中華アンバサダーことMingYangのW300は脱脂さえすれば中々使いやすいのだが、2点遠心ブレーキなのでブレーキの調整幅が狭い。かといってメカニカルブレーキを使うと飛距離が落ちてしまうので、使い込んで行くとマグネットブレーキが欲しくなる。
そこで今回はちょっとした工夫でマグブレーキ化する方法を発見したので紹介してみようと思う。
方法①:アンバサダー用の部品を流用
改造方法
簡単で確実なのがこの方法。アベイルのAMB1540を使う。
この白い樹脂の直径がおよそ20mm、遠心ブレーキのブレーキシューが当たる枠の内径もおよそ20mmなので・・・
こんな感じでピッタリ収まる。
このままだとスポッと抜けてしまうので、白い樹脂の方にテープを貼って少し太くしてからグイッと押し込む事で固定する事ができる。
続いて遠心ブレーキの軸をニッパーでカット。
こんな感じで太い部分を残してカットする。カット面はヤスリ掛けしておくと良い。
手順としてはこれだけで、後はフィールドでマグネットの個数を調整するだけでOK。
組んでみるとこんな感じになる。
AMB1540にはφ4mm×3.5mmのマグネットが付属してくるが、φ4mm×4mmのマグネットを付けても干渉しなかったので、もしもっと強くしたい、という場合にはφ4mm×4mmに替えるのもアリかと思う。
正面から見るとこんな感じ↓
部屋で投げてみた感じからすると、φ4mm×3.5mmを4個、φ4mm×4mmを2個の計6個を付けた状態でかなり強く効いていたので、基本的にはここから減らす方向でいいのかなと思う。
投げてみた感じ
これは動画で見てもらう方がわかりやすいと思う。
内容を簡単にまとめるとこんな感じ↓
ロッド:エゲリアネイティブETVC-46XUL
ライン:PE0.5号 50m
といったタックルで試投。
マグを2個まで減らすとDコンタクトや3gのスプーンといった比重の重いルアーが25mくらい飛ぶ。
マグ2個で1.8gのスプーンを投げるとバックラッシュするので3個に増量。これで飛距離は16mちょい。
スピナーとかの空気抵抗が大きい物を投げる場合はマグ4個がトラブルが無くてよい。4個でもDコンタクトは22~23m飛ぶので、小渓流で使う分にはこれくらいでOK。
その後エリアトラウトで使用。2g台のプラグも快適に投げられて、無事に魚をキャッチ。
まとめ
この方法だとマグネットの個数で調整する事になるので、メカニカルと違って再現性が高いのが良い所。部品も簡単に入手できるし、工具もニッパーとヤスリくらいあればOK。
ただ、遠心をカットしてしまうので、後で遠心が良かったな・・・と思った場合に戻せないのがデメリットとなる。
方法②:遠心ブレーキ枠の外側にマグネットを貼り付け
次の方法はマグネットだけを購入して遠心ブレーキの枠の外側に配置する方法。AMB1540より安くできるのと、遠心を生かしたまま実装できるのが魅力。
改造方法
まず、適当な鉄板を用意。スチール缶を金切り鋏で切り出して使用する。W300の素材は殆どが真鍮かアルミなのでマグネットが付かないので、この鉄板をマグネットベースにする、という訳。
内側の直径20mm、外側の直径34mmの半円を書いて・・・
金切り鋏で切り出す。
更にネジを避けるような感じで切り出し、ペンチで平らに整えたら・・・
両面テープで貼り付け。
で、これにマグネットを貼り付ける。マグネットサイズはφ3mm×2mm。
これで完成・・・と言いたい所だが、このままだと少し問題が。
マグネットはスプールの内側の凹みに入り込むうような配置になっているのだが、このまま使うと段々マグネットが外側に寄って来て、スプールエッジと干渉してしまう。
なのでプラ板(ルアーのパッケージ)を利用してマグネットの位置を固定する。
マグの外側に沿う形の部品を作って、両面テープで固定する。
こんな感じでマグの外側に貼ればOK。
一応16個まで付けられるようにしてみた。
マグネットの個数と回転具合を↓の動画に残しておいたが、個数を変えるとしっかり効きが変わる。
投げてみた感じ
これも動画にしておいたので↓を見てもらうと早いと思う。ちなみにこのパターンだとメカニカルブレーキでスプール位置を左右にずらす事でマグの強さが変えられるというメリットもある。
内容を要約するとこんな感じ↓
ロッド:エゲリアネイティブETVC-46XUL
ライン:PE0.5号 50m
といったタックルで試投。
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遠心2個+マグ8個+スプール中央:4.5gのDコンタクトが21.6m。ブレーキ力は強め。
↓
遠心1個+マグ8個+スプール中央:4.5gのDコンタクトが25.4m。良い感じ。ただ、コレで2gのクランクを投げるとバックラッシュ
↓
遠心1個+マグ8個+スプール右側:2gのクランクがノーバックラッシュで12.9m。ブレーキやや強め。
↓
遠心1個+マグ8個+スプールやや右側:2gのクランクがノーバックラッシュで15~16m。良い感じ。
↓
遠心0個+マグ8個+スプールやや右側:4.5gのDコンタクトが22.9m。
↓
遠心0個+マグ8個+スプールやや右側:2gのクランクはバックラッシュ。
↓
遠心0個+マグ12個+右側:2gのクランクがノーバックラッシュで14.1m。良い感じ
↓
遠心0個+マグ12個+やや右側:2gのクランクがノーバックラッシュで17.5m。ちょっとピーキー
↓
遠心0個+マグ12個+やや右側:4.5gのDコンタクトが22.9m。ブレーキやや強め。
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といった感じで、遠心の個数、ブレーキの個数、スプール位置のどれをいじっても調節可能。
遠心、マグの個数固定でスプール位置だけでも2gクランクとDコンタクトの両方に対応可能なので、実用上はかなり使いやすい。
また、φ3mm×2mmでなくてφ5mm×1mmでも同じような感じで使う事が可能。
この場合はスプールに内側に磁石が入り込まないので、外側へのズレ防止のプラ板が必要ない。
2g台のクランクや1.5gのフェザージグを使って実釣済みなので、効果についても間違いないと思う。
まとめ
この方法のメリットとしては、価格が安いのと遠心が併用できるのと外部調整が可能、といった所かと思う。デメリットとしては工作が若干面倒な事くらいだろうか。
と言ってもφ5mmの方なら結構工作も簡素化できそうなので、何台かやるなら方法②のφ5mmバージョンかな、と思う。
今回使った材料類
方法①用:AMB1540
Avail(アベイル) Microcast Brake AMB1540
方法②用: