今年はコロナの影響で釣りフェスティバルがオンライン開催だった。
実物を手に取る事ができないので若干の物足りなさはあったものの、落ち着いて全メーカーの情報をゆっくり見る事ができたので、コレはコレで良いかな、とも思う。
そんな中で気になったのがシマノのSLX BFS。
上位モデルで培ってきたFTBシステムに加えてX-SHIP、HAGANEボディにエキサイティングドラグサウンドまで搭載していて、スペック的には17スコーピオンBFSと遜色無いのに定価はスコーピオンより11,000円も安い24,000円と、かなりお手頃価格でのリリースとなっていた。
という事で今回は、以前購入した17スコーピオンBFSとの違いを確認しつつ、SLX BFSが買いなのかどうか考えてみたいと思う。
2021/4/25追記:購入しました↓
基本情報
まずはメーカーHP情報をチェック。
ベイトフィネスを身近にするハイコストパフォーマー
SLX BFS
確かな基本性能でシマノベイトリールの中軸を支えるSLXに、待望のベイトフィネスモデルが登場しました。制動セクションはベイトフィネス専用に開発したFTB(フィネスチューンブレーキシステム)。スプールからブレーキユニットをなくすことで軽量化し、軽量ルアーをストレスなくキャストすることができます。その他の仕様もX-SHIP、エキサイティングドラグサウンドなど充実。どなたでもクオリティの高いベイトフィネスゲームをお楽しみいただけます。
※LEFTハンドルは2021年4月、RIGHTハンドルは6月発売予定
技術特性
スペック表
品番 ギア比 最大ドラグ力
(kg)自重
(g)スプール寸法
(径mm/幅mm)フロロ糸巻量
(lb-m)最大巻上長
(cm/ハンドル1回転)ハンドル長
(mm)ベアリング数
BB/ローラー本体価格
(円)商品
コードRIGHT 6.3 3.5 170 32/22 8-45 63 42 5/1 24,000 043689 LEFT 6.3 3.5 170 32/22 8-45 63 42 5/1 24,000 043696 XG RIGHT 8.2 3.5 170 32/22 8-45 82 42 5/1 24,000 043702 XG LEFT 8.2 3.5 170 32/22 8-45 82 42 5/1 24,000 043719 ※XG=エキストラハイギア仕様です。
出典:シマノ
ギア比は6.3:1と8.2:1の2種類。スプール径は32mmでハンドル長は42mm・・・と見て行くと、スコーピオンBFSと殆ど変わらない事に気づいた。
スコーピオンBFSとの違いとしては、重量が5g重い事とベアリングが2個少ない、という所くらいだろうか。
それでいて定価ベースで11,000円安くなっているのは正直驚きである。
重量に関して言えばスコーピオンBFSの実測が170gだったので実質殆ど変わらないし、ベアリングについてもスプール周りの数は恐らく変わらないので、実感できる程の差が出るかは微妙な所。
となると完全にSLX BFSの方がコスパが良い・・・?という事になるが・・・
スプールについて
ベイトフィネス機の命と言えばやはりスプールだと思う。
重量は軽ければ軽い方がレスポンスが良く、直径は小さい方が有利。更に同じ重量でも慣性モーメントを減らそうと思ったら外周に近い部分が軽い方が良い。
その観点で見た時に気になるのがブランキング穴の少なさ。
SLX BFSのスプールはこんな感じで、ブランキング穴は中央に2個、1個、2個、1個・・・といった感じで周方向に配置されている。
出典:シマノ
スコーピオンBFSはこんな感じ↓
SLX BFSと同じ感じで開けられている穴の他に、スプールシャフトが長い側の全周に渡って穴が開けられている。
もし肉厚が同じだと仮定すると、穴の分だけSLX BFSのスプール重量の方が重くなるハズである。
なので、軽量ルアー対応能力ではスコーピオンBFSの方がやや有利な可能性がある。
スコーピオンDCとSLX DCの差を考える
今回の例と似たケースとして、スコーピオンDCとSLX DCの例がある。
DC搭載機をより身近に・・・という感じでデビューしたSLX DCであるが、ブレーキシステムとスプール重量で結構差がつけられていた。
SLX DCはNEW I-DC4と21.3gのスプール。
スコーピオンDCはI-DC5に17.8gのスプールだった。
このような差のお陰か、やはり軽量ルアーの飛距離ではスコーピオンの方が上だったので、今回のSLX BFSについてもある程度実力を抑えているのではないかと予想。
5gにも満たないルアーを・・・の表現
もう一つ気になったのがスペシャルサイトの表現。
軽量ルアーを思いのままに
ただ“投げられる”だけでは通用しない。
5gにも満たないルアーを正確にポイントへ撃ち込み、
意のままに操ってこそ武器となる。
FTBがもたらす飛距離とアキュラシー、そしてリニアな操作感。
良質のベイトフィネスが、いまここに。出典:シマノ
5gにも満たないルアーを・・・という表現が少し控えめな気がする。もし従来のBFS機と同等なら4gとか3g、と謳っても良いような気がする。それを敢えて「5g・・・」と記載しているのはやはり少し性能を抑えているのでは・・・と思えてくる。
まとめ
という事で、個人的には、敢えて少しスコーピオンBFSと差を付けているのではないか、と予想。
とはいうものの「2.5〜3.5gのスモラバを低弾道でキャストできる」といった記載もあったので必要十分なレベルでベイトフィネスができるようになっているものと思う。
実売価格は恐らく2万円前後、もしくは2万円を切るくらいになると思うので、この価格帯でメタルボディのベイトフィネス機が手に入るとなれば、ベイトフィネス入門機としては買い、なのではないかと思う。
一方で、スコーピオンBFSもしくはそれより上位機種を持っている人からするとちょっと物足りないのかも、と思ってみたり。
とりあえず現物は一度触ってみたい。