カーディナル33やミッチェル308あたりの中古を物色していると、おススメの関連商品に時々表示されたりする事があるのがイタリアのコプテス社のリール。
サイドプレートにロゴ文字やイラストを立体的に加工しているのが特徴で、中でも鱒のレリーフが特徴的なのが今回紹介するORVIS-50A。
アメリカのオービス社がOEMでコプテス社に生産を委託していたものらしい。
渓流ルアーにピッタリなコンパクトなサイズにウォームギア搭載で滑らかな駆動、そこに鱒のイラストが付いているならもうトラウトフィッシングに使うしかない・・・といった感じ。
流通量が少なく、たまに状態の良いのを見つけてもとんでもない値段だったりするのだが、たまたま手の届く価格で入手する事ができた。
という事で今回は渓流ルアーと相性抜群なオービスのORVIS-50Aをインプレ。
外観など
今回は中古で本体のみの購入。
左から↓
左斜め前から↓
前から↓
右斜め前から↓
右から↓
右斜め後ろから↓
後ろから↓
左斜め後ろから↓
上から↓
手のひらにすっぽり収まるコンパクトなサイズが特徴的。右側面の鱒の絵がインパクト大だが、その他の部分は至ってシンプルな造りになっている。
ちなみにボディ下部には前オーナーが手彫りで名前を刻んでいた。それが理由で現実的な価格で入手する事ができた・・・という訳である。(恐らくイタリア語だったのであまり気にはならない。)
イタリア製なのでMADE IN ITALYと記載されている。
サイズ感
20レブロスの2000番と並べてみるとこんな感じ↓
インスプールでローター周りがスッキリしているのもあって結構小さく見える。
ちなみにリールフットも結構小さいので、自分は熱収縮チューブをかぶせて使う事にした。
重量について
重量は実測で182.4g。
金属製の割に軽いのが魅力的。
アンチリバース
アンチリバースはラチェット式。↓のレバーをONにするとカリカリ鳴る仕組み。
個人的にはミッチェル同様、普段はOFFにしておいてランディングの時のみONにして使っている。
内部構造
サイドプレート中央のネジを1本外すだけで内部にアクセスできるのが良い。
内部も至ってシンプル。ねじ込み式ハンドルが直結されたドライブギアでウォームギアを回す仕組み。
オシレーションはドライブギアから伸びたアームでシャフトを前後させる仕組み。
構造的にはカーディナル33に近いが、ドラグとアンチリバースの位置が違うのでオービスの方がかなりシンプルに見える。
ちなみに動かした状態はこんな感じ↓(動画:約7MB)
ドラグとスプールについて
ドラグはフロントドラグ式。
スプール上部のつまみを回して調節するのは現代のリールと同じ。↑の写真のようにハンドルに3点の突起があり、これによって一定の間隔で調節する事ができる。
スプールはこんな感じ↓
出口側が丸みを帯びた形状になっていて、ライン放出時の抵抗を抑えるようになっているっぽい。
一方スプール下部にはモールが巻いてあって、ローター内にラインが入り込むのを防ぐようになっている。
スプール径は39mm。
ギア比は5:1との事なので、スプール径とギア比から求められる最大巻取り速度は約61cmとなる。(昔のカタログ資料をネットで見かけた時は22.5inch=約57cmとの記載があったのでまあそんなもんかと思う。)
ローター側はこんな感じ↓
ドラグワッシャーと音出し用のギアがある。
ローター内部にバランスウェイトが無いが、バランスは結構良く、回した時の振動も少ない。ベールアームがシンプルな形状で軽い、というのも良い方向に作用しているっぽい。
ラインローラーとベールアーム
ベールアームはこの時代のリールの基本であるオートリターン式。
ラインローラは一応回るようにはなっているものの、そこそこ強い負荷がかからないと回らない。
ベールアームはシンプルなワイヤー製で、付け根の部分だけ折り返して補強してある、といった構造。強度的には少々不安だが、後に登場するロケットベールの物より重量バランスは良い、という説もあるので、これはこれで良いんだと思う。
ベールを返す時の様子はコチラ↓(動画:約20MB)
カチャッ!という音が心地良い。アンチリバースのラチェット音もなかなか良い味を出している。
ラインを巻いてみた
ナイロン2号を98m巻いたらこんな感じになった↓
ちょっとどこまで巻いて良いのか判断しにくいスプール形状だが、とりあえずこれくらいで良いのでは・・・と思う。
その後2号を30m程取って70m残し、その上から1号を100m巻いたらこうなった。
とりあえずコレで渓流に行ってみようと思う。
渓流で使ってみた
早速渓流で使ってみた。ロッドはファインテールFTX-50/565Lとの組み合わせ。
まず飛距離については昨今のスピニングとあまり変わらない感じ。ラインの放出はスムーズで、フェザリングもしやすい。
巻取り速度もそこそこあるので、アップでのミノーイングにも何とか対応可能。
この時代のリールにありがちなベールアームの変な所にラインが引っかかってトラブルに・・・といたケースも少なかったと思う。
但し、ラインローラーの回転がイマイチな事もあって、抵抗の大きいルアーやダウンでの巻上げの時は少し重い感じがする。
それと気になるのがやはり糸ヨレ。油断するとすぐスプールから輪っか状のラインがはみ出すので、ラインスラックを出さないように気を付ける必要がある。
総合的には糸ヨレにさえ気を付ければ手返し良く使える、といった感じだったので、PEラインを使うとどうなのか気になる所である。
初釣行の結果としては一応小さいながらもヤマメとイワナをキャッチ。
実用的にも使える事がわかった。
実釣動画
初釣行の様子はコチラ↓
まとめ
見た目が最高であるのは買う前から分かっていたが、使ってみた感じも悪くない事がわかった。
ベールが返る時のカシャっという音も気持ち良いし、キャストフィールも良く、ライントラブルが無ければ手返しも良い。
写真映えするリールなので、積極的に使いたい一方でスペアパーツの少なさがちょっと心配。
道具はガシガシ使ってなんぼ・・・でもあるのだが、コレについてはちょっと大事に使って行こうと思う。