バス釣りをしていると近くで見かけることの多いブルーギル。ワームの尻尾をかじってみたり、時にはハードルアーにアタックしてきたりもするカワイイ存在。
今回は敢えてそんなブルーギルを専門に狙う方法についてまとめてみた。
サイズはバスほど大きくならないものの、好奇心旺盛で色んな物に食い付いてくる、専門的に狙う人がいないためあまりスレていない、といった特徴から簡単に釣ることができるので、とりあえずルアーで魚を釣ってみたい、という初心者やお子さんにオススメしたい釣りである。
では早速いってみよう。
ブルーギルってどんな魚?
北アメリカ原産の外来魚で、ブラックバスと同じスズキ目サンフィッシュ科に属する淡水魚である。
ブルーギルという名前は、大型の個体はギル(=アゴ)の辺りが青くなる事から来ていると思われる。
湖や池などの止水域を好み、川でも流れの緩い場所に棲息。水草や冠水植物などの身を隠せる物の周りにいる事が多い。
サイズは最大25cmくらい。日本記録は29cm/810gとの事。
(出典:ジャパンゲームフィッシュ協会)
http://www.jgfa.or.jp/
食性は雑食だが、どちらかというと小魚、他の魚の卵、虫、甲殻類などの動物性の餌を好む。(ような気がする)
とりあえず口に入りそうな大きさで、ちょっとでも食べられそうな物が落ちてくると食いついてくる。
産卵期は初夏。卵や稚魚を親魚が守る習性があるため、稚魚の生存率が高く、何でも食べる習性もあって繁殖力はかなり高い。
料理すると美味しいらしく、アメリカではフライパンに丁度いい魚=パンフィッシュなんて呼ばれたりもしているが、日本ではもう一つ浸透していない。
尚最近では池の水を抜く番組なんかでも話題だが、特定外来生物に指定されている。
その為生体の移動や再放流には制限があるので注意が必要である。
ブルーギルの釣れる場所
基本的にブラックバスが釣れると言われるエリアには大体いると考えていいと思う。
但し、川に関してはバスより流れの緩い所を好む事から、砂利穴やワンド状の所にいる事が多い。
管理人がブルーギルを釣った事がある場所で有名な場所だと、琵琶湖、相模湖、津久井湖、河口湖あたりである。これらの周辺の野池や水路なんかにもいたりするので、身近な所から探してみるといいと思う。
↑津久井湖でも良く釣れる。
ブルーギル釣りのタックルと釣り方
正直何でもいい・・・なんて言う人もいると思うが、いくつかオススメのタックルを紹介。
①延べ竿仕掛け(浮き無し)
最高にシンプルな仕掛けがコレ。見えている魚の前に餌を落とし、食った瞬間に合わせるサイトフィッシングスタイル用。
バス、トラウト用タックルを流用するのであれば、普通に6ft前後のスピニングロッドで代用可能。
足元でブルーギルが泳いでるのが見える、といった場合にオススメのタックルである。
ロッド、ライン、ガン玉については操作しやすければ正直何でもいい。
但しフックサイズにはちょっと注意が必要。
ブルーギルは口が小さいので針は小さめに・・・と思うかもしれないが、小さいフックを使うと飲まれる可能性がかなり高いので、↓の図のようにフックの先端部だけがギルの口に収まるようなサイズを選ぶと良い。
これくらいのサイズのフックでも十分釣れる↓普通にバス用のフックの流用である。
エサはミミズ、エビなどの生餌が最高に反応が良いが、魚肉ソーセージやチーズ、イカの燻製などの加工食品でも釣れるので色々試してみると良い。
動きを与えてやればワームの切れ端などにも反応するので、ちぎったワームを針先に付けて、フォールで誘って喰わせるのも面白い。
釣り方
まず目視でギルの居場所を探す。水草や倒木などの周りに注目。
↓のような流木などの下に隠れている事が多い。
いそうな場所を見つけたら、仕掛けをゆっくり沈めてみる。ギルがいる場合はワラワラと沸いてきて、沈んでいく最中に食いつく事が多い。
餌又はワームがギルの口に入ったのを確認したらフッキング。手首を返す感じで竿先をシュッと上げればOK。
針が刺さったら後はゆっくり上げるだけである。
沈められるだけ沈めてもアタリが無い場合は、再度水面より上まで仕掛けを上げて、落とし直してやると良い。
ミミズなどのエサを付けている場合はそのまま沈めておいても釣れるが、ワームの場合は常に動かしている方が釣れやすい傾向にある。
↓ちぎったワームを付けた例。大き目のフックに対してピンポイントで針先を食わせるのがポイント。
釣れるとこんな感じになる↓
②延べ竿仕掛け(浮きアリ)
浮きを付ける事で、目に見えないアタリを取ったり、少し遠くを探る事ができるようにしたのがコレ。延べ竿の場合は①の仕掛けより長めの竿を使うと良い。(見える範囲で釣れるならウキ要らないじゃん、ってなるしね・・・)
少し沖の水草にギルが付いていたり、或いはどこにいるかわからない時にオススメ。
バス、トラウトタックルを流用する場合は①と同様に6ft前後のスピニングロッドで代用可能。
その場合はウキの重みを使って少し投げてやることで探る範囲を広げることが出来る。
エサについては、浮き釣りの場合は浮き無しに比べてアクションをつけづらいので、自発的に動く生き餌を使用するか、味や匂いが強めのエサを使う、もしくはワームを使うにしてもガルプなどの匂いと味のあるものの方が好ましい。
要は動かさなくても食ってくる物を使う方が良い、という事。
釣り方
まずは浮き無しの場合と同様に、魚がいそうな場所の近くに仕掛けを落とす。
しばらくするとガン玉の重みでフックが狙った水深まで沈む。
魚が食い付くと浮きがピクピク動いたりするので、浮きが水中に引き込まれるのを待ってから合わせると釣れる、という仕組み。
尚、合わせるのが遅れると針を飲み込まれる可能性が高いので、浮きが沈まなくても水平に大きく動いたりした場合など、怪しいな・・・と思ったらとりあえず合わせてみる方がいいだろう。
また、動きをきっかけにギルがエサを発見して食いつく、というパターンが結構あるので、少し水平移動させて待つ、あたりが無ければもう少し移動、の繰り返しといった誘いを入れてやるのもアリだと思う。
③ルアー用仕掛け
ルアーで狙う場合はウルトラライトクラスのバス用タックルかトラウト用タックル、もしくはアジングやライトロックフィッシュ用タックルがオススメ。
とりあえず軽量ルアーが快適に投げられる物が良い。
6ft前後のウルトラライトのスピニングロッドに1000~2000番前後のスピニングリール、4lbラインの組み合わせを基準として、あとは環境に合わせて少し強めにしたりすればいいと思う。
うっかりバスも釣れてしまいそうだったり、水草が多くて逃げ込まれると絡みそうだったりする場合は少し糸を太くしたりするのがオススメ。(管理人は昔琵琶湖でガルプを使って浮き釣りを楽しんでいたところ50upのバスが釣れた経験がある、その時は8lbラインを使用していた。)
ルアーはとにかく小さいものが良い。
バス用のルアーそのままでも喰ってはくるが、口が小さいのでフッキングできないことが多い。
なので、ハードルアーの場合はエリアトラウト用のスプーン、スピナー、ミノー、クランクなんかが良い。
オススメルアーの例↓
1.8~3g程度のスプーン、2~3g程度のスピナー、50mm前後のミノー、小型クランクベイト、小型シンキングスイッシャーなどがオススメ。
ワームの場合もフックごと口に収まるサイズの方がいいので、アジングやメバリング用の1インチ~1.5インチくらいのワームを使うと良いだろう。
オススメワームの例↓
グラスミノーSS(左側)がサイズ、動き的にベストマッチだと思う。ジグヘッドリグ、ダウンショットリグで使用。右側はダイソーのメバル用ワーム。サイズ的にはメバル用やアジング用の1.5インチ~2インチ程度のワームがちょうどいいと思う。カラーは視認性の高い白、オレンジ、ピンクなどが良い。魚に発見されやすく、サイトフィッシングの時には自分から見やすいといったメリットがある。
釣り方
スプーンやスピナー、ミノーやクランクなどの巻くルアーを使う場合は、ブルーギルが隠れていそうな場所より少し遠くに投げて、ゆっくり通過するように巻いてくると良い。
バスほど早い動きに付いてくる訳ではないので、イメージとしては人が歩く速度くらいをマックスとして巻いてくるといいのかなと思う。
後ろをゆっくり付いてきて、何かのきっかけに食い付いてくる事も多いので、時々止めてみたりするのもアリである。
ココン!というアタリが来たら巻きながら竿を立ててやることでフッキングが決まる。
スプーンでの釣果↓
スピナーでの釣果↓
ミノーでも釣れなくはない↓
シンキングスイッシャーにて↓
ワームの場合はダウンショットリグがオススメ。
ギルが隠れてそうな場所の少し遠くに投げて、ボトムに着くのを待つ。ボトムに着いたら竿を使ってゆっくり手前に引き、竿が立った所で一旦止めてアタリを待つ。
3~5秒ほど待ってアタリが無ければリールを巻きながら竿を倒して糸フケを取る。その後はまたゆっくり竿を立てて手前に引いてくる・・・といった感じで引く→止める→巻くを繰り返すと良い。
止めた直後にプルプルプルッ!とアタリが来ることが多いので、アタリがあったら少しだけ待ってから合わせる。
手元に重みを感じたら無事ヒットである。
ダウンショットリグでの釣果↓これはバス用のリグそのままで食ってきた。
ヒット~取り込みまで
4lbラインを切られることはまず無いと思うので、どの釣り方でも落ち着いて手前に寄せてくれば問題ない。
ランディングの際はそのまま持ち上げてしまえばいいのだが、釣れたブルーギルを掴む場合は背鰭に気を付ける必要がある。
ブルーギルの背鰭の骨は固くて尖っているので、刺さると結構痛い。
なので掴む時は頭から背中に向けて手を滑らせて、背鰭を寝かしながら握ると刺さらなくて済む。
あると便利なもの
フィッシュグリップ
メゴチバサミとも呼ばれる魚を掴むトングみたいなのがあると、背鰭を気にせず掴むことができるのでオススメ。
実釣動画
バス釣りの合間に釣ってみたのを動画にしてみた↓
まとめ
とりあえず何か釣ってみたい、という人にはうってつけのターゲット。
敢えて狙ってみる事でバスとのアタリの違いを感じてみたりするのもまた勉強になると思う。
色んな餌やルアーに反応するので、何が一番釣れるか、とかを夏休みの自由研究にする・・・とかもアリかもしれない。