冬になるとそう簡単にはバスが釣れなくなるので、毎週末釣り場に足を運んでも1ヶ月以上魚に触ってない・・・なんて事もザラである。
そんな時に癒しを与えてくれるのがエリアトラウト=管理釣場での鱒釣り。
少なくとも魚が目の前にいる事は間違いないし、真冬であっても調子が良ければ何十匹も釣ることができる。
管理釣り場専用にタックルが要る・・・となると少しハードルが上がるが、意外とバス用タックルの流用でも大丈夫、というのが個人的な見解。
(勿論専用タックルの方がいいんだけどね。)
魚を誘う、アタリを取る、バラさないように取り込む・・・という点ではバス釣りに通ずる所があるので、楽しいだけでなくバス釣りの上達にも繋がる・・・となればやらない手はないのではないだろうか。
自分も最初は専用タックルでなくバスロッドの流用から始めたので、その辺の経験を踏まえて考察してみようと思う。
ロッドはULアクションのスピニング
エリアで使うルアーは主に5g未満、ラインは4lb以下、という事が多いので、ウェイト、ラインの適合範囲を考えるとロッドのアクションはULが望ましい。
管理人が以前使ってたのがコレ↓
6ft、適合ライン2~8lb、適合ルアー1/32~3/16ozといったスペックのもの。
トラウトロッドと比較すると、同じULアクションだとしてもバスロッドの方がトラウトロッドよりも固い、という点が特徴的だと思う。
↓の写真の左がULのバスロッド右がLのトラウトロッド。バスロッドの方が少し太く、アクションも固い。
なので、バスロッドを流用する時はトラウトロッドの柔らかさの理由を考えた上でどう対処するか考えておく必要がある。
トラウトロッドが柔らかい理由&対策
主にこんな理由が挙げられると思う。
①軽量ルアーを投げるのに柔らかい方が投げやすい
②管理釣り場では細いバーブレスフックを使うので、魚をバラしやすい→なるべくラインに一定のテンションをかけておきたい→柔らか目の竿を常時しならせた状態でやりとりしたい
③バスより吸い込む力が弱い鱒に違和感無く喰わせたい
④細いラインを切られない為に竿でショックを吸収したい
これに対し、①は根本的にはどうしようもないが、軽い物が全く飛ばないわけではないので届く範囲で釣れる魚を探せば何とかなる。
②と④はドラグを緩めに設定すれば対応可能。緩めておけばラインブレイクの可能性は減るし、魚が掛かったらドラグを出しながらリールを巻き続ける、といった事をすればテンションをかけ続ける事ができる。
③についてはロッドの違和感を感じさせる前にアタリを取る、つまりラインの動きでアタリを取って合わせる事である程度回避できる。
といったような対策をすればそれなりに楽しめると思う。
リールは1000番~2500番程度のスピニング
バス用のスピニングだと大体2000番前後だと思うが、4lbを100mくらい巻ける物がいい。
あと、前述の通りドラグを緩めにする事でロッドの固さをカバーする必要があるので、ドラグが滑らかに出るリールだと尚良い。
ラインはナイロン4lbからスタート
トラウト専用タックルを突き詰めて行くと2lbとかのラインを使ってる人もいるが、とりあえずはナイロンの4lbからでいいと思う。
ちょっとやってみて、慣れてきたら少し糸を細くしてみたり、フロロやPEに変えてみたりするのも良い。
ルアーはスプーンを買おう
バス用のルアーで流用できるものもあるが、基本はやはり小型のスプーン。
1.5g程度のスプーンを5色くらいは用意しておきたい。
とりあえず同じ重さで明るい色~暗い色まで揃えておいて、探るレンジはカウントダウンとリトリーブスピードで調整する、といった感じでかなり選択肢の幅が広がると思う。
どうせ買うなら色んなメーカーのを・・・と行きたいところだが、最初に買うのは色だけ違う同じシリーズの物で揃えた方が、カウントダウン時の秒数やリトリーブ速度による浮き具合が揃うのでやりやすいと思う。
(管理人は最初適当に買い揃えたので、釣れても何が良かったのか迷う事が多かった。)
バス用ルアーでトラウトに流用できるもの
4cm以下のクランクベイト、5cm以下のシャッド、6cm以下のミノーがオススメ。
要はバス用ルアーでも小さめの部類に入るもの。
出来たらスローリトリーブでも良く動くものが良い。
クランクベイトならダイワのプチピーナッツ
(タイニーピーナッツでも可)
↓上がプチピーナッツ、下がエリア用のKPクランク
↓シュガーシャッド、TDミノーあたりも実績あり
↓X-48アクロバット、X-30、ライブXスモルトなんかも良い。
エリアで使う場合はバーブレスフックへの交換をお忘れなく。
一方、40cm~50cmを超えるような大物を狙う場合に、敢えて少し大きめのルアーを使うと良い結果が得られたりするので、1つ2つ忍ばせておくのも良いと思う。
管理人的に実績が高いのがTDシャイナー↓
コレでボトムを小突きながら引いてくるとリアクションでガツンと喰ってくる事が多い。
但し、エリアによってルアーのサイズは最大◯◯g以下、とか◯◯cm以下、といったルールがあるので注意。
ランディングネットは必須
バスと違って下顎を掴んでのハンドランディングはしないのが基本。
リリースする際には極力弱らせないようにするのがマナー。
なので、直接魚に手を触れずにキャッチ&リリースする為にラバーネットの使用がオススメ。
エリアによってはレンタルできたりするので、持ってない場合は予めチェックしておくと良い。
誘い方
投げて巻く、という点に於いてはバス釣りと同じなのだが、エリアの魚はルアーを見慣れている事もあって、放流直後の魚でもない限りは積極的にルアーを追い回したりしない。
なので、ルアーはゆっくりと一定の速度で巻いて来るのが基本。
状況によってはストップ&ゴー、トゥイッチ、ジャーク、リフト&フォールといったアクションが有効だったりもするが、まずは一定の速度で巻きながら当たりカラー、当たりレンジを探る方が良い。
スプーンの使い方
スプーンの場合は巻くのが遅すぎるとウォブリングしなかったり、逆に早すぎると回転してしまったりするので、どの程度の速度で巻いたらちゃんと泳ぐかを予め把握しておく必要がある。
ちょうど良いリトリーブ速度がわかったら次は水深のチェック。
着水してからボトムにルアーが着くまでに何秒かかるかをカウントしておき、次からはそれを基本にレンジをコントロールする。
仮にカウント10秒でボトムに着くとしたら、着水直後→カウント5秒→カウント10秒といった具合に巻き始めるカウントを変える事で狙うレンジを変える事ができる。
魚がふんだんにいるエリアの場合は、それぞれ3投~5投して反応が無かったらレンジを変えてみる、でいいと思う。
表層からボトムまで探っても反応が無い場合は色を変えてまた表層から順に誘っていき、アタリのあるレンジとカラーを探っていくと良い。
レンジとカラーが合うと同じルアーで連続して釣れたりするので楽しい。
反応が無くなったら、似た色のルアーで同じレンジを探ってみたりするとまた釣れたりする。
魚の反応がカラーによって明らかに違う事が感じられると思う。
また、赤金、オレ金、蛍光オレンジ単色、などといったアピール力の強いカラーは放流直後に圧倒的に効くので、1つは用意しておきたい。
プラグの使い方
プラグの場合もバス釣りよりゆっくり動かすのがポイント。特にクランクベイトはバス釣りだとボトムや障害物にコンタクトさせてなんぼ、というイメージだと思うが、エリアに於いては一定のレンジをキープしつつ、スプーンよりも大きいアクションでアピールできる、というのが効くと思う。
クランクの場合はリトリーブ速度でレンジコントロールを行う。
デッドスローに巻いて表層を誘ったり、最初に早めに巻いて潜らせてから一定のリズムで巻いてきたり、といった感じでコントロールすると良い。
スプーンの場合は表層を流そうとすると早巻きになりがちだが、クランクの場合は止めても沈まないのでゆっくり探る事ができる。
アタリの取り方
バスと比較すると吸い込む力が弱く、且つ毎日ルアーを見ている事から警戒心も強い管理釣り場の鱒はバイトが浅い。
活性が高い時に「ガッツリ喰って反転して向こうアワセ」、なんて時もあるが、大体の場合はちょっと咥えてみても違和感があったら放す、みたいなバイトが多い。
なので、バスと比べるとかなりアタリは繊細かつ短時間であると思った方が良い。
アタリはロッドに伝わる前にラインを伝わって来る為、ラインの弛み具合、左右への移動などを感じたら即座に合わせる、といった対応が必要である。
(俗に言う、ラインでアタリを取れ、ってやつね。)
一方、フックがバーブレスの細軸なのでそんなに強く合わせる必要は無い。
竿は寝かせ気味にしておいて、アタリ!?と思ったら竿を手首で立てて合わせてみるようにすると良い。
空ぶったところでまたチャンスは来るので、繰り返し行う中で、どんな動きが当たりでどんな動きが外れか、を見極められるようになると楽しい。
魚が掛かったら
とにかく巻き続ける事が大事。バーブレスフックはラインの弛み=バラシなので、魚が急に手前に来たり、ジャンプしたりした時も常に巻き続けて弛みを出さないようにするのがポイントである。
ドラグを緩めに、と少し前に書いたものの、どの程度にしたらいいのか、というのが難しい所。
理想的には、巻いている間は常時ドラグが鳴っていて、且つ魚が徐々に寄ってくるくらい、といった感じかと思う。
巻いてもドラグが鳴らずに、巻いた分だけ魚が寄ってくるとすればキツ過ぎなわけだが、多分バス用の設定でそのまま持ってくとそうなると思う。
で、そのまま使ってると結構バラすと思うので、敢えてバレる事を体感してみるのも面白いかな、と思う。
釣れたら食べるのも楽しみ
バスを積極的に食べる人はあまりいないと思う。
皮や内臓の脂に潜む臭み取りが面倒、というのも理由の1つかと思うが、鱒類は特に下処理なんかをしなくても美味しく頂けるので、時には持って帰って食べるのも楽しみの1つ。
エリアによってはその場で調理してくれたりもするので、塩焼き、唐揚げ、更にはお造りなんてのも美味しい。
鱒の塩焼き↓
鱒の唐揚げ↓
鱒のお造り↓
管理釣り場で知った事
必ずしもバスが同じとは限らないが、管理釣り場で釣りをしてるとこんな事を実感すると思う。
流れ込み付近が良く釣れる
良く言われることだが、プールみたいな変化の少ない管理釣り場に於ける流れ込みの効果は絶大で、流れ込み付近では入れ食い、少し離れたら坊主、なんて事もあり得る。
狙う場所の大切さを身に染みて感じる事ができる。
バス釣りで貴方が狙ってるそのポイント・・・実は魚がいないかもしれませんよ。
食う魚と食わない魚がいる
チェイスしてくる魚を見ていると、何十匹もいるのについてくるのは1、2匹、という光景をよく目にする。
ルアーを変えたりするとその数が増えたり減ったりするが、何十匹の魚が一斉に追ってくる事は無い。
なので、個体によって好き嫌いが存在する事は間違いないと思われる。
カラーによって反応がめっちゃ違う
魚には色が識別できてるとかできてないとかいう議論の科学的裏付けはさておき、カラーを変えると反応が変わる事は間違いない。
特にスレたフィールドであるほど微妙な差が顕著に出ると思うので、スレバスを狙う時にも注意した方がいいかもしれない。
パターンは1つではない
ボトムが良い?と思いきや実は後で表層を狙ってみたらそっちの方がよかったりもする。
時間帯や天気の移り変わりでも変わるが、それを実感できるのも魅力の1つ。
バス釣りの場合だと一匹二匹しか釣れずに結局何が当たりだったのかよくわからん・・・ってな事も多いが、魚が多いとその分反応も多く、傾向が見えやすい、ってのが良い。
まとめ
釣れて当たり前・・・と思いきやそう簡単にはいかず、ルアーフィッシングの醍醐味である「狙ったルアーで釣る」をしっかり体感できるのがエリアフィッシングの魅力。
「釣れた」からの試行錯誤で「釣った」へ繋がるプロセスこそゲームフィッシングの楽しさだと思う。
魚とのコンタクトが極端に少なくなる冬のバス釣り。
貴重な一匹との出会いも大切だが、心折れそうになったらエリアフィッシングでリフレッシュすると、新たな発見があるのではないかと思う。
とか言って、何回かやってみるとエリアにはエリアの魅力がある事に気付き、エリア用ルアーが増え、気付けば専用タックルを買っちゃってる・・・なんて事になるかもしれないが、それはそれで楽しいからいいじゃないの。