鱒レンジャーと言えばグラスソリッドによる独特な使用感が売りで、どっちかというとちょっと使いにくい部分を使いこなす楽しみ・・・みたいな物があったが、ここにきて少し毛色の違うモデルがリリースされた。
それが今回紹介する鱒レンジャーRZ。
グラスでなくカーボンソリッド素材を採用し、グラス版のダルさを解消しつつもしなやかでキャスティングが楽しいモデルとなっている。
早速使ってみた所今までの鱒レンジャーのイメージとは全く違う感じだったので、使用感などを含めてインプレしてみたいと思う。
メーカーHP情報
TM 鱒レンジャー RZ 50S/50B カーボン
TM 鱒レンジャー RZ 50S カーボン
スペック ●全長5フィート(1.5m) ●ルアーウエイト0.8~7g●適合ライン1.5~6LB ●仕舞寸法132cm●標準自重95g●継数2本 JAN 4531373017815 TM 鱒レンジャー RZ 50B カーボン
スペック ●全長5フィート(1.5m) ●ルアーウエイト0.8~7g●適合ライン1.5~6LB ●仕舞寸法132cm●標準自重99g●継数2本 JAN 4531373017822 希望小売価格(税別)
RZ 50S カーボン ¥オープン
RZ 50B カーボン ¥オープンフルカーボンソリッドのバットジョイント仕様
スピニングとベイトの2モデルがラインアップされている。長さはそれぞれ5ftの1種類。
今回はベイトモデルの50Bを購入。メーカーHPではスパイラルガイドっぽい写真になっているが、実物は普通のガイド配置だった。
価格はオープンだが、7000円弱~9000円弱くらいで売られている模様。
パッケージ
パッケージはこんな感じ↓
バットジョイントなのでワンピースよりは少し短いが、仕舞寸法が132cmなのでそこそこの長さがあった。
外観など
箱から出してみるとこんな感じ↓
内容物はグリップとブランク、それらを止めるバンドの3つ。
リアグリップはコルク・・・と言ってもスポンジにコルクシートを貼った物と思われる。この点は恐らく従来の鱒レンジャーと同じ。
ロッドエンドはゴム製で傷がつきにくく、真ん中には猿のエンブレムが。
リールシートは樹脂製で、トリガー部分はアルミっぽい。
フロントグリップはカーボンシートを巻いた風のデザイン・・・と思いきや本当にカーボン繊維を編んだ物が貼られている。
ロッドを刺す部分はこんな感じ↓
接続してみるとこんな感じ↓
ガイドフレームは従来の鱒レンジャーと同じ感じの形状とカラー。リングも恐らくSICでなくハードガイドかな?
従来の鱒レンジャーCT50と比べてみると、RZ50Bの方がガイドが1個多く、先端の方は小さ目のガイドが付いている。
ティップ径は1.1~1.2mmくらい。
バット径は5.4~5.5mmくらいかな。
アクションについて
軽く曲げた感じ↓
強めに曲げた感じ↓
更に強く曲げた感じ↓
軽い負荷ではティップが曲がり、強く負荷を掛けると6:4くらいで曲がる感じ。
重量について
重量は実測で97.7g。
鱒レンジャーCT50は118gあったので、20gも軽くなっている。
グリップを除いた部分が24.4g。
グリップが73.5gとなっている。
グリップ単体としてはズームサファリ464Lより少し軽いくらい。
一方でグリップ以外の部分はズームサファリ464Lの方が軽い。
ズームサファリはカーボンチューブラーなので、それと比べると鱒レンジャーRZの方が重い。とはいえ自重で曲がる方がキャスティングしやすかったりもするので、その辺は一長一短かなと思う。
ちなみに先重り感という観点で言うとエゲリアネイティブETVC-46XULに近い。
リールとの組み合わせ
とりあえずミリオネアCTと合わせてみた。
グレーと黒にコルクグリップ、といったデザインなので、色んなリールに合わせやすい感じ。
また、昨今のトラウトロッドではリールシートが狭すぎて付かないリールがある、といったような現象が見受けられるが、鱒レンジャーRZはかなり開口が広いので恐らく大抵のリールは付くと思う。
リールフットがぶ厚いゼブコのスピンキャストも余裕。
渓流で使ってみた
早速渓流で使ってみた。リールはミリオネアCT、ラインはナイロン4lb。
まずは結構川幅のある本流エリアで使用。良く使う4.6ftだとちょっとロッドが短いかな・・・と思うエリアだが、5ftあると軽いキャストでも飛距離が出しやすいので丁度いい感じ。
鱒レンジャーCT50よりはだいぶシャキッとしているので、5gクラスのシンキングミノーをフルキャストしてもロッドが曲がり過ぎたりせず、キャスト後にブレたりもしないので気持ちよく投げられた。
ミノーをトゥイッチさせる時も鱒レンジャーCT50のようにボヨンボヨンしないので、しっかりとアクションを伝える事が可能。
最近よく使うエゲリアネイティブのグラスモデルやSVFグラスのシルバークリークグラス、UDグラスのファインテールといったグラスモデルのロッドに使用感は近いが、感度や反発性が若干鱒レンジャーRZの方が良いかな、といったイメージ。
なのでナイロンで使ってもルアーの動きや魚のバイトは感じやすいと思う。
本流エリアでは小ヤマメとニジマスをキャッチ。
魚を掛けてからの感じもグラスに近く、小ヤマメでもしっかりティップが入るのでバラしにくいように思う。一方でバット部は結構強いので、強い流れの中で掛けたニジマスもしっかりと寄せる事ができた。
続いて上流エリアで使用。
5ftはちょっと長いかな、と思うエリアだったが、意外と使いやすかった。
軽く投げる場合はティップの反発を利用してコンパクトに投げられるので、思ったより狭いスペースでもキャストする事が可能。
3.5gのAR-Sをフリップキャストしても快適。ロッドのしなりを生かして投げる事ができた。
上流エリアではヤマメとイワナをキャッチ。
最初に本流エリアに入ったので上流に移動したのは日が高くなってからだったが、4.6ftのグラスロッドよりはちょっと長くて張りがあるのでいつもより少し遠目からキャストしても届き、その結果魚に気づかれずにアプローチできたのではないか・・・と思っている。
ちなみに今回はスピナーをメインで使っていたのもあって全然重さは気にならなかったが、ミノーのトゥイッチをメインで使うと少し疲れるかもしれない。(でも鱒レンジャーCT50やCT48と比較すると全然楽だと思う。)
まとめ
正直かなり使いやすいロッドだと思う。今までの鱒レンジャーと違って真っ向から有名メーカーのトラウトロッドと比較しても引けを取らないのではないだろうか。
グリップが少しショボいという欠点もあるが、バットジョイントなのでフェルールを付けて別のグリップに付ける・・・なんて改造も簡単。
ガイドが最新のガイドシステムでないのと携行性が良くない事がネックではあるが、その辺が気にならない人にはかなりおススメできるロッドだと思う。