ルアーには安いものも高いものもあるわけだが、価格と釣果が比例するかというと必ずしもそうでないのが面白い所である。
例えば以前FISH UP秋川湖へ行った時の事。
平均サイズが大きい代わりに数を釣るのは難しい釣り場で、全部で6匹しか釣れなかったのだが、そのうち2匹をダイソークランクが占める、といった結果になった。
他にも何十種類とルアーを投げたにも関わらず、である。
しかも釣れたのは放流前のタイミングだったので、タイミングによる影響よりはたまたまダイソークランクの動きや泳ぐレンジが魚にとって魅力的に見えたのではないかと思う。
また、先日秋川へ行った時にはDコンパクトで1匹に対し、Dコンパクトのパクりルアーで3匹、といったような結果となった。
この両者には動きの質に違いがあり、パクりルアーは本家より軽いのでダートのキレが悪い代わりにタダ巻き時のレスポンスが良いといった具合。
で、この日魚が溜まっていたポイントでは積極的に動かすよりはドリフト気味に流すパターンが有効だったので、パクりルアーの方が状況にマッチしたのだと思われる。
これらの事例から考えると、高いルアーの方が必ず釣れるわけではない、という事がわかる。
なぜ高いルアーが必要なのか?
ここまでの話からすると、安いルアーでも釣れるなら高いルアーはいらないのでは・・・と思う人もいるかもしれないが、それはまたちょっと違うと思う。
高いルアーには高いルアーにしか出せない特性があり、それがマッチする状況が存在するからである。
まず差が出やすいのが飛距離。
高いルアーの方が比重の高いタングステンウェイトが使えたり、最新の重心移動構造を採用したりする事で飛距離を伸ばす事ができる。
どんなルアーも魚の居るところに届かなければ釣れないので、飛距離という要素は重要だと思う。
続いて動きの質について。
ヤマメはミノーのトゥイッチによく反応するが、移動の幅が大きい物程よく釣れる、といったシチュエーションに遭遇する事がある。
そんなときにはDコンタクトを使用すると良いのだが、切れの良い動きを出すのにタングステンウェイトが一役買っている。
特定の動きを出すには高価な材料や工夫を凝らしたボディデザインが必要だったりするので、高くないと出せない動き、というのも存在すると思う。
そして最後に品質の安定性について。
高価なルアーは品質管理体制がしっかりしている事が多いので、箱から出した状態でしっかり泳ぐ可能性が高い。
安いルアーはまともに泳がなかったりチューンが必要だったり、といったケースがあり、最初の調整に時間を取られる事も。
また、再現性という点についても考える必要がある。
品質が安定している高価なルアーは同じ動きでカラーだけを変えたり、といった使い方ができるが、動きの安定しない安いルアーだと偶然ハマった個体があっても他の個体だと全然ダメ・・・なんて事もあり得る。
戦略的にパターンを組み立ててローテーションする、といった楽しみ方ができないのはデメリットの一つかと思う。
(安定していないが故に奇跡の動きをするルアーもあるかと思うけどね。)
まとめ
結論としては、
高いルアーの方が釣れるとは限らないが、高いルアーじゃないと釣れない魚もいる
といった所かと思う。
勿論逆も然りで、
安いルアーの方が釣れるとは限らないが、安いルアーじゃないと釣れない魚もいる。
とも言える。
魚に値札は見えないので、値段そのものは全く気にする必要はない。
大切なのは、それぞれのルアーの特性をちゃんと理解して、その時々の魚に合ったルアーを選ぶ事かなと思う。
ちなみに少々高いが釣れるルアーと言えばやはりDコンタクト&Dコンパクトかと思う。この動きは形だけ似せた安いルアーでは出せないんだよね・・・