渓流ベイトフィネスには丸形リールが良く合う。中でも17カルカッタコンクエストBFSは渓流ルアーマンに人気があり、かなりの人が使っているように思う。
重厚なアルミマシンカットボディに軽量フィネススプールを備えており、MMギアによる滑らかな巻き心地に加えてドラグクリッカー付きと、およそ渓流ルアーシーンに求められる要素を全て兼ね備えている。
その分値段が高いのがネックで、定価は54,000円、実売でも4万円オーバー。発売から数年たった今でもなかなか値段は下がらないので手が出せずにいたのだが、今回意を決して買ってみる事にした。
個人的にはミリオネアCTSVとの使用感の違いも気になる所なので、その辺にも注意してインプレしてみたいと思う。
メーカーHP情報
カルカッタコンクエスト BFS
ベイトフィネスに新しい波が来る。
円形リール初のベイトフィネス専用機
剛性感に滑らかさが加わった官能的な巻きごこち。耐久性と剛性感溢れる巻きごこちで不動の人気を誇るカルカッタコンクエストのベイトフィネスモデル。FTB(フィネスチューンブレーキシステム)をはじめ、ベアリングやオイルもBFS仕様。駆動部にはマイクロモジュールギアを組み込み、滑らかでノイズの少ない巻きごこちを堪能いただけます。軽量シャッドや渓流ベイトフィネスにも対応。
スペック表
品番 ギア比 最大ドラグ力(Kg) 自重(g) スプール 径(mm)/幅(mm) 糸巻量フロロ(lb-m) 最大巻上長(cm/ハンドル1回転) ハンドル長さ(mm) ベアリング数BB/ローラ― 夢屋ハンドルノブタイプ 夢屋ハンドルタイプ 本体価格(円) 商品コード Right 6.8 4 200 32/21 8-45 68 42 12/1 A BH-1 54,000円 036759 * Left 6.8 4 200 32/21 8-45 68 42 12/1 A BH-1 54,000円 036766 * 出典:シマノ
自重は金属製ベイトリールにしては軽めの200g。ロープロファイルのベイトフィネス機と比較すると重いが、堅牢でカッコいいボディと引き換えなので仕方が無い。
スプール径が32mmでギア比が6.8:1なのでハンドル1回転あたりの最大巻取り量は68cmとなっている。渓流でアップで使う場合を考えるとやや物足りないかもだが、まあ早めに巻けば対応可能かと思う。
ブレーキシステムは可変マグネット式のFTBを搭載。高回転域では強めに効き、低回転時はブレーキが弱まる仕組み。個人的にはアルデバランBFS、スコーピオンBFS、SLX BFSを使った事があるが、結構素直に強弱が変わるので使いやすい印象である。
パッケージ
パッケージはこんな感じ↓
中身はこんな感じ↓
本体と取説、オイルとグリス、収納袋が入っている。
外観など
左から↓
左斜めから↓
前から↓
右斜め前から↓
右から↓
右斜め後ろから↓
後ろから↓
左斜め後ろから↓
上から↓
下から↓
やはり金属の重厚感が堪らない。ギアボックスは出っ張っているがパーミング側の直径が結構コンパクトなので、全体的には結構コンパクト。
重量について
重量は203.4g。カタログ値よりは僅かに重いがまあ誤差の範囲内かと思う。
ちなみにミリオネアCTSVが212.5gだったので10g程カルカッタの方が軽い。
スプールについて
スプール重量は7.9gとかなりの軽さ。
アルデバランBFSのスプールとほとんど同じ重さ。穴が3列フルに開いているので基本的に構造は同じかと思う。
スコーピオンBFSのスプールは少しブランキング穴が少なくて重い。
SLX BFSは更に穴が少なくて重い。
ちなみにミリオネアCTSVのスプールは9.5g。φ30なので単純に比較はできないが、スプールの立ち上がりは軽量且つ浅溝なカルカッタの方がベイトフィネスに適している。
(まあミリオネアCTSVはフィネス専用機じゃないけどね。)
ブレーキについて
まずはメカニカルブレーキ。クリッカー付きで調整しやすい。とはいえ個人的にはゼロに合わせてマグブレーキのみを使用。
マグネットブレーキの方はダイヤルで調整。ブレーキダイヤルは調整してもカチカチしないタイプ。SLXやスコーピオンはダイヤルが硬すぎて調整しにくかったが、カルカッタはさすがにそんな事は無い。
ラインを巻いてみる
とりあえずナイロン4lbを40m程巻いてみた。
まずはコレで渓流で使ってみようと思う。
渓流で使ってみた
秋川の支流で使ってみた。
ロッドはエゲリアネイティブETVC-46XULとの組み合わせ。
まずは3.5gのAR-Sから使ってみたが、軽量ルアー対応力はバッチリなので3.5gあればかなり快適に投げる事ができる。感覚的にはアルデバランBFSとほぼ同じ。なので2g台のルアーから投げられそうな感じ。
純正スプールで比較すると、ミリオネアより軽量ルアー対応力は上。フィネススプールを載せたミリオネアと比較すると今度はミリオネアが上回るが、ネイティブ狙いで3g以下のルアーをほぼ使う事が無い自分からするとカルカッタコンクエストのキャスト能力で十分事足りる。
とりあえず初釣行で無事にヤマメをキャッチ。
続けてイワナも。
階段状になった源流域で使ったので巻取り速度については全く問題無し。
巻取りもかなり滑らかでルアーの動きが手に取るようにわかるのも良い所。
ドラグクリッカーが付いているお陰で周囲がうるさくてもラインが出ているのが感覚でわかるというのも良い。
200gという自重も短いロッドと合わせて使う分には殆ど気にならないので、上流、源流域で使うには全く文句のつけようが無いリールだと思う。
まとめ
箱出しでこれほど渓流ベイトに向いたリールは今の所他に無いのではないか、という仕上がりである事がわかった。
まあそもそも丸形ベイトリール自体の選択肢が少ないのだが、ミリオネアCTSVや五十鈴のBC521SSSと比較しても総合的にはカルカッタの方が上なのではないかと思う。
フィネススプールを載せたミリオネアCTSVにドラグクリッカーを追加できたら互角になると思うんだけどね・・・・
シマノ(SHIMANO) 17 カルカッタコンクエスト BFS HG 左 03676