前の記事でアンバサダー1500Cの廉価版、150プラスを紹介させて貰ったが、丁度同じくらいのタイミングで手の届きそうな価格で1500C IARが売っているのを発見。
中古リールは一期一会・・・という事で、今月の予算はオーバーだがとりあえず買ってみた。
まあ中古価格が安定しているリールなので気に入らなかったら売ればいいか・・・とも思ったが、触ってみると気に入らないなどという事はなく、カスタム部品が欲しくてしょうがない今日この頃。
という事で、フルカスタムすれば渓流ベイトフィネス機として使えると評判の1500Cをインプレ。
アンバサダー1500Cって?
アンバサダー1500Cはアブ社が発売していた小型丸形リールの一つ。1975年に構造は同じだが幅が広い2500Cが発売され、それから2年後の1977年に1500Cが発売された。
φ30の小径スプールにより、軽量ルアーが格段に投げやすくなり、小型のボディは日本人の手によく馴染むという事もあって、人気リールの座を獲得。
その後はロープロファイルリールの進化もあって主役の座を退いたように見えたが、シャロースプールを初めとする社外カスタムパーツの充実もあって、今もなお根強い人気を誇っている。
特に渓流シーンに於いては2500Cと並んで愛好家が多く、中古価格も高騰傾向にある。
今回紹介する1500C IARはその名の通りインスタントアンチリバースを搭載したモデルで、5.3:1と初期モデルと比較して高いギア比である事から、小型丸形リールを初めて触る人にも比較的違和感が少ないと思う。(といっても最新リールと比較すると巻取り速度は遅いが。)
基本仕様
ネット上の1500C IARの箱の画像に記載されていたのがこんな感じ↓
主要諸元表
品番 | ギア比 | 糸巻量(m) | 自重(g) | |
0.2mm | 0.25mm | |||
1500C IAR | 1:5.3 | 195 | 110 | 247 |
ギア比が初期のモデルが4.7:1なのに対し、5.3:1と高めなのが特徴。
その他の特徴としては、
・インスタントアンチリバース
・ステンレスボールベアリング
・ワンピースアルミニウムスプール
・アルミニウムギア
・デュアルキャストコントロール
といった所。あと、2点遠心ブレーキを備えている。
外観など
今回は中古で結構お手頃な個体を購入。なので少々傷があったりする。
前から↓
右斜め前から↓
右から↓
右斜め後ろから↓
後ろから↓
左斜め後ろから↓
左から↓
左斜め前から↓
上から↓
下から↓
フットナンバーは040006。という事は1996年製かな。
今回はシルバーを購入。黒と銀はどんなロッドにも合わせやすくて良い。
しかしやっぱりこの佇まいは素晴らしい。置いておくだけでも絵になるリールである。
サイズ感
ミリオネアCV-X103Lと並べてみるとこんな感じ↓
直径、幅、サイズ感はほぼ同じ。
17タトゥーラSVTWと並べてみるとこんな感じ↓
ボリューム感は同じくらいだが高さは全然違う。
構造が同じと言われる150 Plusと並べるとこんな感じ↓
確かに殆ど同じっぽい。
重量について
重量は251.1g。
昨今のリールと比較すると重めではあるが、これくらいなら片手でも投げられる。
スプールについて
ハンドル側のサイドカバーの2本のネジを外すと駆動部が取れる。すると簡単にスプールが外せる。
ブレーキは2点遠心ブレーキ。
スプール重量は長めのシャフトを含めて16.1g。
昨今のリールと比較すると重いが、当時としては結構軽い部類だと思う。
軸受けはステンレスベアリング。
ハンドルについて
ハンドルは70mmのダブルハンドル。
ギア比の低さを手の回転数でフォローするには丁度良い長さ。
ドラグについて
ドラグはスタートラグ。ドラグノブを回す時にラチェット音は無いが、ドラグが出るとクリック音がカチカチ鳴るようになっている。
ベイトリールでは結構珍しい仕組み。渓流用にはありがたい仕様。
ラインを巻いてみた
150 Plusに試しに巻いた2号150mを移植してみる。
巻き終わったらこんな感じ。
キャパシティは同じっぽい。という事で、2号150m、3号なら100mくらいかな。
軽く投げてみた感じ
とりあえず2号150mを巻いた状態で投げてみた。
3gはかなり出遅れるので無理っぽかったが、5gくらいから投げられる。
とはいえフリップキャストだとサミングがしんどいので、渓流で使うには最低限フィネススプールとマグブレーキ化はしておきたい。
フィネススプールとの組み合わせにて
スプール自体の記事は別記事でまとめているが、結論からすると実戦でも十分に使える。
まずはトラウトの管理釣り場にて。クランクの巻き心地が良い。
バスの管理釣り場でも使用。スモールプラグやスモラバと合わせて使うのに良い感じ。
肝心の渓流ではまだ釣れてないのだが・・・来シーズン解禁したら追記したい。
キャストについては2gくらいから快適にキャストする事ができる。
渓流にて
上流域の渓流で使ってみた。ロッドはトラウティンスピン マルチュース TRMK-423Lとの組み合わせで、スプールは中華製フィネススプール。ラインはナイロン4lbを50m巻き。ハンドルを軸間55mmのショートハンドルにする事で巻取り速度をカバーするようにしてみた。
3.5gのAR-S、Dコンパクトを中心に使ってみたが、小渓流なら十分な飛距離。レベルワインダーが良い抵抗になってくれるのでコントロールはしやすい。
この日は小さいながらもヤマメをキャッチ。
そしてまた別の日には源流域の渓流で使用。ロッドは鱒レンジャーカスタムCT38との組み合わせ。
源流域ではラインコントロールのしやすさが活きる。小場所の狙った所をテンポ良く狙うのに向いている。
結果的には尺イワナを筆頭にイワナ、ヤマメをキャッチ。
渓流ベイトフィネス機として十二分に使える事がわかった。
実釣動画
渓流での様子はコチラから↓
まとめ
特に改造しなくてもバス釣りなら即使えそうなイメージ。
渓流で使うならカスタムが必要だが、最低限スプールをフィネススプール&マグブレーキ化すれば使えるように思う。巻取り速度の遅さが気になる場合はショートハンドル化が有効かと思う。
スプールは中華製でも大丈夫だったので、コスパを重視するなら選択肢としてはアリかと思う。
品質を重視するならこの辺かな↓
他にもベアリング入りコグホイールやらレベルワインダー、ハイギアチューンキットなんかもあるので、コツコツ改造していこうと思う。