渓流ルアーをやっていると道具を自然に馴染むものにしたい、という欲求が沸いて来る。
特にロッドのグリップは魚と並べて写真を撮ることも多いので、ウッドグリップだと良い感じなのだが・・・問題はその価格。
ちゃんとしたメーカーのウッドグリップなんかは数万円する事もザラである。
もちろんその価格に見合った良いものである事は理解できるのだが、お小遣い制サラリーマンアングラーとしてはもう少しお手頃な物があると嬉しい。
そこで考えたのが、オピネルのナイフの柄をグリップに使えないか、というアイディア。
130年間人々に愛されているデザインなので握り心地はおそらく間違い無いハズ。
アウトドア用として人気、実績が高く、オシャレなデザインでありながらリーズナブルな価格で入手できるので、もしうまくいけばお手頃でカッコいいウッドグリップが作れそうである。
そんなわけで今回は実際に作ってみることにした。
材料について
まずはオピネルナイフの柄を探してみた。
グリップを改造して純正グリップが余っている人がフリマサイトに出品していたのでそれを購入。1000円弱で手に入れる事ができた。
サイズは#9を選択。
で、早速リールシートと合わせてみたら・・・
いきなり完成品かと思える姿に。
差し込む部分の直径が15mmちょいだったので内径16mmのパイプシートを買ってみたら思いのほかピッタリでびっくり。リールシートはコレ↓
富士工業(Fuji工業) DPS-SD16(GM) リールシート
あとは先端側をどうにかすれば使えそうである。
ジョイント部を考える
グリップの長さ的にはショートロッドと合わせるのが良さそうなので、ズームサファリの404を付けてみることにする。
雰囲気はバッチリ合う。
ただ、純正グリップも気に入っているので出来たら兼用できるようにしたい。
なので純正グリップと同じ内径のカーボンパイプ(φ5.8-φ5.9のテーパーになってるもの)を探してみたのだが・・・残念ながら見つからず。内径φ5のパイプを自分で削る事も考えたが、おそらく自分の実力では綺麗にできないと思われる。
じゃあヒトトキワークスのグリップジョイントシステムを買うか・・・とも思ったが、それをどっちにも付けるとなるとそれなりの出費になるし、純正の方は単純に重くなってしまうのも気になるところ。
そこで、今回は金属製のフェルール無しでロッドのジョイント部(カーボン芯)をそのままチャックする仕組みを考えてみた。
幸いにして3Dプリンターを持っているので、樹脂製コレットをギリギリの内径で製作。並継ぎや印籠継ぎのようにカーボン芯を押し込んだら途中で止まるくらいの太さに設定。
で、そのコレットをチャッカーグリップの要領で締めこむようにしてみた。
チャッカー部分も3Dプリンタで製作したので重量も軽くすることに成功。
更にこの仕組みの場合は樹脂コレットを替えればズームサファリの505や金属フェルールを付けたロッドも掴める。
強度の方がどうなのか不明だが、なかなか良いアイディアではないかと思う。
組み立てについて
組み立てはパイプシートにジョイント部品とグリップを2液のエポキシで接着するだけ。
但し、オピネルのグリップにはナイフ用の溝があるので、そこは事前に埋めて必要がある。
ここも3Dプリンタで作った板で埋めてみた。
隙間はマスキングテープで埋めて、接着して一晩置けば完成。
あとは木の触感を生かしつつ防水するために、蜜蝋クリームを塗っておいた。
渓流で使ってみた
出来上がった姿がコチラ↓
もう普通にこの状態で売ってても違和感ない感じに仕上がった。
リールはグリップと同じフランス製のミッチェル308をチョイス。
握ってみるとこんな感じで、木の部分に触れる面積は少ない。
とは言っても木の触感はしっかりとあり、丸みを帯びた形状は握った時にしっくりくる。
初釣行ではミノーのトゥイッチをメインに使ってみたが、ガタガタ音がしたり緩んだりズレたり・・・といった事は無かったので、とりあえず使えそうな雰囲気。
一応無事に魚もキャッチする事ができた。
まとめ
結構簡単な作業でカッコいいウッドグリップを作る事ができた。
重量も約55gと軽く、実用性も十分。かかった費用も3000円未満くらいなのでとりあえず成功と言えるのではないだろうか。
次はベイト用グリップの製作にもチャレンジしてみたい。
↓これはプロトで作ったもの。持ちやすくできたもののちょっとデザインが野暮ったい気もするので、もう少し洗練されたデザインを目指して試行錯誤中。