スピニングリールのようにロッドの下に取り付け、プッシュボタンでクラッチをリリースするシステムはなかなか使い勝手が良い。
アブの500シリーズに採用されているシステムだが、かつてはダイワからも同様の仕組みのリールが発売されていた。
ハリヤーと呼ばれるモデルで、見た目はアブのディプロマットに近い感じのデザイン。
シンクロドラグ搭載の120M、ドラグ無しの123M、リアドラグ式の125Mがラインナップされており、日本ではあまり見かけないが、ヨーロッパではまだ流通している雰囲気である。
中でも125Mは2020年現在もダイワのイタリアやフランスのHPには載っていたりする。
アブの506MK2のドラグがスプール回転式になったと思えば結構使いやすいのではないかと思ってebayで買ってみた。
早速使ってみたのでインプレしてみようと思う。
メーカーHP情報
イタリアのダイワHPより抜粋
SYNCHROMATIC – 125M
MADE IN JAPAN
È il mulinello Daiwa con maggiore anzianità, essendo nato addirittura nel 1985. Nonostante non possa vantare nessuna delle strepitose innovazioni create da Daiwa negli anni recenti, questo mulinello è ancora imbattibile nella pesca alla Bolognese con madre lenza di diametro 0,10 e terminali ultra-sottili, oppure nella pesca alla Trota con le lunghe teleregolabili. Agire sul pulsante frontale e sbloccare la lenza per il lancio con una sola mano, eventualmente anche sotto canna, è un piacere assoluto, per non parlare della frizione morbidissima!
CARATTERISTICHE
- Corpo in grafite di alta qualità
- Pulsante di sgancio rapido della lenza
- Frizione microregolabile con comando posteriore
- Bobina supplementare in omaggio a ridotta capacità
MODELLO CAPACITÀ BOBINA RAPPORTO
DI RECUPEROBOBINE
EXTRAPESO (g) PREZZO
IND. (€)3746 100 m Ø 30 4,1:1 (65 cm) 1 300 145
イタリア語はさっぱりわからないが、Google翻訳で訳してみると、
1985年に誕生した最上級のダイワリールです。近年のダイワが生み出した驚くべき革新を誇ることはできませんが、このリールは、0.10のメインラインとウルトラリグを備えたボロネーゼ釣りでは無敵です。 薄い、または長いリモートアジャスタブルでマス釣りに。 非常にソフトなクラッチは言うまでもなく、フロントボタンを操作して、おそらくバレルの下でさえ、片手でキャストするためのラインのロックを解除することは絶対的な喜びです!
といった感じになる。
ヨーロッパではマッチフィッシングと呼ばれるコイ科の魚を浮き釣りで狙う大会?みたいなのが盛んなようで、その用途だと手返しの良いプッシュボタン式のクローズドフェイスリールが一定の地位を保っている模様。
ルアーフィッシング用、という訳ではないので特に軽かったりするわけではないが、300gの重量とハンドル1回転あたり65cmという巻取り量はアブの506MK2と互角なので、それなりに使えるのではないかと予想。
外観など
左から↓
左斜め前から↓
前から↓
右斜め前から↓
右から↓
右斜め後ろから↓
後ろから↓
右斜め後ろから↓
大きく開いたフロントカップにプッシュボタン、グラファイトボディが古臭い感じだが、一周回ってカッコいい気もする。
ハンドルは左右入れ替え可能で、ドラグはリアドラグ式。インスタントアンチリバースは非搭載でラチェット式のアンチリバース。但し、アンチリバースは故障していたので買った時には効かなかった。
サイズ感
ボリューム感としてはアブの506MKに近い。
同じダイワのアンダースピンUS120XDとも近い感じ↓
重量について
重量はカタログスペックで300g。実測は・・・
294.9gとおよそカタログ通り。
506MK2といい勝負。
ハンドルについて
ハンドルは昨今のスピニングと同じ供回り式のハンドル。
六角シャフトサイズとネジ径は最近のスピニングと一緒なので、長ささえ合えば互換性がある。
ハンドル長は55mm。
フロントカップを開けてみる
フロントカップは左に少し捻ると開ける事ができる。
ピックアップピンはローラー式。
ローターはハンドルを固定してローターを右に捻ると外す事ができる。
裏から見るとこんな感じ↓ピックアップピンの取り付け方法はワタチャンプのbeesに似ている。
スプール側はこんな感じ↓
スプール径は53.5mm。ギア比から計算するとハンドル1回転あたりの巻き取り量は計算上では最大68.9cmとなる。少な目にラインを巻いても65cmくらいは巻けそうなので、およそスペック通りと言える。
スプールを横から見るとこんな感じ↓これは恐らくディープスプール。新品で買うとシャロースプールも付いてくるっぽい。
スプールを前後させるオシュレート機能付き。
ラインを巻いてみる
とりあえずダイソーナイロン3号を巻いてみた。
3号ラインは150m巻けた。オシュレート機能のお陰でかなり綺麗に巻ける。
今回はそこから30m3号ラインを減らした後に1号ラインを100m巻いてみた。
巻き上がりはこんな感じ↓
ギア周りについて
サイドプレートを外すとこんな感じ↓手前に見えてるのがアンチリバース用のギア。
アンチリバース用のギアの裏に駆動用のギアが。更に奥の小さいギアはオシュレート用。
ピニオンギアはこんな感じ↓
メインギアの軸受けは樹脂ブッシュ。
アンチリバース用の爪はサイドプレート側に付いている。これにゴム製の部品が付いていて、ハンドルを正転させたら爪が退避し、逆転させたら爪が寄るような仕組みだが、ゴムが劣化してちぎれていた。
なので1mm厚のゴムシートをカットして適当に部品を制作。これが意外とうまくいって、無事アンチリバース機能が復活した。
基本的な操作
キャストまでの操作はアブの500シリーズと同じ。
プッシュボタンを押すとピックアップピンが退避し、自動的に人差し指にラインが掛かる。
あとはスピニングと同じように人差し指でラインを掴んで離したらキャストできる。
ドラグは右に回すと強くなり、左に回すと弱くなる。残念ながら調節してもカチカチ言わないタイプ。
とはいえスプールが回るタイプのドラグなのでローターが回るものと比べれば出だしはスムーズ。
バス釣りにて
1号ナイロンとLアクションのバスロッドとの組み合わせでバス釣りに。基本的にはスピニングの代わりとして使用。
ラインの放出がかなりスムーズなので飛距離はスピニングと殆ど変わらない感じ。小さいTDペンシルの飛距離は25mくらい。
滑りの良いラインを使用している事もあって、小型のシャッドくらいなら問題なく巻ける。
とりあえず小バスをゲット。ダウンショットでの釣果。
やはり手返しが良いのがメリット。ドラグの効果は・・・まだ不明。
渓流にて
手返しの良さを生かせる源流域で使ってみた。
狭い落ち込みを丁寧に、テンポよく撃つには持って来い。フェザリングもやりやすいので飛距離のコントロールもバッチリ。
巻取りは滑らかで速度も十分、という事で早速イワナをゲット。
ミノーのトゥイッチもやりやすい。
堰堤の下の流れが強い所で↓の魚がヒットした時にドラグが少し出たが、スピニングのようにドラグを出しながらジリジリ寄せて来る事ができた。ドラグの部分は明らかに506MK2より使いやすいと思う。
まとめ
使い勝手としては506MK2と同じで、手返しが良く、フェザリングもできてラインを挟む傷も付かない。それに加えてドラグも扱いやすくなっているので、使い勝手的には殆ど上位互換と言ってもいいかもしれない。
ちょっとハンドルがショボいのがネックだが、実はゴメクサスの供回り式ハンドルがそのまま付けられたりするので、ハンドルを変えて試してみるのもアリかと思う。
日本で販売してくれたら売れたりしないかな・・・インスタントアンチリバースを入れるだけで結構最近のリールとも戦える気がするのだが。