先日買ったおしゃれなパックロッド、ズームサファリにはやはりオールドリールが雰囲気的に合うのではないかと思い、ちょっと中古で良い物が無いか探して見る事に。
候補はやはりアブのカーディナル33かミッチェルの308 or 408か・・・と思って探してみたのだが、どちらも未だに根強い人気があり、程度の良い物は余裕で1万円超え。下手すればもっと高かったりする。
何となく手を出すにはハードルが高いな・・・と思って色々眺めていたら、なかなか綺麗なガルシアの3800が売りに出されていた。
時期的にはガルシア社がアブに吸収される前の物で、当時ミッチェルの販売代理店をしていたガルシア社が日本で作らせたと言われている。
なので見た目の雰囲気はミッチェルの308/408にかなり近く、ギア比も高めで言う事無しなのだが、マイナーな機種だけにスペアパーツなどは絶望的に手に入らなそうという弱点もある。
けどまあ頑張ったら何とかなるか・・・という事でとりあえず買ってみた。
多分自分と同じくらいの年齢と思われるガルシア3800をインプレ。
外観など
今回は付属品無しの本体のみで購入。なので早速外観から見てみたいと思う。
左から↓
左斜め前から↓
前から↓
右斜め前から↓
右から↓
右斜め後ろから↓
後ろから↓
左斜め後ろから↓
上から↓
下から↓
黒のボディにインスプール、アルミハンドルの雰囲気が最高にカッコいい。昨今のリールにありがちなメッキ部品や複雑な形状の加工などは無し。
ミッチェルの308/408との違いとしては、ハンドルの左右交換が可能な事と、プラナマティックと言われるミッチェル独特のレベルワインドシステムが採用されておらず、一般的な平行巻きのレベルワインドである事くらいかな。
フロントドラグ式でスプールがワンタッチで取れる事、ベールリターンがオートしかできない事、アンチリバースがカリカリと音のなるラチェット式である事などはミッチェル308/408と同じ。
ちなみにこの個体は日本製。一説によると五十鈴工業が作っていたとか・・・
サイズ感
サイズ感は現行リールの2000番程度。
ダイワの17エクセラー2004Hと比較するとこんな感じ。
重量
重量はラインをいっぱい巻いた状態で228.0g。金属ボディにしては軽い。まあスプールが樹脂なのでもしアルミスプールだったらもう少し重いんだろうけど。
ちなみにライン無しの状態では222.7gだった。
いずれにしてもこれくらいなら十分に使える重さである。
ロッドに付けてみた
ロッドに付けてみるとこんな感じ↓
コルクのシングルグリップが良く合う。
スプールが近く、フェザリングしやすいのが良いところ。
ズームサファリと合わせても良く合う。
巻いてみた感じ
巻き心地は意外と軽やか。しかしローターのバランスが悪く、回転させるとプルプル振動するのが昔のリールっぽい。とはいえロッドに付けた状態であれば振動はそこまで気にならない。
アンチリバースがラチェット式なので、ONにした状態で巻くとカリカリと音がする。ミッチェルのリールは当時、「アンチリバースは魚を取り込む時のみONする」といった使い方を推奨していたようなので、それに倣えばリトリーブ時の音については解決。
ハンドルについて
ハンドルはアルミ製で、プラスチックのノブが付いている。
根本のネジを緩める事でノブの方向を本体側に向ける事ができる。持ち運びの際などに便利である。
ハンドル長は45mm。長すぎず丁度いい感じ。
供回り式で、六角シャフトがドライブギアを貫通する仕組み。これによって左右の入れ替えが可能。
ハンドルの反対側にはちゃんとキャップが付いていて、キャップはハンドルを回しても回転しない。
これでノブが交換できるタイプだという事なかったのだが・・・まあプラスチックノブも味があって悪くは無い。
ベールリターン方式について
ベールは起こす時は手で起こせるが、戻す時はローターを回さないと戻せないタイプ。いわゆるオートリターンタイプである。
ここの動きが悪くなって正しくベールが戻らなくなる事が多いと言われている。
この個体も買った直後はベールが戻っていたのだが、すぐにうまく動かなくなったので早速手を入れる事になった。
スプールを外した状態で正面から見た写真がコレ↓
ラインローラーの左上あたりに映っている銀色のパーツがベールを支えており、これが出入りする事でベールの保持が外れてベールが普段の位置に戻る、といった構造。
コレの形が微妙に変形しており、本体側の突起に乗り上げる状態だったので、ばらして少し曲げてやったらとりあえず直った。
あと、よく折れると言われているベールスプリングの入る場所はこんな感じ↓
見た目的にはミッチェルやカーディナルの物に近い感じだが・・・流用できるのだろうか。いつか折れたら試してみよう。
ギア周りの構造について
ハンドルを外して、サイドプレートを止めている3本のネジを外すとこうなる↓
構造はめっちゃシンプル。
ピニオンギアは真鍮製。で、ピニオンギアより一回り大きいローター側のギアがアンチリバース用。
ドライブギアにはスプールを上下させるオシュレート用の部品が付いている。これまたシンプルな構造。
ドライブギアを受ける軸受けは金属ブッシュ。ちょっとベアリング化するには薄すぎるかな。
ラインキャパシティについて
スプールには8lb-95mとの記載が。
今回は2号ラインを巻いてみた。
125m巻いたらこんな感じになった。やや逆テーパー気味だが、比較的均等に巻けている。
もう少し巻いても良さそうな気はするが、とりあえず2号-125m程度、と覚えておこう。
スプール径と巻取り速度
スプール径は42mm。
ギア比は5.2:1なので、ハンドル1回転あたりの巻取り量は最大68.6cmとなる。
実際にはやや少な目になるとは思うが、これくらいあれば渓流でも十分使えると思う。
ドラグについて
ドラグはフロントドラグ。
ドラグノブを回してもカチカチ鳴らないタイプ。一方スプールが空転する時にはちゃんとドラグ音が鳴る。
ドラグワッシャーは2枚入っており、ドラググリスを塗ったらそこそこ滑らかになった。
とは言え調整は結構シビアで、少し締めると一気に強くなる感じ。
なのであまり当てにしない方がいいのかも。
ラインローラーについて
ちょっと投げてみたらどうもラインが撚れる事に気が付いた。
で、ラインローラーを見たら全然回ってなかった。理由としてはラインローラーを固定している部分の板が曲がっていた。
ここを真っすぐにしたら一応手で回したらローラーは回るように。
しかし、ラインが擦れる程度では回らないのであまり意味ないのかも。まあこれより古いモデルだとそもそもローラーの無いモデルもあったりするのでそれと比較したらマシなのかもしれないが・・
また、油断していると時々ローラーからラインが外れてたりもするので注意が必要。
軽く投げてみた感じ
ちょっと家の中で投げてみた。
3.5gほどの自作ウエイトを5m先のバスケット目掛けてピッチングで放り込んでみた。
ラインの放出はスムーズ。フェザリングしやすい事で飛距離の調整がしやすく、良い感じにコントロールできることがわかった。
オートリターンもちゃんと動く限りは手返し良く使えるのでいい感じ。
その後、ちょっと近所の川で投げてみた。激浅で魚はいないが雰囲気だけ。
やはり飛距離の調整がしやすいので小河川だとかなり使いやすい。3gのスピナーを狙った所にキャストする事ができる。
オートリターンのお陰で、激浅の川でも着水直後からリトリーブでき、巻取り速度もまあまあなので渓流でも結構使えそうな感じである。
時々ラインローラーから糸が外れて巻取りが重かったり、リールの振動が大きくてルアーの動きを感じ取りにくかったりもするが、まあそれも個性と思えば・・・
カワムツ&オイカワを釣ってみた
シングルハンドルのショートロッドを合わせて小川でカワムツを狙ってみた。
1.6gのスピナーをメインに反転流の周りを探ってみると・・・
見事カワムツをゲット!
やや流れのあるところではオイカワも。
マグレではなく、普通に魚が釣れる事がわかった。
渓流で使ってみた
川幅の狭い小渓流で使ってみた。
2投に1投はラインローラーからラインが外れたり、早巻きすると振動が大きかったりと使いにくさ満点だが、何とか数匹の小ヤマメをゲット!
完全に現代のリールより使いにくいのは間違いないが、コレで釣れると必要以上に嬉しいのはなぜだろう。
ラインローラーへのラインの絡み防止
↓のパターンでのライン挟まりが結構な頻度で発生するので、ちょっと工夫してみた。
ダイソーの2液エポキシ接着剤で段差を埋めてみる。
これで全く挟まらなくなったが、果たしてその効果は・・・?
渓流で使ってみた:その2
ライン絡み防止の効果をチェックすべく、成魚放流の無い川の上流へ。
1匹目はちょっとした落ち込みの白泡の中でヒット。
2匹目は堰堤の真下でヒット。
3匹目はかなり上流の落ち込みでヒット。
3匹とも着水後まもなくのヒットだったが、着水後の巻き始めが早いハンドルリターンタイプである事が功を奏しているっぽい。
そしてまた別の日には中津川で放流魚をゲット↓
もはや完全に戦力になっていると言える。ラインの絡み防止の効果は絶大で、ラインローラー付近でのトラブルは激減した。(とはいえ別の絡まりパターンも存在するので、完全ノートラブルとは行かないんだけど。)
まとめ
買って早々何かと手の掛かるリールではあるが、少々の手間は見た目のカッコよさで十分チャラにできる印象。構造もシンプルなので展開図とかは無いがある程度なんとかなりそう。
手間をかけた分愛着が沸く・・・という事で、これから使い込んで行きたいと思う。
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