗がある人は買わない方がいいかも
といった感じかと思う。
まず最初に確認しておきたいのが、クラッチの入り/切りに失敗する事が時々ある事と、スプールとフレームの隙間が広めな事。
この2点が許容できない人は買わない方が良い。
次に意識すべきなのは品質のバラツキが大きい事。ネット上のインプレで◯◯gが投げられた!といった事実があっても、それは必ずしも全ての個体に当てはまるものではない。
自分の買った物でも、1台目は回転が渋目だったのか、脱脂した後は遠心2個で3g~5gを投げるのに丁度良かったが、3台目の物は回りが妙に良かった為脱脂後は遠心だけではブレーキが足らず、メカニカルを締めて調整する必要があった。
結局マグネットブレーキ化で解決するレベルのバラツキだったが、もう少しバラツキが大きかったら全然飛ばなかったかもしれない。
そういったバラツキの原因を突き止め、場合によっては改造を含む修理をして使えるようにする・・・といった作業が面倒な人は買うべきでないし、それも含めて楽しめる&最悪の場合は諦める事ができる人なら買ってもいいのかなと思う。
ここまで読んで頂いた上で尚買いたい、という人の為に基本的な情報を纏めてみると・・・
・買った時点ではグリスがたっぷりなので、5g未満のルアーを快適に投げる為にはベアリング、ギア、レベルワインダーの脱脂が必須。
(アリエクでちょっと高めに出ていたカスタムモデルは脱脂しなくても使えた。)
・一方で、脱脂すると遠心だけではブレーキ力が足らない可能がある。メカニカル併用で調整は可能だが、マグブレーキ化した方が使いやすい。
・スプールとボディの隙間にラインは余裕で入ってしまう。隙間を埋めるのは難しいので、如何にバックラッシュさせないか、が重要。その点でもマグブレーキ化は有効。
・バックラッシュした際にナイロンだと高確率でスプールとフレームの隙間にラインが入る。腰の無いPEの方が隙間に入りにくい。(キャスト時は腰がある方がトラブルが少ないが、シンクロレベルワインドなので意外と放出時のトラブル耐性は高い。)
個人的にはピットブル(4本撚り)と長めのナイロンリーダーの設定がお気に入り。
・それでもラインが隙間に入り込んだら駆動部を本体から外してスプールにアクセスする必要があるが、これを外す為のネジが固すぎて素手では外せない状態の個体があった。(4台中2台。)
ネジ山を切り直す事で解決したが、ネジ山を切る工具を改めて買ったり、といった出費が必要な場合も。
・遠心のブレーキシューはスプールを外すとポロっと落ちてしまうので取り扱いには要注意。
・ドラグはどの個体も一応機能していたが、あまり滑らかでは無いのでドラググリスを塗り直した方が良い。シマノのDG-01を塗っとけばとりあえずOK。
普通に使おうと思った場合の注意点はこんな所だろうか。後は個体差でどうしようもない欠陥が無いか祈るのみである。
もし1台だけ買うならアリエクで9000円ちょいで売ってるカスタムモデル(軽量ベアリング入りコグホイール化、ピニオン&ウォームシャフトギアの樹脂化、ベアリング交換済み)をマグブレーキ化するのが恐らく一番実用的。(でも最近は売ってない模様。)
自分の個体は買ったままの状態+マグブレーキ化だけで1.4gのスプーンが出遅れなく12mくらい投げられたので、かなり使えそうな雰囲気。(実際にエリアでも使っている。)
カスタムモデルでない物は脱脂&マグブレーキ化で2gくらいから投げられる感じになった。エリアだと少し物足りないが、ネイティブ狙いの場合は3g~5gを使う事が多いので問題なし。(箱出しの状態でも3.5g以上くらいなら投げられた&釣れた。)
そして、7gの軽量スプールに交換した個体は何と実測0.9gのスプーンが12mくらい飛ばせるようになった。
但しスプールベアリングを保持する部品が曲者で、最初に装着した2台ではフレームとスプールが干渉して使えず。3台目でようやく干渉なく取り付ける事ができた。
そんな訳で自分としては結構使えるリールと認識しているが、これはあくまでも手持ちの4台に限った例。
ハズレを引くかもしれないが、物好きな人は一度手に取ってみるのもアリなのかなと思う。
マルタ釣りなんかにも使えたりするしね↓
ちなみにベイトフィネス機については22アルデバランBFS、20アルファスAIR TW、17カルコンBFS、19ミリオネアCTSV、16アルデバランBFS、17スコーピオンBFS、21SLX BFS、BC521SSS、BC520X、プラッガー、アンバサダー1500Cを使った事があるが、その上での意見でした。
(さすがに渓流ベイトフィネスを始める1台目にはオススメできないかな・・・)