このところじわじわと盛り上がっているような気がする渓流ベイトスタイル。
キャストのしやすさ、キャストの楽しさ、掛けた後のバラしにくさといったメリットからグラスロッドの人気も高まっており、各社からグラスモデルがリリースされている。
そんな中で個人的に気になったのがダイワのシルバークリーク グラスプログレッシブ。
店頭でお試し用に置いてあったものを手にしてみた所、グラスとは思えない軽さに驚いた。
SVFグラスのお陰なんだろうと思うが、この軽さでグラスのメリットをしっかり出せるのであれば最高なのではないだろうか。
これは是非一度投げてみたい・・・と思ったのだが、気付けばネットでは売り切れ状態。
しかし運良く店頭で発見したのでとりあえずお買い上げ。
という事でまずは開封インプレからいってみようと思う。
メーカーHP情報
まずはHP情報をおさらい。
シルバークリーク グラスプログレッシブ
2021.2 デビュー
46ULB-G
グラスロッドの新境地、シルバークリークにSVF GLASSを採用
ポイント
1)SVF GLASS
- カーボンのSVFと同様に、レジン量を減らしグラス繊維を密入!
従来のグラスと違い「軽量」に仕上がっています- キャストフィールがピュアグラスと違いダルさが減少
しかし、ファイト中はグラス特有の粘りで魚の動きに追従しバラさない!※今回展開の3アイテムはカーボンコンポジットモデルとなります
(2)突き詰めたグラスロッドアクション
- ストリームトウィッチャーの張りのある、シンキングミノー常に動かすことを想定したロッドアクションと違い、PEラインを使用したノーマルリトリーブでも水をしっかりと噛んだ、ルアーの泳ぎを最大限に引き出すことを念頭に開発。
- キャスト時には2g台の軽量ルアーでもアキュラシーキャストが可能
(3)こだわりのガイドセッティング
- SCのラインアップのこだわり大口径ガイド
ラインの抜けの良さから、抜群のキャストフィールを誇ります※ガイドはチタンSicを採用
(4)こだわりのグリップ周り
- キャスト、アクション、ファイト、ランディングの一連の動作が行いやすいデザイン
- ベイトロッドは、手首を使った自在なキャストを行いやすいショートトリガータイプ
■こだわりのリールシートとネーム部
■高級外観と機能性に優れた3連リング仕様。(真中は誘導リング)(ベイトモデルは1リング仕様)■ライン抜けの良いガイドセッティング
■通常よりも口径の大きなガイドをセッティング。抜群のライン抜けの良さを発揮し、アキュラシーキャストを実現。また、解禁直後の思わぬ冷え込み時にもガイド凍結でのライン詰まりを防止。■こだわりのブランクスセッティング
■シーズン中に、可能な限りテストを行い、グラスの良さを生かしながら、ダル過ぎない、最適な使用感に。
番手ごとにもセッティングを突き詰め、各アイテムごとに個性のあるロッドに仕上げた。アイテム別特徴
アイテム名 特徴 48UL-G 取り回しの良い絶妙なレングス設定。源流・山岳渓流において、生い茂った草木を躱し、ピンポイントを鋭く射貫くキャスタビリティとアキュラシーを獲得。軽量フローティングミノーから、4g前後のルアーが気持ちよく使え、バックハンドやフリップキャストなどのテクニカルキャストも行い易いセッティング。 53L-G 一般的な渓流、里川でメインとなるアイテム。テンポよく且つ軽快にルアーを打ち込むことが可能。バットにパワーを持たせることで、ロングキャスト時も腰が砕けることなくキャストが可能。 46ULB-G 渓流・源流域を手返し良く攻める為のモデル。クセの無いテーパーデザインに仕上げた。ベイトタックルならではの水面を這うような弾道を生み出し、キャストする悦びを引き出す1本。また、4ft.6in.という長さは、水面を叩くことなく快適なキャストが可能。 仕様詳細
- SVF GLASS
- チタンフレームSi CリングKガイド(ベイトキャスティングモデルはチタンフレームSiCリングLRVガイド)
- ショートトリガーシート(46ULB-G)
- ウッド製リールシート
DAIWA TECHNOLOGY
■SVF GLASSSVFカーボン同等にレジン量を減らす事で、より多くのグラス繊維を密入し、軽さ、粘り、しなやかさを実現する超高密度グラス「SVFグラス」。
■X45ネジレ防止は「45°」が最適。パワー、操作性に革命をもたらすネジレ防止の最適構造。従来構造(竿先に対して0°、90°)に、DAIWA独自のバイアスクロス(±45°に斜行したカーボン繊維等)を巻くことで、ネジレを防ぎ、パワー・操作性・感度が飛躍的に向上。※ネジレに対して最も強い「45°」X構造をネーミングに採用。「Xトルク」は世界共通の商標として「X45」に呼称変更いたしました。
■V-JOINT[V-ジョイント]スムーズな節の曲がりが理想の調子とパワーアップを実現。節の合わせ部分にDAIWA独自のバイアス構造を採用。合わせ部のスムーズな曲がりを実現し、パワー・レスポンス・感度が向上。
■GLATECH Constructionグラテック・コンストラクションは,竿先に対して周方向はカーボンシートを,長手方向は単一方向に引き揃えたUDグラスシートを巻き付けることによりグラス特有の柔軟性や粘り強さを兼ね備えながらも持ち重りの軽さを実現する設計。
シルバークリーク グラスプログレッシブ
アイテム 全長
(m)継数
(本)仕舞
(cm)自重
(g)先径/元径
(mm)ルアー
重量
(g)ライン
(lb.)適合
ラインPE
(号)カーボン
含有率
(%)メーカー希望
本体価格(円)JAN
コード48UL-G 1.42 2 74 68 1.4/8.4 1.5~7 2~6 0.3~0.6 31 42,000 4550133065873 * 53L-G 1.60 2 83 75 1.6/9.9 2~10 2~6 0.3~0.8 34 45,000 4550133065880 * 46ULB-G 1.37 2 71 71 1.6/7.4 1.5~7 2~6 0.3~0.8 31 42,000 4550133065897 * 出典:ダイワ
今回はベイトモデルである46ULB-Gを購入。
レジン量を減らし、高密度にグラス繊維が密入されたSVFグラスの採用によって、グラス特有のダルさを解消しつつもグラスらしい粘りがある、といった夢のようなロッドとなっている。
更にねじれを防止するX45の採用、チタンフレームSICガイド搭載、オシャレなウッド製リールシート等々、隙の無い仕上がりとなっている。
その分お値段は高めだが、恐らくそれに見合った内容になっているものと思われる。
パッケージ
パッケージはこんな感じ↓
箱自体はよくある感じの箱だが、「グラスロッドの新領域」といった謳い文句に期待が膨らむ。
基本仕様はHP情報の通り。
原産国が中国なのがやや残念ではあるが、グローブライドが品質管理、とあるのできっと品質には問題ないだろう。
内容物はこんな感じ↓
ロッド本体に竿袋、保証書が入っていた。
あと、リールフットに傷が付かないようにするためのカバーが同梱されていた。
この辺の気遣いは嬉しい。
外観など
全体的にはこんな感じ↓
センターカットの2ピースとなっている。
ブランクの根本は濃いめの赤色。
その先は濃い茶色になっていて、渓流の雰囲気に合いそうな感じ。
グリップ周りもなかなかカッコいい。
コルクの品質も良い。目抜けが殆どなく、滑らかな表面に仕上がっている。
重量について
重量を量ってみると・・・65.5gと驚きの軽さ。
同じ長さのエゲリアネイティブETVC-46XULが91.4gだった事を考えるとかなり軽い。
これがSVFグラスの効果か・・・
仕舞寸法
グリップ側の方が僅かに長い。
長さは実測で71.5cmくらい。
2ピースなのでこれくらいなのは当たり前だが、持ち運びの事を考えるともう少し短い方が良い。
3ピースくらいにしてくれると携行性が良くなるが、アクション的にはやっぱり2ピースの方が良いのかな。
アクションについて
軽く曲げてみるとこんな感じ↓
強めに曲げてみるとこんな感じ↓
アクションはレギュラーアクションで、強く曲げると全体で負荷を受けるような感じで曲がる。これなら魚が掛かった時にバラしにくそう。
ジョイクロ178をぶら下げてみるとこんな感じ↓
エゲリアネイティブと比較すると、若干シルバークリークの方が曲がるかな、といったイメージ。
リールとの組み合わせ
アンバサダーと合わせてみるとこんな感じ↓
一緒に買った五十鈴のBC521SSSを乗せるとこんな感じ↓
クラシックなリールと良く合うデザインとなっている。
ロープロファイルのアルファスエアと合わせてもなかなか良い。
ブランクが赤っぽいので赤がアクセントに入ったリールと合わせるのも良いかも。
軽く投げてみた感じ
とりあえずアルファスエアとの組み合わせで2.9gの消しゴムを投げてみた。
これくらいの重さでもしっかりティップが曲がるので、フリップキャストがバッチリ決まる。
動画で見るとこんな感じ↓(動画:約4MB)
曲がった後の戻りが結構速く、余韻で振動する事もほぼないので、スパッと投げられる感じ。
エゲリアネイティブのグラスと比較するとちょっとシャキッとした感じ。
自重が軽い&カーボンコンポジットの効果でかなり軽快に振ることができる。
これなら1日振っても疲れなさそうである。
ちなみにエゲリアネイティブの場合の動画はコレ↓(動画:約5MB)
実釣にて
秋川の中流域で使ってみた。
投げてみた感じ
とりあえず投げたのはこのあたり↓
3gのスプーン。
1.8gのスプーン。
3.5gのシンキングミノー。
3.5gのスピナーなどなど。
1.8gでもしっかりロッドの曲がりを活かして投げる事ができた。一方で5gくらいの物も投げてみたが重さに負ける事なく飛ばせた。
飛距離的にも20mくらいある川幅の対岸まで楽に届いたので、4.6ftと短いが意外と中流域でも使える感じ。
アクションさせてみた感じ
柔らかめのアクションだが、シンキングミノーのトゥイッチはそれなりにできる。
自重が軽くて先重りが少ないので楽に振れる反面、先端の自重が無い分しっかりとアクションさせないとルアーに動きが伝わりにくいのでちょっと注意が必要。
この点についてはエゲリアネイティブの方がアクションさせやすい印象。ティップ側にある程度重さがある方がアクションをさせる上では有利なのかも。
とはいえ5gあるカウントダウンエリートやDコンタクトもしっかりと動かせて実際に釣る事ができたので、まあ慣れれば問題ないかなと思う。
魚とのやりとり
とりあえずこの日は10匹ほどヤマメをゲット。
22~3cmくらいの魚を掛けたのだが、これくらいの魚でもかなりロッドが曲がる。良く曲がるロッドは単純に使ってて楽しい。
機能的にもラインテンションが抜ける事がなく、しっかりとフッキングできればバラしにくいように思う。
源流域での使い心地
秋川の最上流部で使ってみた。
階段状に段差が続くようなエリアだが、さすがにこれくらい上流まで来るともう少し短い方が使いやすい。段差の下から一段上のプールを狙うようなシーンだとフリップキャストができなかったりする。
とはいえ足元にスペースがあるような所であればロッドのしなりを活かしてピンポイントへのキャストが可能。↓の写真の木の下あたりに投げたり、といった事もできた。
この日は釣果に恵まれなかったが、ちょっと気を遣えば源流域でも使えると感じた。
(まあ出来たら同じような軽さ、柔らかさで4ftジャスト&3ピースくらいのモデルが出ると嬉しいけどね・・・)
実釣動画
道志川で使った時の様子を動画にしてみた。
ミノーイング中心の動画はコチラ↓
まとめ
実際に使ってみた結果、かなり使いやすい仕上がりな事がわかった。
カーボンロッド並みの軽さでありながらグラスらしいアクションで、ロッドに重みを乗せて投げる事ができる。飛距離もショートロッドの割には良く飛ぶので意外と開けたエリアでも使えるし、小渓流でも取り回しが良いと思う。
ちょっと柔らかいのと自重の軽さから、ミノーを使う場合は強めにアクションを付けた方が良い、という特性もあるが、その分魚を掛けた時の曲がりが抜群なので、そういうものだと思って使うのが良いのかなと思う。
ホントにグラスとカーボンのいいとこ取りみたいなロッド。SVFグラスのお陰、というところなのかなと思う。